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江崎
会計の税務情報 『 一 刀 両 断 ! 』
~実戦で実践できる本当の税務対策をご紹介します~
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2016年4月6日 Vol.301
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こんにちは!
税理士法人 江崎総合
会計の岡田です。
満開の桜とともに、新年度という2度目の年明けを迎えて清々しい気分です。
私が
休日に
自転車を走らす、桂川から木津川にかけての嵐山・木津サイクリングロ
ード沿いにも、いくつかの桜の名所があり、この前の
休日は、たくさんの人出で賑
わっていました。
仕事の方は、個人の
確定申告が終わってほっと一息しています。でも、すぐに
法人
の
決算があります、特に3月
決算の
法人は数が多いので、また、忙しい日々になり
そうです。
さて、今月は大阪2課のメンバーが担当です。まず第1回目は、平成28年度税制
改正の中から、
消費税の改正の一つについて述べていきます。
━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…
マンション建築の
消費税還付スキームは完全に終わり?
━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…
平成28年4月から不動産投資等の
消費税還付は困難になります
……………………………………………………………………………………
○ 高額
資産を取得した場合における
消費税の中小
事業者に対する特例措置の適用
関係の見直し
1
事業者(免税
事業者を除く)が、簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に
国内における高額
資産の
課税仕入れ又は高額
資産の
保税地域からの引取り(以下
「高額
資産の仕入れ等」という。)を行った場合には、当該高額
資産の仕入れ等の
日の属する課税期間から当該課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期
間までの各課税期間においては、
事業者免税点制度及び簡易課税制度は適用しない
(注)上記の「高額
資産」とは、一取引単位につき、支払対価の額が税抜1千万円
以上の
棚卸資産又は調整対象
固定資産とする。
2 自ら建設等をした
資産については、建設等に要した
費用の額が税抜1千万円以
上となった日の属する課税期間から当該建設等が完了した日の属する課税期間の初
日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間において、上記「1」
の措置を講ずる。
3 その他所要の措置を講ずる。
(注)上記の改正は、平成28年4月1日以後に高額
資産の仕入れ等を行った場合
について適用する。ただし、平成27年12月31日までに締結した
契約に基づき
平成28年4月1日以後に高額
資産の仕入れ等を行った場合には、適用しない。
つまり、本則課税制度の課税
事業者が建物を購入または新築した場合は、その後の
─────────────────────────────────────
3年間は簡易課税制度への変更は出来ないし、また免税
事業者になることも出来な
─────────────────────────────────────
くなります。
─────
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そもそも
消費税還付スキームとは?
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○ はじまりは、自販機還付スキーム
…………………………………………………………
マンションを建てて不動産賃貸業をする大家さんは、建築時に業者さんに建築代金
とともに
消費税を支払います。本来なら、この
消費税は支払いっぱなしです。
大家さんには課税売上がないので(居住用マンションの賃貸収入は
非課税)、消費
税の申告は出来ません。
そこでマンション建築と並行して自販機を設置して自販機収入という少額の課税
売上をたてて
消費税課税
事業者を選択して課税
事業者になり、建築代金の
消費税を
還付してもらいます。
でも、このまま本則課税で課税
事業者のままだと、2年目、3年目と家賃収入とい
う
非課税売上があがってきて3年目で調整されてしまうので、2年目は簡易課税を
選択して、3年目は免税業者になる手法が、10数年前から流行りだしました。
* 建物を建築した後の3年間で課税売上割合が大きく変動した場合には3年後
に調整される制度があります。建築時の1年目は入居者0で自販機の課税売上
だけで課税売上割合は100%、2年目、3年目は、家賃収入(
非課税売上)が
上がり課税売上割合は極端にさがります。そして3年後に
消費税を再計算して
納付することになります。これは3年間とも本則課税の場合に適用されます。
結果として還付はほとんど無かったことになります。
*この本則課税での課税売上割合の「調整」が還付スキームの重大なポイントです
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平成22年の税制改正で自販機還付スキームにメスも・・・・不発
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○ 平成22年の税制改正では、課税
事業者を選択、もしくは
消費税新設
法人の事
業者(つまり、自ら課税
事業者になった
事業者)は、その後2年以内に建物を建築
したら、その後3年間は簡易課税も選択出来ないし、免税
事業者にも戻れないとい
うものでした。要するに3年後の「調整」から逃げ切れないようにしようとしました。
一見すると今回の改正と同じ様にみえますが、「2年間」のすき間が違います。
平成22年の改正では、課税
事業者を選択して3年後に建築した場合や、自然と課
税
事業者になった時に建築した場合は、当時の改正の
適用除外になり、「調整」か
ら逃れて還付スキームが可能になっていました。
そこで今回の改正になったようです。改正案の文章に「3その他所要の措置を講ず
る」とありますし、
消費税還付スキームの規制に完全にダメ押しって感じです。
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それでも抜け道は?・・・やめてくださいね
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○ 不動産業者さんは、大事な大家さんや地主さんのために、まだまだ何か還付ス
キームがないか考えているかも知れません。なにしろ、1億円のマンションを建築
した場合には800万円の還付があったのが、無くなってしまうのですから。
私も無責任に考えてみました。
3年間で「調整」される事から逃れる方法はないようです。
すると、課税売上割合を上げる(維持する)しか方法はありません。
1 1階は店舗で2階以上が居住用のマンションを建築して、3年間は2階以
上は空き家にする・・投資利回りを考えると現実的ではありませんね。
2 商業テナントビルを建築する・・・普通に当たり前ですね。収入に
消費税
がかかりますし、オフィスビル経営のリスクを考えると?
