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コラムの泉

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オーダー・コントロール・システム

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2008年10月20日発行 第1・第3週月曜日発行
メールマガジン:経営のパートナー VOL4
<経営学で企業を再生する>
【発行責任者】経営テクノ研究所 代表 舘 義之
【E-mail】tate@agate.plala.or.jp
【H P】http://www9.plala.or.jp/keiei-techno
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■CONTENTS■
VOL4.生産管理
●オーダー・コントロール・システム
●閑話休題「企業を救う二つの徳」
●編集後記
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
●オーダー・コントロール・システム

1.製番とは
 製作番号・製造番号、あるいは工事番号・工作番号等々、会社によって特
有の名称で呼ばれています。

 これらの製番は、受注単位、あるいは製作単位(工事単位)の一貫番号、
または分類単位の一貫番号が附され、製造命令、製造手配、原価計算などの
実施や管理の単位として運用されるものです。

2.適用対象
(1)製番は、機械組立工場、装置工業、あるいは継続生産、個別生産の如
何を問わず、上記の目的からの形で使用されているものです。

 ここで述べる製番管理法は、受注→部品加工→組立加工→出荷まで一貫し
て一つの製番で実施・管理をする製品を対象としています。

 工場規模や製品によっては、途中でさらに幾つかに細分される場合もあり
ますが、これらもこの中に含まれます。

(3)したがって、このような生産形態をなす会社、工場は、主として機械
組立工場で個別(継続)、受注生産の2工場です。

3.特徴
 製番を主体に実施管理する会社、工場は、生産管理上、どのような特徴が
あるのか、十分把握・研究することが、組織制度を設計運用する上において
極めて大切です。

 一般的に、次のような特徴が考えられます。

(1)顧客の要求する納期に計画を合わせなければなりません。計画をたて、
これによって納期を決定する原則的な手順は、多くの場合許されません。

(2)負荷の変動が避けられません。全般的に変動するし、部分的にも変化
します。

(3)飛込み・取消し・納期変更の発生は避けられません。

(4)初期の余力管理は、最終的には違いを生じます。

(5)手順・日程、あるいは作業時間等の実施管理上の基準を製番単位に全
構成材料、部品にわたって決定しなければなりません。

(6)実施のための各種指令、手配伝票を新しく作成・発行しなければなり
ません。

(7)営業・顧客からの進度の問合せが日常的に発生します。

(8)社内設計図は、大抵の場合、顧客の承認を必要とします。

(9)常備以外の特殊資材(調達に長期間を必要とする)が使用されます。

(10)製番単位に営業・技術・資材・製造との関連が生じます。

4.管理上の基本的な要点
 製番管理の対象が、主として機械組立および個別受注生産の工場であるこ
とからすれば、生産管理上の基本的要点として、次項が挙げられます。

(1)部門間の調整が十分に行われていること
 営業・技術・製造、あるいは資材、外注、検査等の相互関連が、引合・受
注・設計・手配・実施の各段階において製番単位に発生します。組織的にも、
制度的にも、一貫性のある体制が必要です。

(2)源流工程の日程維持体制が確立されていること
 営業部門の受注納期・設計部門の出図日程管理など、源流工程の日程維持
が完全に行われていれば、実施段階での日程に関するトラブルは半減します。

(3)余力管理が適切に実施されていること
 受注品に対する適切な納期の決定、合理的な製品の実施を行う上において、
負荷と能力の調整、すなわち、余力管理が適切に行われていることが必要です。

(4)機動性に富んだ管理制度であること
 飛込み・取消し・変更などの外部的要求、あるいは不良の発生、設計の変
更等の予期しないトラブルの発生は避けられません。このような事態に対し
て、敏速、適確に処置することのできる組織的(配員)・制度的な体制が予
め考慮されていなければなりません。

(5)製番単位の進度管理を実施すること
 構成部品個々の進度を管理することは勿論ですが、最終納期は製番で約束
されています。したがって、製番として、どのようなまとまり方をしている
かを、常に把握し、調整する仕組みが確立されていなければなりません。

