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行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第177号/2011/5/10>■
1.はじめに
2.「
会社法務編/中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(121)」
3.編集後記
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1.はじめに
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こんにちは。
行政書士の津留信康です。
GW明け、皆様いかがお過ごしでしょうか?
GW中の宮崎は、曇りや雨の日が多く、今ひとつパッとしないお天気でした。
おまけに、GWが明けたとたん、真夏を先取したような、蒸し暑いサウナ状態。
なかなか心や体がリフレッシュできず、苦労しています・・・
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「
会社法務編─中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(121)」
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★本稿では、「平成22年度
司法書士試験問題」の解説を通じて、
“
会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第15回は、「
役員の変更の
登記」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■次のような
登記がされている
株式会社に関する次の記述のうち、
誤っているものはどれか(午後─第28問)。
□株式の
譲渡制限に関する規定あり
□
役員:
取締役A、
取締役B、
取締役C(
社外取締役)、
代表取締役A、
監査役D
※A~Dは、
役員としての権利義務を有する者となる場合ではない。
□
社外取締役等の会社に対する責任の制限に関する規定あり
□
株式会社は、
取締役会設置会社および
監査役設置会社である。
1.
社外取締役等の会社に対する責任の制限に関する規定
の廃止による変更の
登記を申請する場合には、
併せて、Cについて、
社外取締役である旨の
登記の抹消を申請しなければならない。
□正解: 〇
□解説
取締役が
社外取締役であっても、
原則として、その旨の
登記は不要ですが、
例外として、一定の場合に該当するときは、
当該
登記が必要となります(
会社法911条3項21号・22号・25号)。
よって、本肢の場合(同法同条同項25号に該当)には、
Cについて、本肢のような
登記の申請が必要となります(先例)。
2.
監査役の監査の範囲を
会計に関するものに限定する旨
の
定款を変更した場合には、Dについて、
当該
定款の変更の効力を生じた日をもって任期満了により退任した旨の
変更の
登記を申請しなければならない。
□正解: ×
□解説
監査役の監査の範囲を
会計に関するものに限定する旨の
定款の定め
を廃止する
定款の変更をした場合には、
監査役の任期は、
当該
定款の変更の効力が生じた時に満了します(
会社法336条4項3号)。
しかし、本肢のように、当該
定款を変更した場合であっても、
監査役の任期は、満了しません。
よって、本肢のような
登記の申請をすることはできません。
3.
株式会社が発行する全部の株式の内容として、
譲渡による当該株式の取得について当該
株式会社の承認を要する旨
の
定款の定めを廃止する
定款の変更をした場合には、
A、B、CおよびDについて、
当該
定款の変更の効力を生じた日をもって任期満了により退任した旨の
変更の
登記を申請しなければならない。
□正解: 〇
□解説
会社法332条4項3号(
取締役の任期)、336条4項4号(
監査役の任期)
の規定により、
本肢のような
登記の申請が必要となります。
4.新たに
監査役2人を選任し、
監査役会設置会社の定めの設定による変更の
登記を申請する場合において、
Dが
社外監査役であるときは、併せて、Dについて、
監査役会設置会社である旨の
定款の変更をした日をもって
社外監査役に就任した旨の変更の
登記を申請しなければならない。
□正解: ×
□解説
監査役会設置会社であるときは、その旨および
監査役のうち
社外監査役であるものについて
社外監査役である旨
を
登記する必要があります(
会社法911条3項18号)。
しかし、本肢の場合には、Dについて、
監査役会設置会社である旨の
定款の変更をした日をもって
社外監査役に就任した旨の変更の
登記を申請するのではなく、
監査役会設置会社の定めの設定による変更の
登記において、
「Dは、
社外監査役である」旨を記載の上、申請することになります(先例)。
5.Cを
代表取締役に選定した場合において、
Cの
代表取締役の就任の変更の
登記を申請するときは、
併せて、Cについて、
社外取締役である旨の
登記の抹消を申請しなければならない。
□正解: 〇
□解説
本肢の場合において、Cは、
社外取締役の要件(
会社法2条15号、363条1項)を満たさなくなるため、
Cについて、本肢のような
登記の申請が必要となります(先例)。
★次号では、「会社・
取締役間の
利益相反取引等」について、ご紹介する予定です。
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3.編集後記
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★
司法書士(7月)や
社労士(8月)など、受験願書の受付が始まっています。
※)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-246a.html
■本号は、いかがでしたか?
