夢でまでアイディアが閃く発明王が全自動編み機で世界に羽ばたく

夢でまでアイディアが閃く発明王が全自動編み機で世界に羽ばたく

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2016-06-06

　　　　　　　　◆◆コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆ 　　　　　　＜第３８０回＞賢人のコンピテンシーをベンチマークする！＜その７３＞ 　　　　＝＝■「夢でまでアイディアが閃く発明王が全自動編み機で世界に羽ばたく！」■＝＝ ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れとなり、成果に結び 付けられない人が実に多いのです。 「賢人のコンピテンシーをベンチマークする」と題して分かりやすく解説していきます。 コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・管理者・社員の皆 様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非ともお読みいただきたいと思います。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ ■忙しい人はとりあえず流し読みして下さい。後でゆっくり読み直していただくと理解が一層深まり 　ます。（コンピテンシー宣教師より）■ ＜今回のメニュー＞ ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 【１】アイディア少年は78歳の今も現役開発者！ 【２】自ら開発した手袋編み機で起業！ 【３】ホールガーメント(無縫製編み機)の開発に成功！ 【４】試作一回ぽっきりで市場に投入可能！ 【５】賢人から学ぶべきこと！ 【６】編集後記 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 賢人と呼ぶにふさわしい人は、すばらしい「行動特性」を持って行動している。だからすばらしい仕 事の結果を出すことができるのだ。我々は賢人のコンピテンシーをベンチマークしない手はないのだ。 【１】アイディア少年は78歳の今も現役開発者！ 和歌山県に島精機製作所と言うホールガーメント(無縫製編み機)を生産販売している会社がある。社 長の島　正博氏は78歳だが現役の社長兼開発者だ。 失礼ながら専門学校も大学も出ていないのに16歳で最初の特許を取得している。これまで取得した特 許は優に600件を超え、発明した件数は1100件を超える。件数だけならあの発明王エジソンを超える と言うからすごい。 1956年　県立和歌山高校定時制を卒業 1962年　24歳で株式会社島精機製作所を設立 年商　2015年3月期　約405億円（連結売上高約484億円） 従業員数　約1200名（連結　約1800名） 島社長は少年の頃から観察力と閃きがすごかった。母親が手袋作りの内職をしている姿をじっと見て いた。手袋本体に手首の部分を繋ぎ合わせる工程がある。目を拾って針に引っ掛け、編んで繋ぎ合わ せるのだが効率が悪い。島少年はもっと効率よく、楽に繋ぎ合わせるマシンを考案して母を喜ばせた。 その頃近所の工場でアルバイトをしていたからその工場でマシンの部品などは加工することができた そうだ。 【２】自ら開発した手袋編み機で起業！ 島少年は7歳のとき父が戦死し、女手ひとつで育てられた。島少年はとにかく考えるのが好きだった。 8歳のとき、ベアリング4個を厚めの板に取り付け、前輪で舵を切れるようにし、スケボーのような車 を作り、それに乗って県庁の坂を滑り降りてみんなをびっくりさせた。少年時代の発明には「音のし ない下駄」、「冷めにくい弁当箱」、「緩みにくいボルト」、「うなぎを一網打尽にする仕掛け」、 「自動車の方向指示器」などたくさんある。 24歳のとき本格的手袋編み機を開発して島精機製作所を設立した。古い金属加工機械を使って部品も 8割ほどを自給できる体制にした。ろくに設計図面も引かない。図面は自分の頭の中に描いていく。 そして26歳のとき世界初の「全自動手袋編み機」の開発に成功した。 手袋編み機にも幾多の改良を加えていったが、その後手袋からセーター編み機へと進化していく。 1995年にイタリのアミラノでホールガーメント（Whole Garment:直訳すれば丸ごと衣料）を発表した ところ業界関係者から「東洋のマジック」と絶賛されることになる。 【３】ホールガーメント(無縫製編み機)の開発に成功！ 京都市にニット工房「天使のにっと」と言う専門店がある。服のタイプを決めて、マシンにお客様の 詳細のサイズを入力すると全自動編み機が勝手に編み始める。待つこと小一時間でカーディガンが編 み上がるから不思議だ。そのカーディガンには縫い目がないから着心地がいい。（従来なら前後の身 頃と左右の袖などパーツを作っておいて後から縫い合わせる。そのため縫い目ができてごわごわする。） 