相談の広場
お世話になります。
1/15 取引先Aから、期日が5/10の約束手形を受領
2/15 取引先Bへ、回し手形として支払い
2/28 取引先A倒産(この時点では通達なし)
3/05 取引先Aの弁護人から倒産の通知あり
そして現在、取引先Bより、Aの手形が不渡りでしたと連絡あり。
確認したところ、裏にハンコを捺してしまっているため、弊社に支払い義務があるとの事でした。
ここで疑問なのが、2/15に手形を回す時点では倒産・破産の連絡を受けていないにも関わらず負担するのは弊社になってしまうのか?という事です。
余談ですが、弊社はAに対して売掛だけでなく買掛も存在し、
買掛分は振込で既に払っております。
買掛はきっちり払って、売掛は貰えないどころかその分のお金を弊社が他社に払うというのがなんだかモヤモヤします…
スポンサーリンク
> お世話になります。
>
> 1/15 取引先Aから、期日が5/10の約束手形を受領
> 2/15 取引先Bへ、回し手形として支払い
>
> 2/28 取引先A倒産(この時点では通達なし)
> 3/05 取引先Aの弁護人から倒産の通知あり
>
> そして現在、取引先Bより、Aの手形が不渡りでしたと連絡あり。
> 確認したところ、裏にハンコを捺してしまっているため、弊社に支払い義務があるとの事でした。
>
> ここで疑問なのが、2/15に手形を回す時点では倒産・破産の連絡を受けていないにも関わらず負担するのは弊社になってしまうのか?という事です。
>
> 余談ですが、弊社はAに対して売掛だけでなく買掛も存在し、
> 買掛分は振込で既に払っております。
> 買掛はきっちり払って、売掛は貰えないどころかその分のお金を弊社が他社に払うというのがなんだかモヤモヤします…
最終的な判断は法務専門家等へのご相談をおすすめしますが、以下の通り解説させていただきます。
1. 裏書保証の性質と責任の成立
手形の取引において、裏書(ハンコの押印)を行った時点で裏書人は手形の支払いに対して連帯責任を負うと解されます。つまり、当初取引先Aの財務状況について特に情報がなかったとしても、2月15日に手形を回した(裏書した)時点で、弊社は「回し手形」として 相手方(取引先B)に対して支払い責任を引き受けたとみなされます。この原則は、日本の手形法における交付・譲渡の慣行に基づくものであり、裏書保証の性質上、裏書時点で既に保証の意思表示として機能しているとされています。
2. 倒産発生時の影響と通知の有無
この場合、2月15日の時点では取引先Aの倒産の事実やリスクについての通知はありませんでした。しかしながら、手形の裏書保証は、裏書時の当該事実の有無にかかわらず、後日の不渡り発生時にその保証責任を免れることは原則として認められていません。
すなわち、たとえ弊社が裏書時に倒産の兆候やリスクについて知らなかったとしても、3月5日の倒産通知後に不渡りが発生すれば、既に裏書による保証義務は確定しているため、取引先Bに対して支払いを求められる立場となります。この点は、実務上も複数の議論や判例が示唆しているところです。
3. 売掛・買掛の取引との乖離
また、弊社が取引先Aに対して売掛金(回収不能となった上に、さらに取引先Bへ支払い義務を負う結果)を抱える一方、買掛金はすでに振込等により支払い済みという状況は、経済的には非常に不利な状態となります。
この「もやもや」感は、手形の交付・裏書におけるリスク管理の重要性を改めて示唆しています。たとえば、将来的に同様の事態を回避するためには、取引先の信用調査や倒産リスクを事前に十分評価し、必要に応じて条件付裏書(例えば「通知後に効力を発生する旨」の条件付裏書)などの工夫を講じるといった対策が考えられます。
4. 結論
まとめると、
- 裏書時点で倒産情報がなかったとしても、裏書印を捺して手形を回した以上、弊社は取引先Bに対する支払い保証責任を負う。
- そのため、取引先Bから手形不渡りの連絡を受けた場合、裏書保証者として弊社は支払い義務に応じなければならない可能性が高い。
この事情から、たとえ倒産通知が裏書前に存在しなかったとしても、結果的に弊社は支払い責任を追及されることになり、かつそれに伴う経済的な負担とモヤモヤ感は避けがたいものとなります。
最後に
具体的な事例や取引関係の詳細により判断が分かれる場合もありますので、今回の件については法務または専門家への詳細な相談を強くおすすめします。また、今後同様のリスクを減らすための社内プロセスの見直しや、担当者間での情報共有の徹底、条件付裏書の導入なども検討されるとよいでしょう。
さらなる観点として、他の手形関連の事例や、取引先の信用管理に関する近年の法改正・判例動向を調べることで、今後のリスク管理の参考になる情報が得られるかもしれません。たとえば、過去の同様事例の判例分析や、業界内での信用保証の方法などについても情報収集を進めると、次回以降の対策に役立つでしょう。
