こんにちは。
社会保険労務士の田中です。
このコラムでも度々、伝えていますが、いよいよ
2020年6月から「
パワハラ防止法」が大企業に適用されます。
(正しくは『労働施策の総合的な推進並びに
労働者の
雇用の安定及び
職業生活の充実等に関する法律』)
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「
総務の森」コラムとは異なる内容で情報発信しています。
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【 法律によって研修の実施が求められています 】
同法第30条の3(国、事業主及び
労働者の責務)第2項に
事業主の責務として次のように定められています。
「事業主は、優越的言動問題に対するその
雇用する
労働者の関心と理解を
深めるとともに、当該
労働者が他の
労働者に対する言動に必要な
注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか(後略)」
一読するだけでは分かりにくいのですが、つまり、会社としては
パワーハラスメントに関する研修を行う必要があるという事です。
さて研修を「誰が」「どのように」行うか?という事になります。
まず「外部委託」があります。
社会保険労務士の私も行っています。
全部お任せで楽ですが、
費用がかかります。
そこで「社内講師」という選択もあります。
今回は社内で「
パワハラ防止セミナー」を実施する手順をお伝えします。
【 無料コンテンツを最大限に活用する】
厚労省の「あかるい職場応援団」というサイトがあります。↓
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/
ハラスメント対策のサイトですが、かなり充実しています。
ここにある資料を上手に活用すれば、無料でしっかりとした
社内研修を実施することができます。
以下、同サイトのコンテンツを見ていきます。
まず、「ハラスメント関係資料ダウンロード」があります。↓
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/jinji/download/
ここにパワーポイントでの研修資料があります。
そして親切にも研修のタイムテーブルもついています。
管理職向け、
従業員向けの2種類があるので、
メインテキストはこれを使うと良いでしょう。
「動画で学ぶハラスメント」もあります。↓
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/movie/index
前述のパワーポイントを使っての講師の説明だけでは
飽きてしまうおそれもあるので、変化を持たせる意味でも
動画を2~3本、視聴してもらっても良いでしょう。
30本以上の動画があります。
この動画と前述のパワーポイントのスライドを組み合わせて、
60分~90分位の研修に仕立てるのが良いでしょう。
さらに「パワーハラスメントオンライン研修講座」もあります。↓
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/learning/
ただし、
従業員に視聴を委ねてしまうと、
「本当に見たの?」という事もあります。
私はセミナーの
補助的な位置付けで良いと思います。
さらに、もう少し時間があるならば、
グループごとにハラスメントについての討議、発表をすると
より理解が深まるでしょう。(皆が集まった事も有意義になります。)
【 社内講師としての準備 】
私も多様なテーマでセミナーを行ってきましたが、
次の点が研修(セミナー)実施のポイント(負荷)だと思います。
1 分かりやすいレジュメを作り、説得力のある資料を準備する。
2 話すときはテーマごとに、きちんと時間配分する。
3 聴きやすい話し方を心掛ける。(ゆっくり、はっきり)
4 本番の時間通りに、事前リハーサルを行う。
5 セミナーが終わったら質疑応答をしっかりと行う。
社内講師として研修を実施する際に、
「明るい職場応援団」のコンテンツを活用するなら、
上記の「1」はクリアーとなります。
実はレジュメ作成には相当の時間がかかるので、
これが無くなるだけで負担はぐっと少なくなります。
「4」の事前リハーサルは必ず行ってください。
自信が無い時は2~3回は行うと良いでしょう。
セミナーはその実施時間の5~10倍の準備時間が必要です。
いかに良い準備をするかでセミナーの水準が決まります。
そして「5」の質疑応答はその場で答えられなくても構いません。
その場合は、調べて追って回答する、という事にしてください。
大切なのは「聴き手の疑問にきちんと向き合う」事だと思います。
【 トップメッセージがあれば研修は完璧 】
冒頭に社長から「ハラスメントは行ってはならない」という
会社としての方針を強く発信してもらえれば、研修の価値は
さらに高まります。
また、「
パワハラ防止指針」でも事業主には
「
パワハラに関する方針の明確化、その方針の周知・啓発」
が求められています。これに合致することにもなります。
【 ご参考:私が実施するセミナーで付け加える2点 】
ここまでの内容で充実した
パワハラセミナーはできますが、
ご参考までに私が行う時に付け加える2点もお伝えします
1 裁判例
損害賠償を求められ、会社だけではなく行為者自身も
支払いを求められたケースを中心にお話しします。
金銭的リスクを知る事が抑止力にもなります。
2 事例
実際に見聞きした事例を一般化した上で
(個別案件が特定できないように)話します。
インパクトもあり、現実感を持って受け止めてくれるようです。
皆様の会社での研修が成功することを祈っております。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(2020.04.07)
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田中事務所 特定
社会保険労務士 田中理文
何でも相談できる、何度も相談できる。1年だけの
契約もOK
月額30,000円(
消費税別)~ の、
人事・
労務コンシェルジュ
