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ポカミスを全社を挙げて退治する!

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      シリーズ「カイゼン活動で仕事のできる人の集団を作る!」

    <第417回>[(第8話)「ポカミスを全社を挙げて退治する!」]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の
必要性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「カイゼン
活動で仕事のできる人の集団を作る!」と題して様々な角度から鋭く分析し
た良質の記事を紹介していきます。きっとお役に立てると思います。中小企
業の経営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいただきた
いと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】ポカミスの由来!
【3】「ポカミス」と「性善説」!
【4】ポカミスの性善説的原因と対策法!
【5】編集後記

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人間は仕事をする上でミスをする動物だ。ミスの多い人と少ない人がいる。
そして、多くの場合「ヒューマン・エラー」だから仕方がないものとして扱
い、「ポカミス」と称している。ポカミスは、やり方次第で激減できるもの
だ。

「ポカミス」は、考え抜いてやった結果の失敗とはわけが違う。「ついうっ
かり」と言うわけだ。実際「ポカミス」の発生で多くの企業では莫大な損失
を発生させている。全社を挙げて「ポカミス」を激減させることに成功すれ
ば、その分利益が増えるのである。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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私の大きな関心事は諸君が失敗したかどうかにあるのではなく、その失敗に
安んじているかどうかという点にある。

       リンカーン

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【2】ポカミスの由来!

「ポカミス」とは大変便利な言葉だ。工場でもオフィスでも「またポカミス
か。しょうがないなあ」と言った具合に日常よく使われている。しかし、
「ポカミス」には明確な原因があるのだ。全社一丸となってしっかり対策を
講じて、ポカミスから脱出してほしい。

英語にFool-proof(間違えない)と言う単語がある。ここからポカをなくす
という意味で「ポカよけ」と称するようになった。

ある工場の組立ラインで、ライン長が「バカよけ対策を採りましょう」と言
ったところ、パートさんが「私たち、そんなにバカですか」と言って泣いて
しまったというエピソードがある。それ以来、「バカミス」、「バカよけ」
とは言わず「ポカミス」、「ポカよけ」と言う言葉が使われるようになった
という経緯がある。



【3】「ポカミス」と「性善説」!

「性悪説」とは、人は根っから悪いことをする。だからしっかり監督し、し
っかり管理しなければならないと言う考えだ。端的に言えば「人を見たら泥
棒と思え」と言うことだ。

一方「性善説」とは、人は根っから善い人である。だから自主性を尊重し、
自分で目標管理をできるように導いていく必要がある。「ポカミス」をする
のも極めて人間らしいことである。だから「ポカミス」が起こることを前提
に対策しなければならないと言う考えだ。

ポカミスでは、基本的に「性善説」に基づいて原因と対策を考えていく。
「性善説」で考えれば「ポカミス」は必ずやるものと肯定することが出発点
になる。

「勘違い」、「思い違い」、「聞き違い」、「早飲み込み」、「忘れる」、
「緊張感が切れる」、「集中力が切れる」、「無責任」、「他責化」などは
極めて人間らしいことだ。人は誰でも自分が一番大切なのだ。そして、人は
誰でも自分は一人前以上だと思っているのだ。

これを否定しても始まらない。肯定することだ。確かにミスの多い人とミス
の少ない人がいることは事実だ。ミスの少ない人はどんなコンピテンシー
持っているのだろうか。

そこで、ミスをするときの状況を分析し、把握することから始めてほしい。
どんな場合にミスが発生するのだろうか。日時、時間帯、曜日、どの仕事で、
どの職場でと言うように、記録してみると「ポカミス」の姿が見えてくる。



【4】ポカミスの性善説的原因と対策法!

□ ミスが発生しやすい時間帯とその対策

現場では、どういうわけか午後2時~3時に最も「ポカミス」が多く発生す
る。入力作業でも入力の欄を間違えたり、数字の桁を間違えるのだ。

対策は自分自身を叱咤して「集中力」を確保することだ。「集中力」の持続
時間の短い人に「ポカミス」が多いから、このようなタイプの人は、「集中!
集中!」と常に自分に言い聞かせて、意識付けしながら仕事をすることだ。
会社として「リフレッシュ・タイム」を設けて体操をしてもらったりコーヒ
ー・ブレイクタイムを設けるのも効果的だ。ミスをさせない空間、環境の設
定が効果があるのだ。

特にこの時間帯は「セルフチェック」を入念に行う癖をつけてほしい。仕事
の区切りごとに「セルフチェック」を必ず励行することで「ポカミス」は自
分で発見できる。誰でも最大限「慎重さ」なるコンピテンシーを発揮する時
間帯なのである。


□ 中断後の仕事再開時のミスと対策!

