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コラムの泉

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『組織の活性化』って、『職場が毎日バカ騒ぎ』ってことですか?

・「全員のモチベーション底上げ」とは異なる活性化方法とは?
・たまに、ワイワイ、ガヤガヤして、組織の一体感を高めよう?
・「組織の活性化」に対する「抵抗感」とは?

総務の森』コラムをご覧のみなさま

こんにちは! 合同会社5W1Hの高野潤一郎と申します。

プロフィールとバックナンバーは、こちらからご覧いただけます。
http://www.soumunomori.com/profile/uid-97755/


本コラムでは、弊社配信の無料ニューズレター第193号(2016年10
月11日配信)で公開した記事の一部をシェア差し上げます。
今回のタイトルに興味をお持ちいただけた方は、是非、お役立てく
ださい。

<以下、抜粋記事となります。その旨、予めご了承くださいませ。
 なお、『全文』は、『後述のリンク先』より、無料で、何の登録
 手続きもなく、ご覧いただけますので、ご安心ください。>

============================================================

(前略)

私たちはお互いに、「こう言えば、相手はわかってくれているだろ
う」と期待し、そう思い込んでいるために、「『丁寧な確認』を怠
ったコミュニケーション」を繰り返してしまいがちです。

これに関して、Facebookページでは以前、下記のような投稿をして
いました。

------------------------------------------------------------
(前略)無意識のうちに、「仕事仲間は、自分と同じ程度の理解力
を持っているはずだ(持っていなくてはならない)」「こう言えば
わかって、思った通りに動いてくれるだろう」と考えて、『自己満
足的なコミュニケーション』を行っているのであって、(知識、経
験、理解力などを反映した)「『相手の視点』に立ったコミュニケ
ーション」を行うのに慣れていないということです。

こういう場合に、「とってもありがたい!」なのは、「『ここがわ
からない』と言ってくれる人がいること」です。 もうひとつ加え
て言うならば、「『わからない』と言える文化を、意識的につくり
出している組織であること」です。(後略)

[ 出典:「物分かりが悪い」は、「コーチとしての強み」です!
http://ow.ly/YFyg3053RUB ]
------------------------------------------------------------

今回は、この辺りの話の例として、よく見聞きする『組織の活性化』
について取り上げてみようと思います。

…研究開発や製造の部門が主力の某企業で実施した「フレームワー
ク質問力」研修で用いたアプローチの一部をシェアいたします。 
研修担当者いわく…「人文科学や社会科学を専門とするコンサルタ
ント・講師・コーチが多い『人財育成・組織開発の分野』で、自然
科学をバックグラウンドに持つ高野さんならではの話が、とても好
評でした。」とのことでした。


■「イベント」が多くて、「知り合い・友達」が増えたら、組織の
 活性化ですか?

「個々人が黙々と作業をこなすのではなく、もっと話し合いましょ
う!」という発想をする方の背景にあるのは、例えば、「異分野の
人どうしが議論を交わす頻度や量が増えれば、新事業の創出や技術
的なブレイクスルーにつながりやすくなる」という「業績向上に向
けた先行投資」への関心なのかもしれませんし…

「何となく元氣がないから、元氣を出そう!」という発想をする方
の背景にあるのは、例えば、「心地よい環境で仕事をしたい」とい
う「働き方の改善」への関心なのかもしれませんし………いろいろ
な方が、それぞれの視点に立って、異なる「組織の活性化」をイメ
ージされています。

「組織の活性化」と言っても、実は、このように、「組織が活性化
した状態のイメージ」もバラバラであれば、「『組織を活性化させ
る』という『手段』の先にある『目的』が明確化されていない」こ
とがほとんどです。 (場合によっては、何かの「手段」を採用
た結果、「副次的に実現される状態」が「活性化された組織」なの
かもしれません。)

「組織を活性化させるにはどうすればよいか?」について検討され、
取り組まれている経営者や人財部門担当者は、少なくないようです。
 しかし残念なことに、いきなり「どういった取り組みが効果的か?
」という「How」の話ばかりをしてしまっているために、ほとんど
の議論や取り組みが結実しないままで終わってしまっています。

------------------------------------------------------------

●「組織活性化」についての対話を促す質問の例

・何がきっかけで、組織を活性化させたいと思ったのか? 組織が
活性化すると、どんな望ましい変化があると期待しているのか?

・「個々人の活性化」(…個々人が元氣でイキイキしているなど)
と「組織の活性化」は、何がどう違うのか? そして、それらの間
にはどんな関係がありそうなのか?

・「活性化」したら「業績が上がる」という裏付けはあるのか?
それとも、業績向上以外のところ(…例えば、同じ働くのであれば、
楽しい職場がよいなど)を目指しているのか?

