先日、録画してあった山田洋次監督の映画「東京家族」を見ました。
■あらすじ
「瀬戸内海に浮かぶ小島から、東京へ出た子供たちを訪ねる年老いた両親。
しかし子供たちには既にそれぞれの家庭があり、両親は半ば厄介者のような扱いを受ける。
老夫婦はそれに文句を言うこともなく、東京を巡っていく。帰宅前日、開業医である長男宅で、
突然脳内出血で倒れた老妻は、そのまま亡くなる。残された夫は広島に戻り、葬儀の後、長男から
「東京に出てきて同居しよう」との提案を受けた。
然し、「近所の人の手助けと村の福祉を受けながら独りで暮らして行くから・・・・・と断った。」
(あらすじ:終わり)
哀しくて面白い映画でした。「親子関係とは脆いものだ」という、実は誰もが気づいているテーマを、
叙情的に描いた作品です。この映画の面白いところは、どんな立場の人が見ても、自分の人生を
思い返し“ハッとする”ところだと思います。
親孝行が出来ていない人が見ても、子供と疎遠になった親が見ても、そして現在親と暮らしている
子供が見ても、“ハッとする”ところがあるでしょう。それは、この「親子関係とは脆いものだ」
というテーマが、他
人事ではないなのに、ほとんどの人が敢えてこのテーマに触れないように
しているからかもしれません。
老夫婦の間で印象的な会話が交わされていました。
“欲を言えばキリがねぇが、まぁええほうじゃよ”
“ええほうですとも。よっぽどええほうでさ。私らは幸せでさあ”
これは、実子に冷たくされる自分たちを慰める台詞ではありますが、しかし本心でもあると思います。
彼らは自分たちを「ええほう」だと言ってお互いを慰めているのです。こうした言葉を
(不満をあえて口に出さず)交わせる「夫婦の絆」、そこにはお互いへの慈しみと子供への
思いやりがあるのでしょう。
「老後は家族(子供)と一緒に暮らすのが幸せ」--ー。「この考え方は疑う余地なく正しい」と
思っている人にとって、高齢者の独り暮らしは、孤独で寂然とした老後に映るかもしれません。
年を取って体力が減退すれば、チョッとした段差にもつまずいて転倒したり、足先をぶつけたりと
日常生活の上で怪我するリスクは間違いなく高まります。家族と同居すれば、こういうリスクが
軽くなったり、更には、もっと辛い「孤独」という心のストレスを軽減したりできるかもしれません。
でも現実を見ると、高齢者の独り暮らしは、決して少数派とはいえないのです。
65歳以上の高齢者で配偶者のいない女性(平均寿命の違いから女性の率の方が高い)の割合は55%。
80歳以上になると女性の83%に配偶者がいないとの調査があります。
彼女たちはみな、家族から同居を避けられた「かわいそうな」人たちなのでしょうか?
社会学者の上野千鶴子さんは、明確に「ノー」と否定します。ベストセラーとなった
『おひとりさまの老後』でこう綴っています。「高齢者の独り暮らしを『おさみしいでしょうに』
と言うのは、もうやめにしたほうがよい。とりわけ、本人がそのライフスタイルを選んでいる場合
には、全く余計なお世話というものだ」と。
今は同居しないほうが親子双方にとってラクなようで、経済的に余裕があれば、別居を選択する人
が増えています。
高齢者の「幸福度調査」によると、中途同居では幸福度が低い傾向にあります。
因みに一番低いのは、“たらいまわし同居”です。然も、子世帯が、仕事のある場所を離れられないので、
親たちが呼び寄せられての同居です。幸福度が低いのは、それまで親が住んでいた土地で、
永永と築いてきた人間関係を全て失うのみならず、子世帯の「家風」に合わせなければならないことに
なるからだと言われています。
「男やもめ」の私も、慣れた生活リズムを今更変えるのも嫌だし、やっぱり独り暮らしの方がラク
だと思っています。私に出来ない部分や足りない部分は、第三者にビジネス・ベースで補ってもらって、
心穏やかに勝手気ままな独居老人生活をもう少し楽しんでから、ゆっくりと悠然として、
“ただ今!”と妻のもとへ逝きたいと思っています・・。
きっと“お帰り、遅かったのね!”と言ってくれることでしょう。
前回の「有期
契約労働者の「
家族手当の支給基準」についての話、如何でしたでしょうか。
今回は、「正社員登用制度と雇止め」についての話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○「正社員登用制度と雇止め」
────────────────────────────────
平成25年4月に施行された改正
労働契約法では、有期
労働契約が反復更新されて通算5年
を超えた場合には、無期
労働契約転換申込権が発生するとされています。企業としては
無期転換に関し、どのように対応するかの具体的検討を急いでいることと思いますが、