「天使のにっと」が導入しているマシンは世界初の「ホールガーメント(無縫製編み機)」なのである。 例えばファッションのメッカイタリアのニット工場「グランサッシ」を覗いてみるとそこには島精機 の「ホールガーメント(無縫製編み機)」が100台以上もずらりと並んでいた。このマシンがなければす ばらしいニット製品は作れないと言わしめているのだ。有名ブランドのベネトン、プラダ、グッチな どもこぞって島精機のマシンを導入している。 2015年11月、ミラノでの展示会（ITOMA 2015:4年に1回開催の国際繊維機械展）に島社長の姿があった。 この晴れ舞台で島社長は新機種をお披露目した。仕上がり時間はもう4分の1に短縮されていた。しかも そのマシンは複雑な形状のドレスまでをも編めるようになっていた。島精機のブースには大勢の人が群 がり、大絶賛を浴びていた。 【４】試作一回ぽっきりで市場に投入可能！ 国内のニット工場はピーク時の6分の1にまで減少してしまっている。それだけ海外にシフトされ、廃業 に追い込まれた工場も多いと言うことだ。 島社長のモットーは、「世の中にない新しい物を作る」ことだ。ファッションの世界に更なる革命を起 こす可能性を秘めたマシンが「デザインシステム」と呼ばれるものだ。デザインするとき糸の種類や網 目、模様、色などを画面上で細かく選択できる。デザインと同時に編み方を「ホールガーメント(無縫製 編み機)」に指示できるプログラミングまで決めることができるようになっているからすごい。 設計したデザインをUSBメモリーにコピーしてニットメーカーに送り、そのメモリーを「ホールガーメン ト(無縫製編み機)」に差し込んでスイッチを押せば瞬く間に試作品が出来上がる。デザイン先と工場が 何度もキャッチボールをして試作を繰り返す必要はなくなった。試作一回ポッキリですばやく市場に投 入することができるのである。 【５】賢人から学ぶべきこと！ 78歳の島　正博社長は「若者は早く現場に出なさい」とアドバイスを贈っている。 母の内職の手袋編みを観察し、苦労している姿を見てもっと効率よくできないかと考えた。いっそ、手 袋を全自動で編んでしまおうと考えた。寝ても覚めてもアイディアを考えた。いつしか夢の中でまでア イディアが出てきたとおっしゃる。 設計手法や製図法を学校で習ったわけではないが、生み出したアイディアは常に紙に書きとめて図や絵 にしておく。取材スタッフに机の中から取り出して見せた資料には図や絵がたくさん出てくるのには驚 く。 「ホールガーメント(無縫製編み機)」を使っての縫い目のないニットやセーターは世界的に見ればまだ たった0.1％に過ぎないと言う。そして島精機の売上の90％は海外での売上だと言う。まだまだ島精機に は伸び代があるのだ。 【６】編集後記 もう直ぐ80歳にならんとする現役の経営者兼開発者がおられること事態驚きだ。 そう言えば日清食品の創業者「安藤百福」氏は確か93歳でお亡くなりになったが生涯現役(会長)だった。 正月休みに2日連続ゴルフを楽しみ、明日から会社と言うその日に亡くなられたと記憶している。このよ うに自分の人生をまっとうできたら本望と言うしかない。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 次回に続く ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 本メールマガジンは「まぐまぐ」と「melma」を通して発行しております。 「まぐまぐ」での登録・退会はこちらから ⇒　http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/melmag.html 「melma」での登録・退会はこちらから ⇒　http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/melmag2.html ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 発行責任者：さいたま市中央区上落合５丁目１９－２９ 　　　　　　　　彩愛コンサルピア代表　下山明央 この記事に関するご感想、ご意見はこちらから　3223898301@jcom.home.ne.jp ************************************************************************* メールマガジン「仕事のできる人の集団作り戦略」好評配信中！登録はこちら ⇒　http://www.melma.com/backnumber_59181/ ブログにも味深い記事を掲載しています。こちらをクリック！ ⇒　http://blog.livedoor.jp/shimo1873/ ⇒　http://blog.goo.ne.jp/saiaiconsul/ *************************************************************************