http://www.tanakajimusho.biz/jinjiroumusoudan
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こんにちは。社会保険労務士の田中です。
このコラムでも度々、伝えていますが、いよいよ
2020年6月から「パワハラ防止法」が大企業に適用されます。
(正しくは『労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び
職業生活の充実等に関する法律』)
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【 法律によって研修の実施が求められています 】
同法第30条の3(国、事業主及び労働者の責務)第2項に
事業主の責務として次のように定められています。
「事業主は、優越的言動問題に対するその雇用する労働者の関心と理解を
深めるとともに、当該労働者が他の労働者に対する言動に必要な
注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか(後略)」
一読するだけでは分かりにくいのですが、つまり、会社としては
パワーハラスメントに関する研修を行う必要があるという事です。
さて研修を「誰が」「どのように」行うか?という事になります。
まず「外部委託」があります。社会保険労務士の私も行っています。
全部お任せで楽ですが、費用がかかります。
そこで「社内講師」という選択もあります。
今回は社内で「パワハラ防止セミナー」を実施する手順をお伝えします。
【 無料コンテンツを最大限に活用する】
厚労省の「あかるい職場応援団」というサイトがあります。↓
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/
ハラスメント対策のサイトですが、かなり充実しています。
ここにある資料を上手に活用すれば、無料でしっかりとした
社内研修を実施することができます。
以下、同サイトのコンテンツを見ていきます。
まず、「ハラスメント関係資料ダウンロード」があります。↓
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/jinji/download/
ここにパワーポイントでの研修資料があります。
そして親切にも研修のタイムテーブルもついています。
管理職向け、従業員向けの2種類があるので、
メインテキストはこれを使うと良いでしょう。
「動画で学ぶハラスメント」もあります。↓
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/movie/index
前述のパワーポイントを使っての講師の説明だけでは
飽きてしまうおそれもあるので、変化を持たせる意味でも
動画を2~3本、視聴してもらっても良いでしょう。
30本以上の動画があります。
この動画と前述のパワーポイントのスライドを組み合わせて、
60分~90分位の研修に仕立てるのが良いでしょう。
さらに「パワーハラスメントオンライン研修講座」もあります。↓
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/learning/
ただし、従業員に視聴を委ねてしまうと、
「本当に見たの?」という事もあります。
私はセミナーの補助的な位置付けで良いと思います。
さらに、もう少し時間があるならば、
グループごとにハラスメントについての討議、発表をすると
より理解が深まるでしょう。(皆が集まった事も有意義になります。)
【 社内講師としての準備 】
私も多様なテーマでセミナーを行ってきましたが、
次の点が研修(セミナー)実施のポイント(負荷)だと思います。
1 分かりやすいレジュメを作り、説得力のある資料を準備する。
2 話すときはテーマごとに、きちんと時間配分する。
3 聴きやすい話し方を心掛ける。(ゆっくり、はっきり)
4 本番の時間通りに、事前リハーサルを行う。
5 セミナーが終わったら質疑応答をしっかりと行う。
社内講師として研修を実施する際に、
「明るい職場応援団」のコンテンツを活用するなら、
上記の「1」はクリアーとなります。
実はレジュメ作成には相当の時間がかかるので、
これが無くなるだけで負担はぐっと少なくなります。
「4」の事前リハーサルは必ず行ってください。
自信が無い時は2~3回は行うと良いでしょう。
セミナーはその実施時間の5~10倍の準備時間が必要です。
いかに良い準備をするかでセミナーの水準が決まります。
そして「5」の質疑応答はその場で答えられなくても構いません。
その場合は、調べて追って回答する、という事にしてください。
大切なのは「聴き手の疑問にきちんと向き合う」事だと思います。
【 トップメッセージがあれば研修は完璧 】
冒頭に社長から「ハラスメントは行ってはならない」という
会社としての方針を強く発信してもらえれば、研修の価値は
さらに高まります。
また、「パワハラ防止指針」でも事業主には
「パワハラに関する方針の明確化、その方針の周知・啓発」
が求められています。これに合致することにもなります。
【 ご参考:私が実施するセミナーで付け加える2点 】
ここまでの内容で充実したパワハラセミナーはできますが、
ご参考までに私が行う時に付け加える2点もお伝えします
1 裁判例
損害賠償を求められ、会社だけではなく行為者自身も
支払いを求められたケースを中心にお話しします。
金銭的リスクを知る事が抑止力にもなります。
2 事例
実際に見聞きした事例を一般化した上で
(個別案件が特定できないように)話します。
インパクトもあり、現実感を持って受け止めてくれるようです。
皆様の会社での研修が成功することを祈っております。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(2020.04.07)
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田中事務所 特定社会保険労務士 田中理文
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