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労働組合の結成

労働組合の結成★

 前回に引き続き、労組関係のテーマです。今回は「労働組合を作る時の手続
き、規定」についてです。経営者にとってはもってのほかですが、逆読みして
対抗して下さい。
 
 労働組合の結成については、前回のメルマガでも述べたとおり、労働者は自
由に結成することができます。役所への届出や許可も不要です。
 もちろん何でも良いというわけでありません。「労働者で組織する団体」の
目的として「労働者が主体となって、自主的に労働条件の維持改善その他経済
的地位の向上を図る」ことが必要です。この点でサークルや共済会等とは異な
ります。実務上は、組合規約でこれをうたうことになります。
 更には、団体性、自主性等に関する実質的要件を備え、規約を持つことが必
要です。

 団体性とは「団体またはその連合団体」であるということです。最低2人以
上が集まって規約を持ち、組織化されているということです。組織なので、代
表者の選出も必要となります。
 なお、一旦、労組として成立すれば、その後使用者の嫌がらせにあい、もし
一人になったとしても、組合員増加の可能性がある限りは団体性を維持すると
されています

 自主性とは、使用者から独立し「自主的に運営」することです。使用者の利
益代表者の参加を認めたり、使用者から種々の指示や支配を受けたり、経済的
支援(支配と言えないような僅かなものは可)を受けてはならないということ
です。結成時はもちろん、その後の運営や維持についても自主性を維持しなけ
ればなりません。
 もし、結成なり運営について実質的に使用者の支配を受けている組織は、本
来は労組法で保護すべき組合ではないとされます。いわゆる御用組合と呼ばれ
ます。(実際には多いです。特に銀行に)
 なお、最近主流である労使協調路線を採用していても、運動方針であり実質
的な支配がされていなければ、自主性への影響はありません。

 労働組合の結成についての手続きは、前述の要件を満たしていれば自由に設
立でき何らの規制もありません。かつては、届出や登記が必要でしたが、現行
労組法では全くの自由です。当然ながら、使用者の承認も必要ありません。

 但し法的には自由とはいえ、実務的にはある程度の手続きが必要になります。
一般的には「発起人が発生→賛同する人が加わる→結成への準備→参加呼びか
け→構成員の決定→組合規約作成→結成大会で規約承認、役員選出」という流
れになり、ようやく労働組合が成立することとなります。なお、通常はこの段
階で、使用者に組合結成通知を発します。使用者がノーと言っても成立には影
響ありません。

 なお、不当労働行為に対する救済申立てを労働委員会へ行う場合とか、法人
登記をする場合には、所轄労働委員会の資格審査を受審し認定を受けることが
必要です。その際、組合規約には所定の事項を定めておくことが求められます。
 もちろん、規約が不十分でも、組合員が事業場の過半数を占めていれば36
協定や労働協約等の締結は可能です。使用者からイチャモンつく恐れはありま
すが当事者能力としての問題はありません。

 蛇足ながら、労働組合への加入は社外の労組へもあり得ます。いわゆる一般
労働組合と称する、個人、団体双方の加入を認めている組合ですが、前述の団
体性等の要件はもちろん満たしています。使用者にとっては厄介な団体ですが、
またの機会に触れたいと思います。


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