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豆腐屋樽見茂社長のがけっぷち交渉力に学ぶ!

      ◆◆コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆

        <第175回>仕事のできる人の行動特性に学ぶ!

    ==■「豆腐屋樽見茂社長のがけっぷち交渉力に学ぶ!」■==

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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持
ち腐れとなり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。

「仕事のできる人の行動特性に学ぶ!」と題して分かりやすく解説してい
きます。

コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営
トップ・管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す
学生さんにも是非ともお読みいただきたいと思います。

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<今回のメニュー>
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【1】3代目継いで業績を伸ばす!
【2】穀物の異常高騰に業界はどこも悲鳴!
【3】社員は討ち死に、社長の出番でがけっぷち交渉!
【4】今日のまとめ
【5】編集後記
【6】「問題解決力」を磨けるめるメルマガ!

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【1】3代目継いで業績を伸ばす!

篠崎屋という豆腐メーカーの樽見茂社長(45歳)は3代目ですが、元々
は東京の街の豆腐屋でした。大学卒業後一旦サラリーマンになりましたが
人に使われるのが性に合わず家業を継ぐことにしました。


常識にとらわれない豆腐を作ろうと篠崎屋を設立したわけです。ご多分に
漏れずスーパーに卸していましたが例によって買い叩かれ、利益はすずめ
の涙。たまたまスーパーに納品に行ったとき店員に「どけっ、豆腐屋」と
怒鳴られぶち切れになりました。

とびっきり旨い豆腐を開発しスーパーを切ってやることが当面の目標です。
スーパーで売っている豆腐は石灰を薄めて固めた豆腐が主流で価格優先で
す。

寝る時間も惜しんで飛びっきり旨い絹ごし豆腐や寄席豆腐を開発し、スー
パーを切ったのです。沖縄産のにがりに出会ったことが功を奏しました。

人気の豆腐を数多く抱え、埼玉や栃木に11工場、直営店、百貨店、高級
料亭を通して販路を開拓していきました。大手GMS(総合スーパー)と
は今でもお付き合いがありますが安さ一辺倒のスーパーは前述のように願
い下げました。

M&Aを多用し惣菜メーカーやアップルマートというコンビにも買収し、
多角化にも乗り出しています。


【2】穀物の異常高騰に業界はどこも悲鳴!

発端は原油高。投機マネーは一般の株式市場などから引き上げられ、原油
に投資、そして原油高のスパイラルアップに陥っていることはご承知の通
りです。バイオ燃料が原油高対策と地球温暖化対策としてにわかに脚光を
浴び、アメリカなどの巨大農家はとうもろこしの作付けにシフト、大豆は
高騰です。

原料高の追い討ちで廃業を余儀なくされる街の豆腐屋も多くなっています。
スーパーなどが価格への転嫁を容易に認めてくれないからやっていけない
のです。

値上げ交渉は喫緊の課題ですが、「交渉力」なるコンピテンシーの発揮は
そう簡単なことではありません。


【3】社員は討ち死に、社長の出番でがけっぷち交渉!

豆腐の製造コストの4割を占めるのが大豆。大豆は1年前の2倍目前にな
っています。樽見社長は、「もはや我慢の限界、値上げは避けて通れない」
と覚悟を決めました。しかし安さを売りにするGMSはすんなり値上げを
認めるわけがありません。客先に出向いた営業マンは全員が討ち死に、つ
まり値上げが認められませんでした。ついに樽見社長自らの出番です。

値上げに対して客先のGMSからは非難囂々。それでも一歩も引かず最後
のカードを切りました。「いやならもう納入しませんから」と。

まかり間違えば大事な顧客を失いかねないのですが、当社の豆腐でなけれ
ば豆腐コーナーの陳列が成り立たないと確信していたからです。さらに当
社として廃プラスチックをリサイクルしたオリジナルの容器を使用し、容
器のコストを40%も削減していることも主張しました。精一杯コストダ
ウンに努力をし、地球に優しい生産をしていることを認めさせたのです。

「交渉力」なるコンピテンシーの発揮は難しいところです。交渉のネタに
使えるカードを何枚切れるか周到に準備し、相手の出かたを伺いながらど
の場面でどのカードを切るかよく準備して臨むことが重要です。


【4】今日のまとめ

1.交渉は相反する立場を相互理解し、その中から当方の主張を認めても
  らうという高度なビジネス能力であること。

2.ただ「苦しいので値上げを認めて欲しい」というだけでは討ち死にし
  てしまうこと。

3.相手の弱点をよく把握し、当方のカードを事前に用意し、最適の場面
  でカードを切りながら有利に進めること。今回の場合の相手の弱点は、
  うちの豆腐がなければ豆腐コーナーの品揃えができにくいこと。だか
  ら「出荷しない」という最強のカードが切れたこと。

【5】編集後記

かつて神戸製鋼所がUSスチールとの合弁事業の交渉で犬伏社長は「イズ 
イッツ フェア」という質問を何度も使い、最後まで「ノー」という言葉
を使わず、主張を認めさせました。「ノー」といえばその段階で決裂です。

「イズ イッツ フェア」つまり、「それが最良の方法なのか」と問われ
れば相手はかなりのことを理解し、かつ準備していなければ答えられない
でしょう。

原材料の高騰、物流費の高騰がトレンドであるにもかかわらず、GMS側
は「お前のところは赤字でもいい。うちだけ儲かればいい」という態度は
とれなくなったわけです。そのことを樽見社長は読んでいましたね。



次回に続く

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        彩愛コンサルピア代表 下山明央

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