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経営力を強化せよ(2)

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経営テクノ研究所
2014年9月15日第1・3週月曜日発行
発行人:舘 義之http://www9.plala.or.jp/keiei-techno/
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★★経営のパートナー★★経営学で企業を再生する
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<目次>★経営力を強化せよ(2)
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★経営力を強化せよ(2)
4.売掛債権回転率が悪化していないか
 売上債権に投下された資金が多すぎないか、能率的に運用されているか、
回収状態は順調であるかといった資本の運用効率がどうなっているかは、売
上高との関係において判断することができます。

 売掛債権とは、売掛金受取手形、未収入金をいいますが、通常、営業取
引に基づいて発生する勘定は、売掛金受取手形です。

 売掛債権回転率は、受取勘定回転率ともいい、売上高の回収度合を見るも
ので、この比率が低い場合は、販売しても入金がないので資金繰りが苦しく
なります。
売掛債権の分だけ、資金が固定化する。
●回収が順調にいかないと、その分だけ資金が固定化し、資金繰りを圧迫す
 る。
売掛債権分だけ、焦付きや貸倒の発生する危険が多くなる。

 売上高の増加に伴ない、売掛債権が増加するのが普通であすが、 売上高
が変化せず、売掛債権のみが増加していることは、それだけ資本の効率を低
下させていることになります。

             期売上高
売掛債権回転率=───────────────────
           売掛金受取手形(当期平均額)

              売掛金受取手形(当期平均額) 
売掛債権回転期間=───────────────────×365日
                  当期売上高

 売掛債権回転率は、どのくらいが適当かといえば、次のとおりです。
●製造業7回 ●建設業18回 ●卸売業9回 ●小売業38回

 たとえば、売掛債権回転率が、2,000万円÷400万円=5回、売掛
債権回転期間が、400万円÷2,000万円×365日=73日であった
とします。

 売上高に対して5回転していることを示しており、売上債権が73日で現
金化しているという回収期間を表わしています。

 売掛金受取手形で販売すれば売上高を伸ばすことができます。また、回
収期間を延長しても、売上高を増加させることができます。

 一方、売掛債権の増加や回収期間の延長によって、資金繰りを圧迫するよ
うになります。逆に、売掛債権の発生をおさえ、回収期間を圧縮することに
よって資金繰りが楽になります。

 そこで、採算と資金繰りのバランスの観点から、具体的には、次のような
対策が必要となります。
(1)現金売りを促進することは、もちろんだが、売掛サイドについても一  
   定の期間を設け、支払条件の悪い得意先は切り捨てる。
(2)信用調査を徹底し、不良債権を少なくする。
(3)売掛債権に対する回収率を、得意先別に計算し、利益率とにらみ合わ
   せながら営業政策を考える。

5.棚卸資産回転率が悪化しているか
 棚卸資産は、企業の収益性と健全性を左右する資産として、重要な意味を
持っています。この資産の運用効率いかんによって、企業の生命を左右する
場合が多々あるからです。
                 当期売上高
棚卸資産回転率=───────────────────
          原材料+仕掛品+製品(当期平均額)



 棚卸資産回転率は、製品を仕入れて売れるまでの速さを示すものですから、
高いほどよいわけですが、その比率を示すと、次のとおりです。
●製造業60回 ●建設業-回 ●卸売業27回 ●小売業23回          

           原材料+仕掛品+製品(当期平均額)
棚卸資産回転期間=───────────────────×365日
                当期売上高


 棚卸資産の低い場合は、商品在庫や不良在庫が増加していることになりま
す。つまり、それだけ資金が寝ていることになります。

 棚卸資産回転率を高めるためには、次のような施策が必要になります。
(1)徹底的に棚卸を行う。傷物、売残り品、流行遅れの品物など、滞貨し
   ている回転率の悪いものは、なるべく有利な方法を工夫しながら、速 
   やかに換金化すること。
(2)仕入を手控えること。必要な商品、材料にのみ気を配り、売りに全力
   を傾ける。
(3)商品または製品計画を再検討する。適正在庫を求めるために、差益率、
   回転率を計算し、需要予測を確立すること。
(4)製造業にあっては、仕掛品の減少に力を入れる。生産作業の能率化、
   合理化によって、滞貨している資金を捻出すること。
(5)下請企業の場合は、受託加工に切替え、材料支給等で資金の円滑化を
   計ること。

 なお、棚卸資産といっても、業種業態によって、持っている資産も、働き
も異なるので、次の諸回転に分けて比率を見ることです。
●原材料回転率      
 この比率が高いほど少ない原材料在庫で、高い売上をあげているので、資
本効率としては好ましいといえます。しかし、あまり低すぎると原材料の在
庫が少ないための製造工程の能率を低下させることにもなるので適正限度の
検討が必要です。 

            当期売上高
●原材料回転率=──────────────
         原材料在庫高(当期平均額)
            原材料在庫高(当期平均額)
●原材料回転期間=──────────────×365日
              当期売上高

●仕掛品回転率
 この比率が高いということは、製造工程における仕掛品が少量であること
を示しています。しかし反面、製造設備の一部が遊んでいることにもなるの
で注意が必要です。

           当期売上高
●仕掛品回転率=────────────
         仕掛品(当期平均額)
 
          仕掛品在庫高(当期平均額)
●仕掛品回転期間=──────────────×365日
             当期売上高
 
●製品回転率
 製品の在庫期間が長くなると、製品の死蔵化・不良化の原因となります。
したがって、この回転率は高いほどよいのですが、あまり在庫を減らしすぎ
ると、販売面で支障をきたす場合もあるので、それぞれの特殊性を考慮して
回転率を決めることが必要です。
 
             当期売上高
●製品回転率=────────────────
         製品在庫高(当期平均額)

         製品在庫高(当期平均額)
●製品回転期間=─────────────×365日
           当期売上高
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★舘 義之のポジション
 人事・IE・VE・マーケティングコンサルタント
 人事・IE・VE・マーケティングの三輪で企業体質の仕組みを構築して、
厳しい経営環境の中で勝ち残っていく会社にすることを第一に支援します。
舘 義之への問い合わせstudy@sky.plala.or.jp
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