3 高級外車や金などの値崩れしないモノの売買を大きく取り引きする。
・・・課税売上調整の影響を最小限に。でも手間やリスクを考えると?
と、やっぱりもう、マンション建築の
消費税還付スキームは無理なようですね。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
次回以降も、どうぞよろしくお願いいたします。
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=明朗、低料金システムで中小企業、
個人事業主様を元気に!=
■
税理士法人 江崎総合
会計■
http://www.tax-sos.co.jp/
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関西エリア
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こんにちは!
税理士法人 江崎総合会計の岡田です。
満開の桜とともに、新年度という2度目の年明けを迎えて清々しい気分です。
私が休日に自転車を走らす、桂川から木津川にかけての嵐山・木津サイクリングロ
ード沿いにも、いくつかの桜の名所があり、この前の休日は、たくさんの人出で賑
わっていました。
仕事の方は、個人の確定申告が終わってほっと一息しています。でも、すぐに法人
の決算があります、特に3月決算の法人は数が多いので、また、忙しい日々になり
そうです。
さて、今月は大阪2課のメンバーが担当です。まず第1回目は、平成28年度税制
改正の中から、消費税の改正の一つについて述べていきます。
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マンション建築の消費税還付スキームは完全に終わり?
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平成28年4月から不動産投資等の消費税還付は困難になります
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○ 高額資産を取得した場合における消費税の中小事業者に対する特例措置の適用
関係の見直し
1 事業者(免税事業者を除く)が、簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に
国内における高額資産の課税仕入れ又は高額資産の保税地域からの引取り(以下
「高額資産の仕入れ等」という。)を行った場合には、当該高額資産の仕入れ等の
日の属する課税期間から当該課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期
間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度は適用しない
(注)上記の「高額資産」とは、一取引単位につき、支払対価の額が税抜1千万円
以上の棚卸資産又は調整対象固定資産とする。
2 自ら建設等をした資産については、建設等に要した費用の額が税抜1千万円以
上となった日の属する課税期間から当該建設等が完了した日の属する課税期間の初
日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間において、上記「1」
の措置を講ずる。
3 その他所要の措置を講ずる。
(注)上記の改正は、平成28年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合
について適用する。ただし、平成27年12月31日までに締結した契約に基づき
平成28年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合には、適用しない。
つまり、本則課税制度の課税事業者が建物を購入または新築した場合は、その後の
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3年間は簡易課税制度への変更は出来ないし、また免税事業者になることも出来な
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くなります。
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そもそも消費税還付スキームとは?
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○ はじまりは、自販機還付スキーム
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マンションを建てて不動産賃貸業をする大家さんは、建築時に業者さんに建築代金
とともに消費税を支払います。本来なら、この消費税は支払いっぱなしです。
大家さんには課税売上がないので(居住用マンションの賃貸収入は非課税)、消費
税の申告は出来ません。
そこでマンション建築と並行して自販機を設置して自販機収入という少額の課税
売上をたてて消費税課税事業者を選択して課税事業者になり、建築代金の消費税を
還付してもらいます。
でも、このまま本則課税で課税事業者のままだと、2年目、3年目と家賃収入とい
う非課税売上があがってきて3年目で調整されてしまうので、2年目は簡易課税を
選択して、3年目は免税業者になる手法が、10数年前から流行りだしました。
* 建物を建築した後の3年間で課税売上割合が大きく変動した場合には3年後
に調整される制度があります。建築時の1年目は入居者0で自販機の課税売上
だけで課税売上割合は100%、2年目、3年目は、家賃収入(非課税売上)が
上がり課税売上割合は極端にさがります。そして3年後に消費税を再計算して
納付することになります。これは3年間とも本則課税の場合に適用されます。
結果として還付はほとんど無かったことになります。
*この本則課税での課税売上割合の「調整」が還付スキームの重大なポイントです
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平成22年の税制改正で自販機還付スキームにメスも・・・・不発
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○ 平成22年の税制改正では、課税事業者を選択、もしくは消費税新設法人の事
業者(つまり、自ら課税事業者になった事業者)は、その後2年以内に建物を建築
したら、その後3年間は簡易課税も選択出来ないし、免税事業者にも戻れないとい
うものでした。要するに3年後の「調整」から逃げ切れないようにしようとしました。
一見すると今回の改正と同じ様にみえますが、「2年間」のすき間が違います。
平成22年の改正では、課税事業者を選択して3年後に建築した場合や、自然と課
税事業者になった時に建築した場合は、当時の改正の適用除外になり、「調整」か
ら逃れて還付スキームが可能になっていました。
そこで今回の改正になったようです。改正案の文章に「3その他所要の措置を講ず
る」とありますし、消費税還付スキームの規制に完全にダメ押しって感じです。
━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…
それでも抜け道は?・・・やめてくださいね
━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…
○ 不動産業者さんは、大事な大家さんや地主さんのために、まだまだ何か還付ス
キームがないか考えているかも知れません。なにしろ、1億円のマンションを建築
した場合には800万円の還付があったのが、無くなってしまうのですから。
私も無責任に考えてみました。
3年間で「調整」される事から逃れる方法はないようです。
すると、課税売上割合を上げる(維持する)しか方法はありません。
1 1階は店舗で2階以上が居住用のマンションを建築して、3年間は2階以
上は空き家にする・・投資利回りを考えると現実的ではありませんね。
2 商業テナントビルを建築する・・・普通に当たり前ですね。収入に消費税
がかかりますし、オフィスビル経営のリスクを考えると?
3 高級外車や金などの値崩れしないモノの売買を大きく取り引きする。
・・・課税売上調整の影響を最小限に。でも手間やリスクを考えると?
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