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一会計事務所職員のちょっとしたメルマガ No.169
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こんにちは。
裁決事例の紹介です。
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関連法人から審査請求人に支払われたコンビニエンスストア事業に係る経費に相当する金額が、関連法人からの役員としての経済的な利益の享受つまり給与所得に該当するか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、コンビニエンスストア事業に係る損益は請求人にすべて帰属しているため給与所得には該当しないと判断、原処分を全部取り消した。
この事件は、コンビニエンスストアの経営者である請求人が同族関係にある法人から支払いを受けたコンビニエンスストアの事業に係る費用に対して、原処分庁が同族法人からの請求人に対する給与所得に当たると認定して更正処分等をしてきたため、請求人がこれを不服としてその全部の取消しを求めて審査請求したという事案である。
つまり原処分庁側は、請求人が役員を務める各関連法人から支払われたコンビニエンスストア事業に係る経費は本来、役員である請求人が個人で支払うべき費用を各関連法人が負担したものであるから、所得税法36条1項(収入金額)の経済的な利益に該当すると判断したわけだ。
これに対して裁決は、事実認定の結果、コンビニエンスストア事業に係る損益は各関連法人に帰属するものではなくその全てが請求人に帰属すること、またコンビニエンスストア事業に係る入出金が各関連法人においては仮受金等として処理されていた状況などの事実関係を把握。
その上で、各関連法人が支払ったコンビニエンスストア事業に係る経費はコンビニエンスストア事業に対する各関連法人の立替金とみるのが相当であり、コンビニエンスストア事業に係る損益のうち経費だけを役員としての経済的な利益を享受したものと認めることはできないと認定した。その結果、給与所得には該当せず事業所得に該当すると判断して、原処分を全部取り消している。
(国税不服審判所、12.06.26裁決)
http://www.tabisland.ne.jp/news/news1.nsf/b6c131437f3cfe4a49256619000ed3d6/3f93d23f1b3e4f0749257b1d007b2390?OpenDocument
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平成18年の会社法施行から、株式会社設立に係る資本金額の下限が事実上撤廃されたことにより、以前より少額で会社設立が可能となりました。
その一方で、個人事業の延長又は個人事業とほぼ差異がないような個人経営的な会社が増えているのも事実です。
加えて、上記のような法人の役員と個人事業を掛け持ちで行うことも容易となり、法人と個人事業との間の資金移動が頻繁かつその根拠が不明瞭な場合、当該経営者への経済的利益の供与と指摘されるケースが考えられます。
対策としては、当該ケースのように立替金又は債権債務として法人・個人事業それぞれ資産・負債として経理処理し、計画的な返済・回収を行うことが理想といえるでしょう。
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