こんにちは。特定社会保険労務士の田中です。
2010年は、労働法関連の改正が多い年でした。
労働基準法の大きな改正もありましたが、
今回は、やや地味ながら実務では無視できない法改正をお伝えします。
○※○※○ 在職老齢年金の扱いが変わりました。(厚生年金保険法)○※○※○
【注意すべき場合】
60歳~64歳の従業員(以下、対象者)がいる会社
【どう気を付ける?】
在職老齢年金をもらう人は、給与(標準報酬月額)が低いほど、年金が多くなり
ます。今までの給与減額では「4ヵ月待って」「2等級以上、標準報酬等級が下
がる」と、年金が多くもらえました。しかし、退職扱いとして給与を減額すると、
「その月から」「1等級でも標準報酬が下がる」と年金が多くもらえるようにな
りました。
対象者が給与減額となった時には手続きをお忘れなく!
○※○※○ 男性の育児休業取得が、従来よりも簡単になる。○※○※○
【注意すべき場合】
男性社員が育児休業に入りたいと申し出てきた会社
【どう気を付ける?】
今までは、男性社員に対して「妻が専業主婦か、会社員でも育児休業中の場合、
本人は育児休業を取得できない。」と労使協定で決めることができました。しか
し、2010年7月以降はそれが出来ず、男性社員から育児休業の申し出があると、
会社は拒否できなくなっています。
業務のマニュアル化や、助成金を活用しての代替人員確保などの事前準備をご検
討ください!
○※○※○ 国民健康保険に保険料の軽減措置ができる。○※○※○
【注意すべき場合】
希望退職や整理解雇を行った会社
【どう気を付ける?】
会社都合で退職した人の国民健康保険料の負担を軽減するため、所得割が
3割で計算されます。(他に均等割などもあるので、単純に保険料が3割になる訳
ではない。)
会社都合の理由で退職される方にはお知らせしてください!
リーフレットは以下にあります。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000004o7v-img/2r98520000004o9d.pdf
○※○※○ 障害者雇用の法定雇用率を下回る場合のペナルティ対象が厳しくなる。○※○※○
【注意すべき場合】
従業員201人以上の企業で、法定雇用率に達していない会社
【どう気を付ける?】
会社は従業員56人ごとに障害者を1人雇用しなければいけません。
これを満たせない場合、不足1人につき、納付金として月額50,000円が課されます。
今までは、納付金の支払いを免除されていた201人以上の会社も2010年7月からは、支払うことになりました。さらに2015年には101人以上の会社にも支払い義務が拡大されます。
該当する企業規模の場合は、障害者雇用について具体的にご検討ください!
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
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