次号の発行は、2011/6/1(水)を予定しております。
■編集責任者:
行政書士 津留信康
□津留
行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
□当事務所へのご連絡は、
上記Webサイト・トップページのメールリンクをご利用ください。
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(
http://www.mag2.com/)」を利用しており、
購読の解除は、「
http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。
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■行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第177号/2011/5/10>■
1.はじめに
2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(121)」
3.編集後記
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1.はじめに
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こんにちは。行政書士の津留信康です。
GW明け、皆様いかがお過ごしでしょうか?
GW中の宮崎は、曇りや雨の日が多く、今ひとつパッとしないお天気でした。
おまけに、GWが明けたとたん、真夏を先取したような、蒸し暑いサウナ状態。
なかなか心や体がリフレッシュできず、苦労しています・・・
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「会社法務編─中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(121)」
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★本稿では、「平成22年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
“会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第15回は、「役員の変更の登記」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■次のような登記がされている株式会社に関する次の記述のうち、
誤っているものはどれか(午後─第28問)。
□株式の譲渡制限に関する規定あり
□役員:取締役A、取締役B、取締役C(社外取締役)、
代表取締役A、監査役D
※A~Dは、役員としての権利義務を有する者となる場合ではない。
□社外取締役等の会社に対する責任の制限に関する規定あり
□株式会社は、取締役会設置会社および監査役設置会社である。
1.社外取締役等の会社に対する責任の制限に関する規定
の廃止による変更の登記を申請する場合には、
併せて、Cについて、
社外取締役である旨の登記の抹消を申請しなければならない。
□正解: 〇
□解説
取締役が社外取締役であっても、
原則として、その旨の登記は不要ですが、
例外として、一定の場合に該当するときは、
当該登記が必要となります(会社法911条3項21号・22号・25号)。
よって、本肢の場合(同法同条同項25号に該当)には、
Cについて、本肢のような登記の申請が必要となります(先例)。
2.監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨
の定款を変更した場合には、Dについて、
当該定款の変更の効力を生じた日をもって任期満了により退任した旨の
変更の登記を申請しなければならない。
□正解: ×
□解説
監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定め
を廃止する定款の変更をした場合には、監査役の任期は、
当該定款の変更の効力が生じた時に満了します(会社法336条4項3号)。
しかし、本肢のように、当該定款を変更した場合であっても、
監査役の任期は、満了しません。
よって、本肢のような登記の申請をすることはできません。
3.株式会社が発行する全部の株式の内容として、
譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨
の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、
A、B、CおよびDについて、
当該定款の変更の効力を生じた日をもって任期満了により退任した旨の
変更の登記を申請しなければならない。
□正解: 〇
□解説
会社法332条4項3号(取締役の任期)、336条4項4号(監査役の任期)
の規定により、
本肢のような登記の申請が必要となります。
4.新たに監査役2人を選任し、
監査役会設置会社の定めの設定による変更の登記を申請する場合において、
Dが社外監査役であるときは、併せて、Dについて、
監査役会設置会社である旨の定款の変更をした日をもって
社外監査役に就任した旨の変更の登記を申請しなければならない。
□正解: ×
□解説
監査役会設置会社であるときは、その旨および
監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨
を登記する必要があります(会社法911条3項18号)。
しかし、本肢の場合には、Dについて、
監査役会設置会社である旨の定款の変更をした日をもって
社外監査役に就任した旨の変更の登記を申請するのではなく、
監査役会設置会社の定めの設定による変更の登記において、
「Dは、社外監査役である」旨を記載の上、申請することになります(先例)。
5.Cを代表取締役に選定した場合において、
Cの代表取締役の就任の変更の登記を申請するときは、
併せて、Cについて、
社外取締役である旨の登記の抹消を申請しなければならない。
□正解: 〇
□解説
本肢の場合において、Cは、
社外取締役の要件(会社法2条15号、363条1項)を満たさなくなるため、
Cについて、本肢のような登記の申請が必要となります(先例)。
★次号では、「会社・取締役間の利益相反取引等」について、ご紹介する予定です。
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3.編集後記
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★司法書士(7月)や社労士(8月)など、受験願書の受付が始まっています。
※)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-246a.html
■本号は、いかがでしたか?
次号の発行は、2011/6/1(水)を予定しております。
■編集責任者:行政書士 津留信康
□津留行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
□当事務所へのご連絡は、
上記Webサイト・トップページのメールリンクをご利用ください。
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(
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