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国際的な租税回避行為の防止税制

■Vol.33(通算 Vol.168) 2008-5-7 毎週水曜日配信            
■■■――――――――――――――――――――――――――――――――
□□■    経営に生かせる人事労務・法律の知識 
■■■  ― 経営者、起業準備の方必見です!―
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■■■    「国際的な租税回避行為の防止税制」
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 今日は、五月晴れの素晴らしくいいお天気です。
 この天気が連休中に続けば!と思った人も多いはずです。
 
 私も最後の最後に川沿いの屋外のテラスで、ビールを飲んだときが一番の
 お天気でした。このビールが最高でしたが。
 
 来年は、ゴールデン・ウィークは5連休、9月にも4連休と連休に恵まれる
 ようです。
 では、来年の連休は良い天気に恵まれることをいのりつつ、「経営に生か
 せる人事労務・法律の知識」参りましょう!
 今回は、公認会計士の富田先生です。



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     「国際的な租税回避行為の防止税制」
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こんにちは!公認会計士の富田です。

皆さん、前回は新しい会社法で解禁された三角合併等を利用して税金が節約
できるとして「コーポレート・インバージョン取引」をご紹介しました。
日本法人をタックス・ヘイブン親会社の子会社とすることが簡単にできるよ
うになったため、この手法が使えるのではないかと言うことです。


形式上には税金負担を減少させることができる点は前回でご理解いただけた
と思いますが、こういった国際的租税回避スキームに対して防止策として導
入されている規定と、それを踏まえた上での留意点を以下にご紹介します。


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(1)留意点:国際的な租税回避行為の防止税制

現行の「タックス・ヘイブン対策税制」:日本法人がタックス・ヘイブンに
子会社を作りそこに利益を留保する場合を想定して作られており、逆のケー
ス、すなわち日本法人をタックス・ヘイブンに所在する会社の子会社とする
ことによる租税回避には対応していませんでした。
しかし、上述のとおり、三角合併等によるクロスボーダーの組織再編により、
日本法人株主がタックス・ヘイブンにある実体のないペーパーカンパニー
株主へと置き換わりそのペーパーカンパニーを通して実質的に日本法人
支配することが容易に行えるようになり、その結果所得が日本国外へ流出す
る可能性があるとの問題意識から、三角合併等の解禁を機にこのようなイン
バージョン取引による国際的租税回避を防止する規定が導入されることにな
りました。

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1.タックス・ヘイブン親会社株式を対価とする合併等の適格性否認
===================================================================
企業グループ内の法人間で行われる合併等で以下のいずれにも該当する場合
は、非適格合併等とされます。
・軽課税国に所在する実体のない外国親会社の株式を対価とすること。
合併法人等に事業の実体が認められないこと。
この改正は、平成19年10月1日以後に行われる合併等について適用されます。


===================================================================
2.タックス・ヘイブン親会社の株式を対価とする合併等における株主課税
===================================================================
非適格合併等が行われる場合において、交付される対価が軽課税国に所在す
る実体のない外国親会社の株式であるときは、合併等の時に、被合併法人
株主は旧株(被合併法人等株式のこと)の譲渡益に対して課税される。

この改正は、平成19年10月1日以後に行われる合併等について適用されます。


===================================================================
3.タックス・ヘイブン親会社等の留保所得に対する合算課税
===================================================================
内国法人(注1)の株主が組織再編等により軽課税国に所在する実体のない外
法人を通じてその内国法人(注2)を支配(注3)することとなった場合に
は、その外国法人又はその外国法人に係る外国子会社(注4)に留保した所得
は、その持分割合に応じて、その外国法人株主である居住者及び内国法人
所得に合算して課税されます。
(注1) 少数の株主グループによって支配(80%以上の持分保有)されるもの
に限る。
(注2) その内国法人資産負債のほとんどすべてを取得した他の内国法人
を含む。
(注3) 80%以上の持分を保有することをいう。
(注4) 軽課税国に所在する実体のない外国子会社に限る。

この改正は、平成19年10月1日以後に株主が外国法人を通じて内国法人を支配
することとなる場合について適用されます。


 要するに、合理的な経済実態を踏まえたスキームでなければ、容易に税金を
節約できないと言うことです。



皆さん、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか?
これから夏休みまで少々休みが少ないですが、夏ばてに備えて体力作りと健康
管理をしっかりしてご活躍されますことを祈っております。それではまた。


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