(6)実績資料の活用を強化すること
 受注段階での納期管理、出図前の生産計画は、受注生産工場においては普
通の状態です。したがって、これらの諸計画(日程・余力)は、繰返し受注
品でない限り類似製品や、類似部品による推定の他はありません。過去の資
料を如何に整理活用するかが、計画ならびに実施管理を左右します。

(7)基準(標準)化を計ること
 過去の実績を基として、工程・工数・日程、あるいは歩留等の管理標準を
設定することによって、新製番の計画、手配期間の短縮や、統一化を計るこ
とは極めて重要なことです。

5.各工程における管理上の要点
5-1.引合見積より仕様決定まで
 受注生産であるので顧客の引合より始まります。引合見積は、一般に類似
製品は営業部門で、新規製品は技術部が素資料を作成します。

(1)引合時における営業方針を明確にし、これに対応する見積を行うこと

(2)受注確定後、仕様決定に至る間、技術部門との密接な連絡・調整体制
を確立すること

(3)一般に、この段階は放任され勝ちなので、制度的な見直しを行うこと
●仕様書のフォーム
●中堅技術者の出張による設計業務の停滞
●顧客より通信、あるいは返信の管理およびファイリングの整備
●納期に対する製造部門との調整

 今回は、ここまでにして、次回は以下の内容について説明します。

5-2.設計・出図段階
(1)設計技術者の日程意識
(2)技術・営業・製造部門の調整
(3)設計変更・仕様変更の迅速化
(4)先発手配の実施
(5)購入品・外注品仕様書の作成
(6)承認図の管理

5-3.日程計画
(1)長期生産計画
(2)余力管理
(3)機動性に富んだ計画の立案
(4)主要部品の日程管理
(5)特殊工程の負荷計画
(6)作業分配

5-4.製造手配準備
(1)図面と部品表の分離
(2)転記の排除
(3)各種帳票フォームの研究
(4)緩急順位に応じた手配
(5)現物の明示
(6)共通部品の集約

5-5.実施管理(進度管理)
(1)縦の統制
(2)計画と統制
(3)組立作業の統制
(4)例外管理
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●閑話休題「企業を救う二つの徳」

 経営者の理想は、一口で言えば、豊富な社会をもたらすことにあります。
無知であってはならないし、偏見をもっていてもなりません。まず、将来を
見通す先見の明を発揮しなければ務まりません。そして、決断力を持たなけ
ればなりません。

 ただ、この二つの能力を持っていて、普通にやったのではダメです。やる
以上は自分一人でも、卓越した先見と、決定を行うべきなのです。しかも組
織という枠の中で、それをやっていくのだから、組織の技術をわきまえる必
要があります。

 組織の技術をわきまえていけば、多くの人のエネルギーと創意と工夫を自
由に、そして思う存分に発揮させることができます。それは、「正直」と
「勇気」の二つの徳です。

 昔の経営者の徳とされていたものに、正直がありました。いつの時代にお
いても、正直が要求されることには変わりありません。しかし、何と多くの
不正が行われているか、

 この正直に加えて経営者の最大の徳とされるものに、勇気があります。勇
気は、信念に基づくものであり、自信の発露といえます。公正な利潤をあげ、
富をつくり、そして、豊富な社会をもたらす武器は、この勇気以外ありません。
 
 健全な企業を営むためには健全な資金が要ります。わかりきった話ですが、
しかし、金がつまると、健全ではない企業はバタバタと倒産していきます。

 これは、やはり信念に基づく勇気をもって、企業経営をやっていないこと
を物語るものです。

 よく立ち直った企業の例をみると、直ちに転換する先見の明があり、新し
い商品をつくっても捌いていける自信のあったところです。

 勇気と正直の二つの徳は、いつまでも経営者の最大の宝となることは間違
いありません。 
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●編集後記
 
 有料メルマガ「企業に成功をもたらす社員力」の創刊日は、11月10日
に決まりました。購読申込月分の1ヶ月が無料になっています。

 なお、「企業に成功をもたらす社員力」の後は、
「管理者として成功するためには」
「赤字会社の再建設計」
「売上上昇の決め手は何か」
「コストダウンの具体的なテクニック」
「市場原理主義時代の企業経営発想法」
等、発刊していく予定です。
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■コンサルティング・講演会などお任せください。

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★生産方式の改善・セル生産方式への移行したい!
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