相談の広場
みなさんにご教授頂きたいことがあります。
社員が定年退職する時に厚生年金から脱退し、国民年金に切り替える方が多いかとは思いますが、
中にはご子息の扶養に入る方もおられると思います。
任意継続被保険者制度を利用する方もおられるかも・・・。
よく社員に質問されるのですが、いったいどれがもっとも金銭面で有利なのか?ということです。
みなさんはどのように回答してますか?
宜しくお願い致します。
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年金と健康保険でそれぞれみてみます。
○年金
在職中に厚生年金や共済年金に加入していた人は、退職後は国民年金に加入手続きをします。長期間手続きをしないでおくと、結局さかのぼって未払いの保険料を請求されてしまいますので、再就職するのでなければ早めに手続きしましょう。
また、失業中もきちんと手続きをして国民年金に加入していれば、将来「老齢基礎年金」を受け取るときにその分も計算された金額が支払われます。
○健康保険
退職して被保険者資格を失うと、診療費は全額自己負担となってしまいます。
そうならないための方法として、
1.在職中に加入していた保険を「任意継続」するもの。ただし保険料は在職中の2倍(在職中は会社が半額負担していたため)になります。
2.国民健康保険に加入する方法。保険料は住民税額に応じて計算されます。
また、退職時点で病気やけがが治療途中の場合、「継続療養給付」の手続きを行えば、在職中の保険が適用されます。
ただし、新たな怪我や虫歯には適用されないので注意しましょう。
また、
3.被扶養者になる場合は加入資格としては、被保険者の3親等以内の親族であり、かつ年間収入は130万未満であることなど細かい条件が求められます。
扶養者の会社の健康保険組合の負担が重くなるため、会社から被扶養者の証明書などを求められ、認定チェックが厳しいことも。
まず最初に、年金に関することと健康保険に関することを混同しているようですので、この点をきちんと分けて考えた方がよいと思います。
年金については、仰るとおり退職と同時に厚生年金の資格喪失となります。国民年金の加入期間を満たしていない場合はその後、任意加入となりますが、これは退職前に年金相談に行ってもらい確認してもらえばよいでしょう。
次に、健康保険については、はっきり言ってどれが有利とは言い切れません。それぞれ一長一短があるからです。
①任意継続被保険者となる場合
長所:現在とほぼ同じ給付条件
短所:加入期間は2年間のみ。保険料は現在の約2倍
②子供等、家族の被扶養者となる場合
長所:保険料負担がない
短所:認定要件が厳しい。失業給付受給中は加入できない。自分が加入していた健康保険より給付内容が劣る可能性もある。
③国民健康保険に加入する場合
長所:認定要件なし(申請すれば加入できる)
短所:保険料が自治体によって異なる
大まかには以上のような感じでしょうか。
現在はどこの健康保険組合も財政状況が思わしくない為、各健保組合・国民健保も給付内容の大差はなくなってきているとはいえ、療養の給付の自己負担額の上限が法律で定める以上の好条件になっていたり、埋葬料に付加給付があったり等、各健保組合によって多少の違いがあります。
国民健保の保険料は、市役所に電話すると計算してもらえますが、「べらぼうに高い!」ので驚いたという話を退職者からききました。その方は若年退職者だったのですが、現在の保険料(本人負担+会社負担額)の3倍弱の額だったらしいです。
また、退職者の健康状態によっても、どれを選ぶのがよいのかは変わってくるでしょうから、どれが有利でどれが不利とは一概には言えないのです。結局は退職者ご本人にそれぞれの長所・短所を話したうえで、各自で調べ・決断してもらうよりほかはないと思います。また、そうしないと「会社の担当者が言ったことに従ったら不利益を蒙った」などとトラブルのもとにもなるでしょう。
我が社の場合は、定年後の生活設計を考えるうえでも年金・健保案件は最重要と考え、定年の3年前辺りを目安に「退職後の生活について」として上記のことを説明する催しを、遅ればせながら一昨年から始めました。
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