昨今は人材難を背景に求人を活発化させる企業も増えてきました。
更に「同一労働・同一
賃金」要請の社会的高まりもあり、非正規から正規
労働者への
登用増加などにより、無期転換申込権が発生する前に人材を判別したいと考える企業も
増加してきています。
これに関し、厚生労働省の資料「
労働契約法に係る質疑応答」には、以下のような
質疑応答が掲載されています。
■問:通算
契約期間が5年を超える前に能力判断の為に試験を行い、試験に合格した者は
正社員とし、不合格の者は5年までに雇止めすることは可能か。
■答:社内でそのような正社員登用制度を設けることは禁止されない。なお、紛争防止
の観点からは、
契約締結時等において、
労働者に対してそのような制度が設けられて
いる旨を十分に説明することが望ましい。
正社員登用制度のような制度を設けることで、すべてが解決されるわけではありませんが、
このような制度を設けて、しっかりと運用することで、
労働者としては
モチベーションが
アップし、会社としても必要人材を見分ける意識が高まることになるかと思います。
そのため、一つの選択肢として検討する余地があるのではないでしょうか。
なお、改正
パートタイム労働法では、「
パートタイム労働者を雇い入れたときの事業主
による説明義務」が新設されており、正社員転換推進措置についても説明の必要性が
出てきています。この観点からも、正社員登用制度の導入も一考に値するかも知れません。
ご質問等がある場合は、弊事務所にご照会下さい。
ご質問いただいた内容については、メールマガジンを通してご回答させて頂きます。
ご質問・ご意見は
info@node-office.comからどうぞ。
当事務所のホームページを更新しております。
ご興味のある方は、
http://www.node-office.com/index/index.html
または、
http://www.humansource.co.jp/ へどうぞ
当事務所所長 野手 茂 著の「サラリーマン講座
退職金・年金編」が 文芸社
より、全国書店、ネット書店で販売中です。
先日、録画してあった山田洋次監督の映画「東京家族」を見ました。
■あらすじ
「瀬戸内海に浮かぶ小島から、東京へ出た子供たちを訪ねる年老いた両親。
しかし子供たちには既にそれぞれの家庭があり、両親は半ば厄介者のような扱いを受ける。
老夫婦はそれに文句を言うこともなく、東京を巡っていく。帰宅前日、開業医である長男宅で、
突然脳内出血で倒れた老妻は、そのまま亡くなる。残された夫は広島に戻り、葬儀の後、長男から
「東京に出てきて同居しよう」との提案を受けた。
然し、「近所の人の手助けと村の福祉を受けながら独りで暮らして行くから・・・・・と断った。」
(あらすじ:終わり)
哀しくて面白い映画でした。「親子関係とは脆いものだ」という、実は誰もが気づいているテーマを、
叙情的に描いた作品です。この映画の面白いところは、どんな立場の人が見ても、自分の人生を
思い返し“ハッとする”ところだと思います。
親孝行が出来ていない人が見ても、子供と疎遠になった親が見ても、そして現在親と暮らしている
子供が見ても、“ハッとする”ところがあるでしょう。それは、この「親子関係とは脆いものだ」
というテーマが、他人事ではないなのに、ほとんどの人が敢えてこのテーマに触れないように
しているからかもしれません。
老夫婦の間で印象的な会話が交わされていました。
“欲を言えばキリがねぇが、まぁええほうじゃよ”
“ええほうですとも。よっぽどええほうでさ。私らは幸せでさあ”
これは、実子に冷たくされる自分たちを慰める台詞ではありますが、しかし本心でもあると思います。
彼らは自分たちを「ええほう」だと言ってお互いを慰めているのです。こうした言葉を
(不満をあえて口に出さず)交わせる「夫婦の絆」、そこにはお互いへの慈しみと子供への
思いやりがあるのでしょう。
「老後は家族(子供)と一緒に暮らすのが幸せ」--ー。「この考え方は疑う余地なく正しい」と
思っている人にとって、高齢者の独り暮らしは、孤独で寂然とした老後に映るかもしれません。
年を取って体力が減退すれば、チョッとした段差にもつまずいて転倒したり、足先をぶつけたりと
日常生活の上で怪我するリスクは間違いなく高まります。家族と同居すれば、こういうリスクが
軽くなったり、更には、もっと辛い「孤独」という心のストレスを軽減したりできるかもしれません。
でも現実を見ると、高齢者の独り暮らしは、決して少数派とはいえないのです。
65歳以上の高齢者で配偶者のいない女性(平均寿命の違いから女性の率の方が高い)の割合は55%。
80歳以上になると女性の83%に配偶者がいないとの調査があります。
彼女たちはみな、家族から同居を避けられた「かわいそうな」人たちなのでしょうか?