・あなたが言っている「組織の活性化」は、「目的」なのか、「手
段」なのか「結果」なのか、「その他のもの」なのか?

・何を見たり、聴いたり、計測したりすることで、活性化できたこ
とがわかるのか?(出退社時の笑顔発生比率、単位期間あたりの新
プロジェクト数、関係者の平均コルチゾール値…etc.)

------------------------------------------------------------

「『組織活性化』についての対話を促す質問の例」に挙げたような
質問を投げ掛けても、「自社独自の議論がなされていない」ために、
まともに答えることができないという状況では、「中長期に続く、
望ましい本質的な変化」をもたらすことは期待できません。

「何となく、他社のベスト・プラクティスを表面的に真似してみよ
う!」ということを繰り返し、「費用や時間や労力を割いたものの、
望ましい成果が得られず」に終わり、「やっぱり、ウチの会社って
ダメなのかもね…」といった形で「無能力感を学習する」のは、も
う卒業しませんか?


■例えば、「活性化エネルギー」と「触媒」の切り口から考慮する
 と…?

「研究開発や製造の部門が主力」の某企業で行った研修では、各自
のリアル課題を扱う演習の中で、下記のようなテーマも扱いました。

------------------------------------------------------------
経営企画の方が、「経営陣・人財育成部門から、全社員向けに『組
織を活性化していこう!』という呼びかけ」を行っても、研究開発
や製造の部門の人々からは、「それって『大して中身のないイベン
トを実施して、たまに、ワイワイ、ガヤガヤすることで、組織の一
体感を高めよう』っていう、『長期安定雇用が前提の、伝統的な日
本企業』のアプローチの復刻版じゃないのか?」といった「冷めた
反応」を示す人々が多くて困っています。
------------------------------------------------------------

この企業の場合、研修で上記のようなテーマを扱うことは、「面倒
くさい」というよりも、むしろ、「研究や製造の現場のことをよく
知らない経営陣・人財育成部門、営業などの他部門の人たちと話し
合える機会(ある意味、公式の場で反論するチャンス)だ!」と
「好意的に受け止めて」いただけました。

その時の演習では、研修で学んだ「フレームワーク質問力」を用い
て、製造部門の方が経営企画の方に「『組織活性化』についての対
話を促す質問の例」なども用いつつ、彼らの「意図や目的」につい
て理解を深めようと働き掛けました。

製造部門の方は当初、「組織活性化に向けたさまざまな取り組みは、
結局、『ガス抜き』や『氣分転換』程度の役割しか果たさないので
はないか?」という考えをお持ちだったのですが、しっかりと話を
聴くにつれ、経営企画の方が「会社の生き残りに向けた、危機感を
持った重要施策」だという考えをお持ちだったことに氣づき、もう
少し真剣に「組織の活性化」について考えてみてもいいのかもしれ
ないと意識が変わっていきました。

しかし、そうは言っても「共通する『組織活性化』のヴィジョン」
や「共通する言語」もなく、「抽象的で概念的な内容」や「散発的
なイベントや思いつきのルール」について話していても埒(らち)が
明かないので、私の方から「活性化エネルギー」(図1)と「触媒」
(図2)についての話を提供し、これらの視点に立って「組織の活
性化」についての対話を進めていただく方針を取りました。

今回は、少しでもこのときの雰囲氣が伝わればと思い、対話を深め
ていく際に行ったファシリテーションの一部(高野が話した内容の
抜粋)を、下記二重線内で紹介いたします。

         ↓ ↓ ここから ↓ ↓
==============================
(前略)「活性化」という表現は、抽象度が高い概念的な言葉であ
るため、関係者のみなさんで連想する事柄がバラバラになりがちで
す。 

「どんな状態を指して言っているのか」について、本当は明確にな
っていないにもかかわらず、お互いに「わかったつもり」で話をし
てしまいがちです。 改めて考えると、「活性化」って何なんでし
ょうね。

記憶している限り、私が初めて「活性化」という言葉に出会ったの
は、中学生くらいの頃に教わった「活性化エネルギー」だったので
はないかと思います。 みなさん、「活性化エネルギー」って覚え
ていらっしゃいますか? (この後、図1の解説)

図1:活性化エネルギー(Activation Energy)とは?

