相談の広場
いつも勉強となっております。
何年かぶりに、4月入社の学卒新入社員がおります。
2月より学校の授業が無い為、職場見学の希望をしておりますが、
配属部署の社員が全て外注先の工場にて装置の試験・立ち上げ作業に
あたっております。
その為、外注先工場での弊社装置の見学となります。
現場での簡単な作業(アルバイト)の可能性も有ります。
安全対策は万全を期しますが、見学だけだった場合、労災加入等の
手続きは可能でしょうか。
それ以外に配慮すべきことについて、ご教示を賜りたく思っております。
兵庫の亀さん
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こんにちは。
結論から言えば、任意参加の研修により単に職場を見学するだけであれば、労災加入は不要でしょう。
しかし、研修で作業が伴うことになりますと、労災加入が必要となることがあります。
どこまで研修で行うのか、契約関係はどうなるのかを内定者の方と相談して決めるべきかと思います。
※ そもそも労災関係でのトラブル発生を防止したいのであれば、研修の内容を別室で座学的な講義を行うとか、社員が作業しているところを説明しながら見てもらうだけに留めるということが考えられます。
私見ですが、根拠は下記のとおりです。
実際に労災加入をさせたり、研修にあたり書面を交わすということであれば専門家や労基に確認した方がよいかと思います。
① 入社前の見学について
労災保険には、労働者としての実態(労働者性)が認められるタイミングで加入します。
単に装置を見学する(しかも会社の指示ではなく本人の希望で任意に行うもの)だけであれば、労働者性は認められません。この場合は、賃金を支払う必要もなければ、労災に加入することもないでしょう。
② 入社前の軽作業について
一方で、入社前に軽作業を行うという場合はややこしいことになります。
行政の形式的な判断としては、
1. 会社の業務指示に基づいて作業し、賃金が支払われている
2. 研修生に支払われる賃金が一般の労働者並みである(少なくとも最賃を上回っている)
3. 実際の研修内容が、就職する会社の本来的な業務に属するものである
という場合には労災保険に加入することが認められるようではあります。
つまり、研修という範囲を超えて、一人のアルバイトとして勤務しているような実態が存在するのであれば、労働者性が認められ労災保険への加入・適用もあります。
労災への加入を明確にしたいのであれば、研修の参加にあたりアルバイトの雇用契約書を交わして労災加入となる旨を記載するとかになりますでしょうか。
もっとも、雇用契約書を交わすとか、賃金の発生があるということであれば、内定者の方と合意を形成する必要があります(入社前から雇用契約が成立することになりますので、内定者にとっては不測の事態となるかもしれません。意向を明確に確認すべきでしょう)。
③ その他
・労災保険
労基が「これは研修中の災害であり、労働者性は認められない」と判断し、労災保険の適用が受けられなかった場合は、労災でカバーされる分も会社が支払うことになります。
雇用契約書がないなど、研修期間の契約関係があいまいな状況で災害が発生するとこのような判断を受けることが考えられます。
・社会保険
雇用保険や社会保険加入の問題もあります。
昼間学生であれば原則的に雇用保険の適用はありませんが、
卒業見込み証明書があり、卒業前に就職し卒業後も引き続き当該事業所に勤務する予定がある場合は、加入することも考えられます。
また、社会保険の場合は、所定労働時間次第では研修開始時から加入となります。
そのため、研修中の所定労働時間については考慮する必要があります。
・年度更新
2月・3月に勤務して賃金が支払われるということですと、令和5年度の確定保険料の算定にあたり内定者の方の賃金が算入されることになります。
> いつも勉強となっております。
> 何年かぶりに、4月入社の学卒新入社員がおります。
> 2月より学校の授業が無い為、職場見学の希望をしておりますが、
> 配属部署の社員が全て外注先の工場にて装置の試験・立ち上げ作業に
> あたっております。
> その為、外注先工場での弊社装置の見学となります。
> 現場での簡単な作業(アルバイト)の可能性も有ります。
> 安全対策は万全を期しますが、見学だけだった場合、労災加入等の
> 手続きは可能でしょうか。
> それ以外に配慮すべきことについて、ご教示を賜りたく思っております。
>
> 兵庫の亀さん
>
> こんにちは。
> 結論から言えば、任意参加の研修により単に職場を見学するだけであれば、労災加入は不要でしょう。
> しかし、研修で作業が伴うことになりますと、労災加入が必要となることがあります。
> そして、そもそも労災関係でのトラブル発生を防止したいのであれば、研修の内容を別室で座学的な講義を行うとか、社員が作業しているところを説明しながら見てもらうだけに留めるということが考えられます。
> どこまで研修で行うのか、契約関係はどうなるのかを内定者の方と相談して決めるべきかと思います。
>
> 私見ですが、根拠は下記のとおりです。
> 実際に労災加入をさせるとか、研修にあたって書面を交わすということであれば専門家や労基に確認した方がよいかと思います。
>
> ① 入社前の見学について
> 労災保険には、労働者としての実態(労働者性)が認められるタイミングで加入します。
> 単に装置を見学する(しかも会社の指示ではなく本人の希望で任意に行うもの)だけであれば、労働者性は認められません。この場合は、賃金を支払う必要もなければ、労災に加入することもないかと思います。
>
> ② 入社前の軽作業について
> 一方で、入社前に軽作業を行うという場合はややこしいことになります。
>
> 行政の形式的な判断としては、
> ① 会社の業務指示に基づいて作業し、賃金が支払われている
> ② 研修生に支払われる賃金が一般の労働者並みである(少なくとも最賃を上回っている)
> ③ 実際の研修内容が、就職する会社の本来的な業務に属するものである