社会学者の上野千鶴子さんは、明確に「ノー」と否定します。ベストセラーとなった
『おひとりさまの老後』でこう綴っています。「高齢者の独り暮らしを『おさみしいでしょうに』
と言うのは、もうやめにしたほうがよい。とりわけ、本人がそのライフスタイルを選んでいる場合
には、全く余計なお世話というものだ」と。
今は同居しないほうが親子双方にとってラクなようで、経済的に余裕があれば、別居を選択する人
が増えています。
高齢者の「幸福度調査」によると、中途同居では幸福度が低い傾向にあります。
因みに一番低いのは、“たらいまわし同居”です。然も、子世帯が、仕事のある場所を離れられないので、
親たちが呼び寄せられての同居です。幸福度が低いのは、それまで親が住んでいた土地で、
永永と築いてきた人間関係を全て失うのみならず、子世帯の「家風」に合わせなければならないことに
なるからだと言われています。
「男やもめ」の私も、慣れた生活リズムを今更変えるのも嫌だし、やっぱり独り暮らしの方がラク
だと思っています。私に出来ない部分や足りない部分は、第三者にビジネス・ベースで補ってもらって、
心穏やかに勝手気ままな独居老人生活をもう少し楽しんでから、ゆっくりと悠然として、
“ただ今!”と妻のもとへ逝きたいと思っています・・。
きっと“お帰り、遅かったのね!”と言ってくれることでしょう。
前回の「有期契約労働者の「家族手当の支給基準」についての話、如何でしたでしょうか。
今回は、「正社員登用制度と雇止め」についての話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○「正社員登用制度と雇止め」
────────────────────────────────
平成25年4月に施行された改正労働契約法では、有期労働契約が反復更新されて通算5年
を超えた場合には、無期労働契約転換申込権が発生するとされています。企業としては
無期転換に関し、どのように対応するかの具体的検討を急いでいることと思いますが、
昨今は人材難を背景に求人を活発化させる企業も増えてきました。
更に「同一労働・同一賃金」要請の社会的高まりもあり、非正規から正規労働者への
登用増加などにより、無期転換申込権が発生する前に人材を判別したいと考える企業も
増加してきています。
これに関し、厚生労働省の資料「労働契約法に係る質疑応答」には、以下のような
質疑応答が掲載されています。
■問:通算契約期間が5年を超える前に能力判断の為に試験を行い、試験に合格した者は
正社員とし、不合格の者は5年までに雇止めすることは可能か。
■答:社内でそのような正社員登用制度を設けることは禁止されない。なお、紛争防止
の観点からは、契約締結時等において、労働者に対してそのような制度が設けられて
いる旨を十分に説明することが望ましい。
正社員登用制度のような制度を設けることで、すべてが解決されるわけではありませんが、
このような制度を設けて、しっかりと運用することで、労働者としてはモチベーションが
アップし、会社としても必要人材を見分ける意識が高まることになるかと思います。
そのため、一つの選択肢として検討する余地があるのではないでしょうか。
なお、改正パートタイム労働法では、「パートタイム労働者を雇い入れたときの事業主
による説明義務」が新設されており、正社員転換推進措置についても説明の必要性が
出てきています。この観点からも、正社員登用制度の導入も一考に値するかも知れません。
ご質問等がある場合は、弊事務所にご照会下さい。
ご質問いただいた内容については、メールマガジンを通してご回答させて頂きます。
ご質問・ご意見は
info@node-office.comからどうぞ。
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ご興味のある方は、
http://www.node-office.com/index/index.html
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