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<第249回>コスモ薬品の小商圏マーケティング術!

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     シリーズ「マーケティング活動に威力を発揮するコンピテンシー!」

<第249回>[(第12話)コスモ薬品の小商圏マーケティング術!]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「マーケティング
活動に威力を発揮するコンピテンシー!」と題して様々な角度から鋭く分析した
良質の記事を紹介していきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経
営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思いま
す。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「コスモ薬品の小商圏マーケティング術!」
1.コスモ薬品とは!
2.人口希薄地への出店戦略!
3.小さな椅子に大きなお尻で座るビジネスモデル
4.店内閑散、10分でお買い物完了!
5.電池一個でも案内する接客コンピテンシー
【3】今日のポイント
【4】編集後記

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織田軍の兵力は3千、今川軍の兵力は3万。10倍の兵力にまともに向かっては
勝ち目はありません。今川軍が「分断化」したときが責めるチャンス。そうです。
桶狭間の合戦でした。わずかの兵士と宴の真っ最中に奇襲攻撃を掛けたと言われ
ています。

九州地区で躍進中のコスモ薬品は、大手と真っ向勝負を避けて小商圏に「船団方
式」で出店し売上高を5年で5倍にしました。ベンチマークする価値があります。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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弱者は強者と正面から戦ってはいけない。強者のいない隙間で力を養い、力を付
けた後に強者に挑むべきだ。

宇野正晃

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【2】メルマガ本論

[(第12話)コスモ薬品の小商圏マーケティング術!]


1.コスモ薬品とは!

1983年設立で福岡市に本社を置く薬品スーパーですが、一般食品が47%、化粧品
が16%、雑貨16%で医薬品関係は20%弱という売上げ構成比率です。

社長は宇野正晃氏、59歳です。

出店は九州地区主体ですが中国地区、四国地区にも出店を加速しています。

直近の売上高は1,050億円で経常利益は40億円突破、社員数1,054人で店舗数は193
店舗です。1店舗当たりわずか5.5人で運営していることになります。


2.人口希薄地への出店戦略!

コスモ薬品の強さの一つが小商圏に大型店を構え、生鮮食品以外の食品も豊富に
取り揃えて顧客を呼び込むことです。

売り場面積は600坪、業界平均の150坪の4倍です。天井が高く通路は広々。開放
感があります。駐車場にはひっきりなしに車が出入りしますが店内は閑散として
います。

大型店を主力していますが、人口の希薄地域には300坪の中型店、住宅地には150
坪の小型店を出店し、「船団方式」を採っています。「強者のいない隙間」をあ
えて狙うのです。

宮崎県日南市のような激戦区にも出店攻勢をかけ、かつ県庁所在地の中心部に近
い住宅地にも150坪小型店を出店させ、「チリツモ商法」を展開するのです。


3.小さな椅子に大きなお尻で座るビジネスモデル

なぜ出店を小規模な商圏に絞るのでしょうか。宇野社長は「小売業の競争が煮詰
まれば、小商圏型の店舗が有利」という独自の業態論にこだわるからです。

地方で人口10万といえば中核都市、この中核都市を除けば対象は複数の市町村に
またがる広範な地域ということになります。大商圏で店舗展開するよりも小商圏
を独占するほうが経営の安定性が図れるというわけです。

小商圏に大型店を出店させれば他社の出店も阻止できると考えてのことです。こ
うして「小さな椅子に大きなお尻で座るビジネスモデル」が完成したというわけ
です。


4.店内閑散、10分でお買い物完了!

広々とした店内の陳列棚には食パンやペットボトルといった低価格の目玉商品が
ずらりとと並びます。大半の商品をライバル店よりも安い価格で提供、一部に割
高な商品があっても品揃えが豊富なためここでお買い物を済ませる顧客が多いの
です。

コスモ薬品にはポイントカードなどの販促ツールはありません。そのかわり「エ
ブリディロープライス(毎日が低価格)」で迎え撃つのです。「ポイントよりも
その場で安く」という戦略です。

ポイントを導入しない理由として「売れ行きが落ちると安易に特売やポイントに
頼ってしまう。そうすると目先の売上げが一時増えるため地道な努力をしなくな
るのが怖い」と宇野社長は言っています。

わずか10分でお買い物は終了。少ない人数で店舗運営できるからかえってお客
にとっても店舗にとってもWin Winになるわけです。


5.電池一個でも案内する接客コンピテンシー

ビジネスモデルや店舗の仕組みがきちんとできていても従業員の接客コンピテン
シーが磨かれていなければ全てが水の泡になります。

小商圏店舗の成否のカギはどれだけ多くのリピーターを作れるかです。

入り口に立つ案内係りの女性店員が「いらっしゃいませ」と声を掛けながらバス
ケットを手渡します。例えば、足の不自由な老婆が買い物に来ました。バスケッ
トを手渡そうとすると老婆は乾電池を見せ、「これと同じものがほしい」と差し
出しました。店員は手を取って売り場まで案内しました。

例えば、買い物を終えた女性が大きな袋を抱えて出てきました。すかさず店員は
「お持ちしましょう」と声をかけ、駐車場の車まで運んであげました。

こうした接客は入り口の案内係りだけでなく、全店員に徹底させているから顧客
は囲い込まれていくのです。

(今回の参考資料:日経ビジネス2007年1月22日号、他)



【3】今日のまとめ

1.弱者には弱者としての戦い方、つまりビジネスのやり方があること。

2.小商圏に大型店を基本に据え、人口希薄地域には中型店、小型店という組み合
わせで「船団方式」の出店戦略を採ることで他社が出店しにくい状況を作ること。

3.ポイント制度花盛りの時代にあえてポイントを導入せず「エブリディロープラ
イス」を実現し、顧客にここで買い物を済ませるように誘導すること。

4.わざわざ案内係りの店員を配置してまで顧客への細心の接客を提供し、顔の見
える店作りにこだわること。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp



【4】編集後記

長く愛される店作りは、品揃えや価格、広々としていて買い物のしやすさは重要
な条件になります。

しかし、店員の心からの接客は顔の見える店作りに欠かせない条件です。特に小
商圏では顔見知りの顧客がいつも来てくれるから繁盛できるというわけです。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=



次回に続く



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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/

(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから http://www.ss-net.com

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