> という場合には労災保険に加入することが認められるようではあります。
>
> つまり、研修という範囲を超えて、一人のアルバイトとして勤務しているような実態が存在するのであれば、労働者性が認められ労災保険への加入・適用もあります。
>
> 労災への加入を明確にしたいのであれば、研修の参加にあたりアルバイトの雇用契約書を交わして労災加入となる旨を記載するとかになりますでしょうか。
>
> もっとも、雇用契約書を交わすとか、賃金の発生があるということであれば、内定者の方と合意を形成する必要があります(入社前から雇用契約が成立することになりますので、内定者にとっては不測の事態となるかもしれません。意向を明確に確認すべきでしょう)。
>
> ③ その他
> ・労災保険
> 仮に労基が「これは研修中の災害であり、労働者性は認められない」と判断し、労災保険の適用が受けられなかった場合は、労災でカバーされる分も会社が支払うことになります。
> 雇用契約書がないなど、研修期間の契約関係があいまいな状況で災害が発生するとこのような判断を受けることが考えられます。
>
> ・社会保険
> 雇用保険や社会保険加入の問題もあります。
> 昼間学生であれば原則的に雇用保険の適用はありませんが、
> 卒業見込み証明書があり、卒業前に就職し卒業後も引き続き当該事業所に勤務する予定がある場合は、加入することも考えられます。
> また、社会保険の場合は、所定労働時間次第では研修開始時から加入となります。
> そのため、研修中の所定労働時間については考慮する必要があります。
>
> ・年度更新
> 2月・3月に勤務して賃金が支払われるということですと、令和5年度の確定保険料の算定にあたり内定者の方の賃金が算入されることになります。
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> > いつも勉強となっております。
> > 何年かぶりに、4月入社の学卒新入社員がおります。
> > 2月より学校の授業が無い為、職場見学の希望をしておりますが、
> > 配属部署の社員が全て外注先の工場にて装置の試験・立ち上げ作業に
> > あたっております。
> > その為、外注先工場での弊社装置の見学となります。
> > 現場での簡単な作業(アルバイト)の可能性も有ります。
> > 安全対策は万全を期しますが、見学だけだった場合、労災加入等の
> > 手続きは可能でしょうか。
> > それ以外に配慮すべきことについて、ご教示を賜りたく思っております。
> >
> > 兵庫の亀さん
> >
tochiGさん
詳細なご説明を頂き、有難うございます。
ご教示頂いた内容を踏まえ、社内で協議致します。
兵庫の亀さん
こんにちは
労災保険には “被保険者” という概念がありません。
※労災保険の対象
「名称や雇用形態にかかわらず、労働の対償として賃金を受けるすべての者」
したがって、誰々さんを労災保険に 加入させるか 加入させないか という事前手続き上の選択はありえません。
もちろん、当該者に実地作業を行わせるにあたっては労災保険の対象になるかどうかは十分考慮して、事前に説明を行って了解をとるべきでしょう。
万一事故が起きた時に労災保険の対象にならない場合でも、未経験の新卒者ということなので、御社の責任を100%免れることはできないかもしれません。
万一の場合に労災保険の対象としたいのなら、対象者としての要件を満たすような形(アルバイト雇用等)での契約を書面で交わしておくべきかと思います。
それが無理なら、見学や座学にとどめておくのが無難でしょう。
行政(労基署)の最終判断は、あくまでも事故が発生した後のものになると思います。
> こんにちは
>
> 労災保険には “被保険者” という概念がありません。
> ※労災保険の対象
> 「名称や雇用形態にかかわらず、労働の対償として賃金を受けるすべての者」
>
> したがって、誰々さんを労災保険に 加入させるか 加入させないか という事前手続き上の選択はありえません。
> もちろん、当該者に実地作業を行わせるにあたっては労災保険の対象になるかどうかは十分考慮して、事前に説明を行って了解をとるべきでしょう。
> 万一事故が起きた時に労災保険の対象にならない場合でも、未経験の新卒者ということなので、御社の責任を100%免れることはできないかもしれません。
>
> 万一の場合に労災保険の対象としたいのなら、対象者としての要件を満たすような形(アルバイト雇用等)での契約を書面で交わしておくべきかと思います。
> それが無理なら、見学や座学にとどめておくのが無難でしょう。
> 行政(労基署)の最終判断は、あくまでも事故が発生した後のものになると思います。
>
> > こんにちは
> >
> > 労災保険には “被保険者” という概念がありません。
> > ※労災保険の対象
> > 「名称や雇用形態にかかわらず、労働の対償として賃金を受けるすべての者」
> >
> > したがって、誰々さんを労災保険に 加入させるか 加入させないか という事前手続き上の選択はありえません。
> > もちろん、当該者に実地作業を行わせるにあたっては労災保険の対象になるかどうかは十分考慮して、事前に説明を行って了解をとるべきでしょう。
> > 万一事故が起きた時に労災保険の対象にならない場合でも、未経験の新卒者ということなので、御社の責任を100%免れることはできないかもしれません。
> >
> > 万一の場合に労災保険の対象としたいのなら、対象者としての要件を満たすような形(アルバイト雇用等)での契約を書面で交わしておくべきかと思います。
> > それが無理なら、見学や座学にとどめておくのが無難でしょう。
> > 行政(労基署)の最終判断は、あくまでも事故が発生した後のものになると思います。
> >
springfieldさん
ご教示、有難うございました。
個人的には見学でとどめておくべきだと思っています。
頂いたご意見を踏まえ、社内で検討致します。
兵庫の亀さん
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