仕事を一時中断したり、離席後に席に戻って仕事を再開するときに「ポカミ
ス」が集中する。仕事をやりかけていて、休憩時間になる、昼休みになる、
上司に呼ばれる、電話に出る、来客に応対する。このような場合、仕事を中
断したり、離席する。そして仕事を再開するときにワナが待っているのだ。

対策は「離席管理」をしっかりやることだ。仕事の中断や席を離れるときは、
どこまでやりかけたのかをしっかり分かるように記録を残しておくことだ。
その記録を確認して再開するようにすれば、ミスは激減できる。「離席カー
ド」を作成し、席に戻ったらどこまでやりかけていたかをしっかり確認して
再開するのも効果的だ。全社的に「離席カード」を活用することをお勧めす
る。


□ ワークデザイン拙劣に対する対策

仕事の中身、仕事のやり方そのものが間違いやすい、あるいは勘違いしやす
いように「ワークデザイン(仕事の設計)」されているものが職場には数多
くある。

組立現場には部品を反対に取り付けようと思えば取り付く構造や部品がある。
そして必ず取り付けミスがある確率で発生するのだ。

事務の仕事にもミスを誘うソフトや不明朗な手順がある。これも「仕事の設
計(ワークデザイン)」に欠陥があると考えるべきだ。

部品の取り付けミスを撲滅するなら、反対に、あるいは逆には絶対に取り付
かない構造設計にすることだ。しかし、設計者はなかなかこれを実行したが
らない。そして現場の作業ミスだと言い張るのだ。

この場合は、あらかじめ取り付ける部品の「方向性」を決めて作業台に一旦
置いてから作業させることだ。取り付けミスは激減する。

入力ミスしてもアラームを発してくれたり、「これで間違いないですか」と
警告を発するソフトにすることだ。セルフチェックを促すことは、ミスに気
付かせる上で有効だ。

「ポカミス」が発生しにくいように仕事のやり方、仕組みを盛り込んで「ワ
ークデザイン」することが大切なのである。


□ 4Mの変更管理拙劣に対する対策

4Mの変更はポカミスの温床になっている。4Mとは、Man(人)、Machine
(設備)、Material(材料など)、Method(やり方、方法)のことだ。これ
らが変更になることは製造現場では日常茶飯事だ。中でも「人が変わる」、
「やり方が変わる」の二つは最もポカミスに敏感だ。つまり不慣れが原因と
言うわけだ。「何かを変えたらミスが起こる」と考えてほしい。

やむを得ずオペレーターが変更になる場合は、対象者にしっかり教育訓練し
て「これなら大丈夫」というお墨付きを与えて作業をさせることが大事だ。
見本を見せて「この通りやってくれ」ではミスの元だ。技術的にやり方が変
更になる場合も同様だ。


□ 5Sが拙劣に対する対策

「5S」は誰でも知っている「整理、整頓、清掃、清潔、躾」のことだ。
「言うは易く行なうは難し」で実際できていない現場が多い。「5S」と
「識別表示管理」は一体と考えてほしい。「5S」ができていない現場は
ミスが多発することになっている。

製造現場なら作業台の上をキッチリ「5S」を実施し、全社運動として定
着させることをお勧めする。事務部門においてもデスクの上や書類、パソ
コンのファイルやドキュメントを常日頃からきっちり整理、整頓し、識別
管理をする習慣を身に付けることだ。


□ ホーレンソー不足に対する対策

問題が起こると「言った」、「言わない」、「聞いた」、「聞かない」の
言葉が飛び交う。明らかに「ホーレンソー不足」だ。つまりコミュニケー
ションがなっていない。そして責任のなすり合いが始まる。

ホーレンソーとは、「報告」、「連絡」、「相談」のことだ。つまり、密
接なコミュニケーションを常に図ることを習慣化することだ。意思の疎通
が図られればチームワークがよくなり、連係プレーが可能になるのだ。


□ 段取り不足に対する対策

日常的な定型作業は同じことの繰り返しだが、たまにやる重要かつ特別な
仕事や初めての仕事に着手すると言うのに「段取り」をキッチリやらない
人は多い。段取りができていないからやるべきことを忘れたり、もの探し
であっちにうろうろなどの歩行が多くなる。ミスを誘うばかりか効率も悪
い。

「段取り」をキッチリやってから着手することだ。効率がよく、しかもつ
まらないミスは激減できる。



【5】編集後記

「ポカミス」が発生しやすいのは、同時に複数のことをやったり、考えた
りするときだ。昼食の時間になると仕事に区切りを付けて食堂に向かう人
と一目散に食堂に向かう人がいる。一目散の人には、午後に仕事を再開す
るとき「ポカミス」のワナが待っている。仕事をしながら、ほかの事に気
を奪われるときもワナが待っている。

しかし、ミスをしようと思ってミスをしている人はいないから、ミスの発
生しやすい原因をあらかじめ除去する、つまり予防することに全社を挙げ
てエネルギーを注いでほしい。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp


次回に続く。

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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
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