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カイゼンで社員が輝けば会社は蘇る!

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           シリーズ「組織力強化とコンピテンシー!」

     <第282回>[(第14話)「カイゼンで社員が輝けば会社は蘇る!]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「組織力とコンピ
テンシー!」と題して様々な角度から鋭く分析した記事を紹介していきます。中
小企業の経営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいただきた
いと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「カイゼンで社員が輝けば会社は蘇る!」
1.日本電産社長永守重信氏の人間哲学!
2.3Q6SでたちまちV時回復!
3.リストラなしで再建可能のわけは!
4.自ら考えてムダをなくす習慣を身に付けさせよ!
5.仕事が楽しければ社員は輝く!
【3】今日のポイント
【4】編集後記

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M&Aで会社を大きくしてきた日本電産は1兆円企業が目前だ。率いるのは永守
重信社長だ。これまで傾いた会社を30社近く買収し、ことごとく短期間で再生
させてきた。しかもリストラなしでだ。

最近の例では日立グループだった日本サーボ、2年連続赤字で買収時直近は約6
億円の赤字であったにもかかわらずたった11ケ月で20億円以上の黒字に転換
させて見せた。もちろんリストラなしだ。

一方、一匹狼のコンサルタント山田日登志氏はトヨタ式生産システムのルーツ大
野耐一氏に弟子入りして腕を磨いたカイゼンとセル生産方式の鬼だ。頑なな現場
の職人とガチンコ勝負で意識を変えさせ、会社を再生させる。

やばくなった会社は、会社はもちろん社員が瀕死の状態だ。それはトップマネジ
メントの巧拙と無縁ではない。社員が輝けば組織力が強くなる。組織力が強くな
れば会社は必ず蘇るのだ。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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投資家向けの説明会では「買収した会社ではどれくらい人員削減するんだ」と
必ず聞かれます。「ゼロ」と答えたら「そんな会社の株は買えない」と言われ
るんですわ。

                          永守重信

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【2】メルマガ本論

[(第14話)カイゼンで社員が輝けば会社は蘇る!]

1.日本電産社長永守重信氏の人間哲学!

永守氏は職業訓練大学を卒業してティアックというモーターメーカーに就職した。
35歳で起業する目標を立てた。基本給とボーナスは全部貯金、残業代だけで生
活すれば35歳まで2,000万円溜まる計算だったが社員株で買ったティアックの
株が上場で2,000万円手に入ったので28歳で独立することができた。

大学の後輩やティアックの仲間が永守さんについていくという人もいて50人く
らいで起業する予定が実際はたった4人での独立。応援すると言ってくれた取引
先は「前金をもってこい」と横柄な態度だった。

民家の一階が工場、はっきり言ってお粗末だった。アメリカにたった一人で営業
に行き、公衆電話から電話を掛けまくった。

その後取引先の倒産が続き、会社は絶体絶命のピンチに立たされ廃業が頭をよぎ
ったという。転機は1979年、アメリカの駐在員からIBMの大量注文が決まった
ことの知らせだった。8億円の注文に失敗続きの会社は一気に息を吹き返した。

工場を見たいという顧客が一番困った。京都見学をさせ、工場を見せずに帰すこ
とに成功すれば仕事は来る。不幸にして工場を見て帰った顧客はアウトだった。

永守社長は考えた。世界一のモーターメーカーになるには自社にない技術を手に
入れなければならない。そのためにはM&Aが有効だ。傾いた会社を次々買収、
ことごとく再生に成功した。


2.3Q6SでたちまちV時回復!

再生の武器は「3Q6S」だ。QはQuality。「いい社員、いい会社、いい製品」
という意味だ。そのためには「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「躾」、
「作法」の6つを徹底的にやる。つまり「5S+1S」ということだ。作法はビ
ジネスマナーや接客コンピテンシーと解釈したい。傾いた会社はこの作法が欠け
ている。そしてムダだらけだから赤字だ。ムダを無くせば黒字になれる。

しかし傾いた会社ではムダにさえ気付いていない。たとえ気付いてもカイゼンを
しない。上から下まで問題意識、中でもコスト意識が著しく欠如しているわけだ。

ムダをなくしてムダを利益に変える。そして新商品開発に投資する。単なるケチ
ではない所以だ。使うべきところには使う。これが永守流の経営哲学だ。


3.リストラなしで再建可能のわけは!

企業再生の柱はどこもリストラが中心だ。しかし、永守社長は買収会社に乗り込
んでリストラしないことを宣言する。3Q6Sの実践でスペースがあまり、人が
余る。外部に出していた仕事を中に取り込めば出金が防げる。

さもなくば新商品を開発して新しい生産ラインを敷く。スペースも人も有効に活
用されるわけだ。


4.自ら考えてムダをなくす習慣を身に付けさせよ!

コンサルタントの山田日登志氏はクライアントの工場に出向き、そこの幹部と一
緒に現場を回る。「これもムダ、あれもムダ」。2時間で50項目以上のムダを
指摘する。

「あの二人作業は一人でできるはずだ。あの倉庫はムダだ。倉庫があるから作り
すぎる。カイゼンは自ら考えろ」と言い放つ。

しかし、現場の職人気質の作業者たちはかたくなに拒む。カイゼンできない理由
を次々言う。例えば「品質が落ちるがそれでもいいのか」と脅迫するものもいる。

「そんなことしてたら会社が潰れるぞ。生活の基盤を失うがそれでもいいのか」。
もうガチンコ勝負だ。渋々動き出す作業者たち。しかし本気になるとできてしま
うから不思議だ。


5.仕事が楽しければ社員は輝く!

人に言われてカイゼンするよりも自ら考えてカイゼンするほうが力も付くし面白
い。仕事が面白くなれば社員は輝く。

最初は白い目で見ていたクライアント先の社員たちも次第に山田日登志氏に心を
開いていく。「先生、この製品、最初から最後まで一人で組み立てたい」と女性
社員から声を掛けられた。「難しいぞ、やってみるか」と返す山田日登志氏。

やらせてみたら効率は上がる、不良は出ない。これがセル生産方式の誕生だった。

多人数でラインを組めばお互いに他力本願になる。手の早い人、遅い人。ミスの
少ない人、多い人。問題はかき消されてしまう。しかしセル生産だと問題点が全
部洗い出される。作業者たちはカイゼンに意欲を燃やす。仕事が楽しいから社員
が輝き、会社は蘇るという構図だ。



【3】今日のまとめ

1.傾いた会社は、会社はもちろん社員が瀕死の状態にあること。

2.「3Q6S」は企業再生の強力な武器であること。

3.リストラなしでことごとく買収企業を再生させるところに永守社長の真骨頂
  があること。

4.かたくなに抵抗する職人タイプの現場の作業者とガチンコ勝負で「考えろ」
  と突き放す山田日登志氏の人間性に共感を覚えずにはいられないこと。

5.社員が輝けば会社は必ず蘇ること。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp



【4】編集後記

永守社長は「雇用は最大の社会貢献だ」と力説する。再建屋の異名を取るカルロ
スゴーン氏も再建の柱はリストラだった。

「ああ、不況がやってきた。待ちに待った不況だ。努力で差がつく。立ち向かえ」
と永守社長の檄が飛ぶ。不況になればまた傾いた会社が手に入るというのが真意
のようにも思える。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=


次回に続く。

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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/

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