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<第229回>圧倒的商品知識で満足を売るヨドバシカメラ!

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            シリーズ「人活経営でパワーは倍増できる!」

<第229回>[(第35話)365日社員研修、圧倒的商品知識で満足を売るヨドバシカメラ!]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「人活経営でパワ
ーは倍増できる!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介して
いきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「365日社員研修、圧倒的商品知識で満足を売るヨドバシカメラ!」
1.ヨドバシカメラとは?
2.ポイント還元率は99%!
3.毎夜の研修で商品知識は圧倒的!
4.目指すは売上高ではなく営業利益率!
5.レールウエイ出店と品揃えにこだわり、リピーターを増やす!
【3】今日のポイント

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業界トップのヤマダ電機が200店舗、それに対してヨドバシカメラは19店舗、
売上高は約半分ですが営業利益率はヤマダの4倍です。

社員の商品知識、顧客に対する説明力、接客コンピテンシーを年間一日も休ま
ず磨き、満足を売ることにこだわり続けています。


【1】心に刻んでおきたい言葉

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独り勝ちになれば2~3年は経営が楽になる。でも、その後、接客や品揃えに
甘えが出れば、お客さんに見放されてしまう。

         藤沢昭和

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【2】メルマガ本論

[(第35話)365日社員研修、圧倒的商品知識で満足を売るヨドバシカメラ!]


1.ヨドバシカメラとは?

1960年(昭和35年)に藤沢写真商会として設立しました。1967年(昭和42年)
株式会社淀橋写真商会として法人化、1974年(昭和49年)に株式会社ヨドバ
シカメラに社名変更しています。

1989年(平成元年)に世界で初めてポイントカードを導入、翌年にはゴールドポ
イントカードを導入しました。

2001年(平成13年)、マルチメディア梅田を、2005年(平成17年)、マルチ
メディアアキバをオープン。レールウエイ出店にこだわります。

資本金は8,800億円で、直近の売上高は5,800億円、経常利益は365億円、社員数
3,000人です。本社は東京都新宿区に置いています。

2.ポイント還元率は99%!

新宿西口や梅田は一日10万人の集客。大事なのはまた買い物に来てもらうこと
です。藤沢社長はそのためにポイントカードを思い立ちました。平成元年のこと
です。

お客と店員の値引き交渉は楽しいものですが、強引に値切る顧客には安く、値切
らず買うお客はそのまま売ってしまいます。これでは不公平だという考えがポイ
ントカード発行の原点でした。

ヨドバシのポイントカードの顧客への還元率は99%で群を抜いています。儲け
を考えればポイントは溜めてそのまま使わせないほうが得策です。しかし、ヨド
バシではポイントを使いやすいように単価の安い消耗品やアクセサリーの品揃え
を充実しています。お客とは常に赤い糸でつながっていこうという考えです。

3.毎夜の研修で商品知識は圧倒的!

365日、毎夜商品知識を深め、接客コンピテンシーを磨くための研修を実施して
います。

「研修を始めるよ、集まって」

閉店から一時間が過ぎた夜10時、昼間10万人の顧客を飲み込んだマルチメデ
ィア梅田のテレビが並ぶフロアで研修が始まるのです。参加者はテレビ売り場の
全店員です。

昼間お客にぶつけられた質問に対してどう答えたらいいかという問答から始まり
ます。一人が質問すると別の社員が応答します。

製品の機能・性能に関する質問が多いのですが、別に内容には何の制限もありま
せん。

研修に参加する社員はみんなそれぞれに自己啓発で勉強しています。それを研修
の場で、相互啓発で商品知識や接客コンピテンシーを磨き上げるのです。

ヨドバシでは、全国19店舗の売り場単位でこのような研修が続けられているの
です。

メーカー関係者は「どういうわけかヨドバシでだけ売れる商品がある」と複雑な
気持ちにもなると言います。その秘密は商品知識、商品説明力さらには接客コン
ピテンシーの高さに他ならないのです。

茶髪の社員は一人もいません。茶髪姿に一人でも反感を持つ顧客がいる限り、茶
髪は許可しない方針です。

4.目指すは売上高ではなく営業利益率!

売上高で業界トップはヤマダ電機です。しかし、藤沢社長は売上げよりも営業利
益重視の戦略を貫いています。

ヨドバシでは顧客に手当たり次第に声をかけたり、むやみに近づくことは禁じて
います。お客とのアイコンタクトでさっと近づくのです。ノルマ制や歩合制はあ
りません。「売上げは結果であって目標ではない」という考えで、「お客を喜ば
せる」ことに重点を置いているからです。もちろん実績を上げれば昇進や昇格で
報います。

顧客にデライト(Delight:喜び、うれしさ)を与え続ければ結果である売上げ
は後からついてきます。

キャンペーン期間などに派遣されてくるメーカー社員に対しても高い接客レベル
を求めます。メーカーのある担当者は「人の質に一番うるさいのがヨドバシ」と
言っています。

5.レールウエイ出店と品揃えにこだわり、リピーターを増やす!

200店近くを郊外で展開するヤマダに対してヨドバシはレールウエイに19店舗。
売上高では圧倒的にヤマダですが、営業利益率はヨドバシがヤマダの4倍です。

社員の商品知識、説明力そして接客コンピテンシーを磨き、顧客との良好な関係
構築が功を奏しています。さらに売れ筋を中心に品揃えするヤマダに対してヨド
バシは年に1個か2個しか売れないアクセサリーや周辺機器も揃え、ヤマダの5
~10万アイテムに対して53万アイテムを品揃えしています。よそでなくとも
ヨドバシに行けばあると顧客に安心感を与えるのです。それでいて年間の商品回
転数は23回と驚異的です。

なぜこれほど営業利益率が高いかというと粗利の高い商品を多く取り揃え、グロ
スで営業利益を高くする粗利ミックスの手法を採り入れているためです。

地域で一番安くもないが高くもない価格設定。しかし、顧客に満足を売り続ける
コンセプトは毎日の売り場で如何なく発揮されているのです。

(今回の参考文献:日経ビジネス2005年4月11日号、他)


【3】今日のまとめ

1.売上げ重視(例えばヤマダ電機)か利益率重視(ヨドバシカメラ)かで経営
戦略は大きく分かれること。

2.品揃えの充実と社員の圧倒的な商品知識、説明力そして接客コンピテンシー
  が顧客に満足を売ることにつながること。

3.せっかく導入しているポイントカードの還元率を高めるため、ポイントを使
  いやすい消耗品や周辺機器の品揃えを充実する工夫が必要なこと。また、こ
  れが顧客のリピーター確保に大きく貢献すること。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp


【4】編集後記

「自働化」という言葉は、トヨタが使う造語です。機械は自動化、人は自働化で
す。

つまり自分で考え自分で行動するのが「自働化」の考え方です。ヨドバシの社員
は自己啓発で商品知識などを勉強し、研修の場で相互啓発してさらに深めていき
ます。

尻を叩かれて勉強するのと違い、ものにして現場で活かす力が違ってきます。顧
客に喜びを与えて満足を売る。ヨドバシの強さの秘密でしょう。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=


次回に続く


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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/

(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから http://www.ss-net.com

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