エネルギーの高い、(B)の遷移状態では、反応中間体として、ラ
ジカル(※)が生じる場合があります。 ご存知の通り、ラジカル
は不安定な状態にあって、早く他の分子と新たなつながりをつくっ
て、安定したいため、周囲の分子と化学反応を起こして早く落ち着
きたい!と、そわそわ、せかせかしています。

研究や製造に携わられている方が、「組織を活性化しよう!」と言
われて違和感を覚えるのは、「(ラジカルのように)活性化してい
て、不安定な状態になれ!」と言われているように感じるからかも
しれませんね。

もちろん、経営企画の方がおっしゃっている「組織の活性化」とい
うのは、やたらエネルギーだけ高くて落ち着きのない「ラジカルを
増やそう」という取り組みではありません。

これまでは、「(C)の『終状態』について触れることなく、(表
現は「ワクワク」だとか「イキイキ」だとかいろいろありましたが)
ただただ『活性化』してエネルギーを高めることを目指す!という
方向で話を進めておられた」ので、研究や製造に携わっておられる
みなさんが誤解されていたという側面はないでしょうか? 経営企
画の方、この図を見て、改めてどんなことに氣づいたり感じたりさ
れますか?

※ラジカル(radical;遊離基)
 不対電子を持つ分子種のこと。 ラジカルは、普通の分子より激
 しい反応性を持っていて、すぐに他の分子と化学反応を起こすた
 め、一般に、寿命が短い。

(中略)どうやら、「『組織の活性化』に対する『抵抗感』」が薄
れてきたようですね(笑)。

さて、続けて「化学反応」、すなわち、「仕事仲間と相乗効果を起
こすプロセス」について考えていきましょう。 化学反応が生じる
には、まず、分子などが出会わなければなりません。 そして、た
だ単に出会うだけではなく、出会う前の分子を構成していた結合を
切って、新たな結合を形成するためのエネルギーが必要となります。

つまり、「出会うためのエネルギー」だけではなく、分子などが
「それまでの在り方」から「新しい在り方」に変容するのに充分な
エネルギー(分子のつながりを切ったり、再編成したりするエネル
ギー)を持っていないと、化学反応は生じないということです。
ここで、「活性化エネルギー」や「化学反応」と関係の深い「触媒」
についても図2で見てみましょう。 (この後、図2の解説)

図2:触媒(Catalyst)とは?

「すべての分子が持つエネルギーの平均値を底上げする」のと異な
り、「現状のエネルギー(仕事への取組み意欲、モチベーション
のままであっても、(T)の遷移状態を超えて(G)の終状態に進
む『活性化エネルギーを低くする』=『今までと異なる道筋を見出
す手伝いをする』こと」で、「多くの分子が速く化学反応を起こす
のを手伝う」のが「触媒」の役割です。

今度は、みなさんの職場で、「どなたが、どんな場面で、どんな形
で、触媒としての役割を果たす」ことが、組織の活性化を実現する
うえで重要なのか?について、今回みなさんに学んでいただいてい
る『フレームワーク質問力』の内容を踏まえて、話し合ってみてく
ださい。 (後略)

※参考情報
「組織の活性化」の話と関連が深いと思われる「自律型組織」につ
いては、人事向け総合メディアの「@人事」様で2016年10月11日に
公開になった下記の記事をご参照ください。
・自律型組織=「主体的に考える社員群」+「迅速に動ける仕組み」
+「対話・協働を促す文化」https://at-jinji.jp/expertcolumn/22
==============================
         ↑ ↑ ここまで ↑ ↑

さて今回は、「私たちは『丁寧な確認』を怠ったコミュニケーショ
ンを繰り返してしまいがち」だという問題意識から、「なかなか
『自社独自の議論』がなされていない『組織の活性化』」について
取り上げました。 

そして、研究や製造に携わっておられる方に馴染み深い、「活性化
エネルギー」や「触媒」といった視点に基づき、「組織の活性化」
についてのヴィジョンを共有する対話を進めていった事例を紹介い
たしました。 

(後略)

============================================================

冒頭でご案内差し上げましたように、本記事の『全文』は、下記よ
りご覧いただけます。上記抜粋記事をご覧になった上で、詳細につ
いてお知りになりたい方は、是非ご活用くださいませ。

●ニューズレター第193号
『組織の活性化』って、『職場が毎日バカ騒ぎ』ってことですか?
 → http://5w1h.hatenablog.jp/entry/193(ブログ版)
 → http://www.5w1h.co.jp/newsletter/no193.pdf(PDF版)
============================================================
出典を明記していただき、『著作権法』で認められる『引用』の
範囲を超えなければ、許可なしで部分引用可能です。
また、内容を改変せず、元のままの形(あるいは上記リンク先)
であれば、お知り合いなどに転送していただいて構いません。
============================================================


以上、何か少しでも、『総務の森』コラムをご覧のみなさまの
お役に立てることがあれば幸いです。

お忙しいところ、目を通していただき、ありがとうございました!

               高野潤一郎@合同会社5W1H

P.S.1
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