こんにちは。
> ここで疑問なのが、2/15に手形を回す時点では倒産・破産の連絡を受けていないにも関わらず負担するのは弊社になってしまうのか?という事です。
手形が不渡りになっている以上、裏書されている貴社に支払い義務があるというお返事になります。
貴社とB社において貴社からの支払いが完結していない、と考えていただければよいでしょう。
A社と貴社の取引については、B社は関係がないことになります。
A社倒産による貴社の債権回収については、貴社とA社の間での対応になります。
> お世話になります。
>
> 1/15 取引先Aから、期日が5/10の約束手形を受領
> 2/15 取引先Bへ、回し手形として支払い
>
> 2/28 取引先A倒産(この時点では通達なし)
> 3/05 取引先Aの弁護人から倒産の通知あり
>
> そして現在、取引先Bより、Aの手形が不渡りでしたと連絡あり。
> 確認したところ、裏にハンコを捺してしまっているため、弊社に支払い義務があるとの事でした。
>
> ここで疑問なのが、2/15に手形を回す時点では倒産・破産の連絡を受けていないにも関わらず負担するのは弊社になってしまうのか?という事です。
>
> 余談ですが、弊社はAに対して売掛だけでなく買掛も存在し、
> 買掛分は振込で既に払っております。
> 買掛はきっちり払って、売掛は貰えないどころかその分のお金を弊社が他社に払うというのがなんだかモヤモヤします…
> Srspecialistさん
> 条件付裏書とは、どのようなものでしょうか。
> 手形法12条にて、裏書に条件を附すことはできないものとされていると思うのですが。
手形法12条と民法上の契約条件の関係
1. 手形法12条の絶対性
手形法12条は、裏書人が手形の支払いについて無条件の遡及責任を負うことを定めています。つまり、裏書に際してどのような条件(たとえば「〇〇が支払われた場合に限り譲渡する」など)が付されていても、第三者、特に善意の取得者に対してはその条件は考慮されず、裏書人は手形の支払い義務を免除されることはありません。これにより、手形の流通性と第三者保護が確保されます。
2. 民法上の契約関係としての条件
一方で、裏書人と譲受人(手形を直接受け取った者)との間で合意された条件は、民法上の契約として有効です。たとえば、両者が「Cが商品を納品しなければ譲渡は無効」と合意した場合、これは民法の契約原則に基づく内部的な約束となります。この場合、裏書人は条件が未達成であると主張して、譲受人に対して遡及責任の履行を拒否する(または損害賠償を請求する)権利を民法上有する可能性があるのです。
3. 両者の関係と実務上の整理
— 第三者保護と流通性の観点
手形法12条は、第三者が条件を知らなかった、または無視して手形を取得する可能性がある点を重視しています。そのため、たとえ裏書人と譲受人間で条件付きで合意していたとしても、手形が第三者に渡った時点で、その条件は第三者に対しては一切効果を及ぼしません。第三者はあくまで無条件に手形の権利を主張できるため、裏書人は第三者に対していつでも遡及責任を負うことになります。
— 内部的なリスク配分の問題
ここで、裏書人と譲受人との内部的な契約(民法上の約束)は、たとえ第三者に対しては無効であっても、当事者間の責任配分の根拠となります。つまり、もし条件が履行されず譲受人側に損害が生じた場合、裏書人は民法上の債務不履行に基づく損害賠償責任を負う可能性があります。しかし、第三者Dに対しては、条件の有無にかかわらず支払い義務を免れることはできません。
まとめ
- 手形法12条の視点では、裏書に付された条件は、第三者(特に善意の取得者)が手形に基づいた権利を主張する際には一切考慮されず、裏書人は無条件に遡及責任を負います。
- 民法の視点では、裏書人と譲受人間で合意した条件は内部的に有効であり、たとえば条件が不履行の場合、当事者間で損害賠償やその他の民事責任が生じ得ます。
- 実務上の注意点としては、条件付き裏書を行う場合、第三者への影響を十分に考慮した上で、条件の効力を補完するために、エスクロー契約や信用状といった別途の安全策を講じる必要があります。
このように、手形法の絶対的な遡及責任と、民法上の契約リスク管理は別個に取り扱われるため、各当事者はそのリスク分担や保護措置を明確にしておくことが重要です。
どのカテゴリーに投稿しますか?
選択してください
1~9
(9件中)
お知らせ
2024.4.22
2023.11.1
2023.9.1
スポンサーリンク
スポンサーリンク
[2022.7.24]
[2019.11.12]
[2018.10.10]