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■
行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第104号/2007/5/15>■
1.はじめに
2.「
会社法務編/中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(48)」
3.「市
民法務編/ビジネスに役立つ“
民法”の基礎(31)」
4.編集後記
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1.はじめに
**********************************************************************
皆様、こんにちは。
行政書士の津留信康です。
先日、遅ればせながら、
NYヤンキース・松井秀喜選手著の「不動心(新潮新書)」を読みました。
日本を代表する超一流プレイヤー・松井選手の才能・実績に関しては、
私のような凡人では、いくら望んでも、とても真似などできませんが、
「いかなる場合でも、万全の準備を怠らないこと」、
「失敗や挫折に直面した時の心の持ちよう・その克服方法」・・・などなど、
見習うべきところは、多々あるようです。
ご興味のある方は、
「こちら(
http://www.shinchosha.co.jp/wadainohon/610201/)」をご覧ください。
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「
会社法務編―中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(48)」
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★「2007/4/15発行の第102号」より、
「平成18年度以前の
司法書士試験問題」の解説を通じて、
“
会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第3回目は、「
株主総会」に関する問題です。
※)法改正等に応じて、
問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■
株主総会に関する次の1~5の記述のうち、
正しいものはどれか(H16-
商法・
会社法)。
1.
株主数が1,000人以上の
株式会社においては、
原則として、
書面による議決権行使を、
株主に認めなければならない。
□正解: ○
□解説
会社法第298条第1項第3号・第2項本文を参照のこと。
2.
株式会社は、
株主総会において
議決権を行使することができる事項について、
内容の異なる2種類以上の株式を発行することができない。
□正解: ×
□解説
設問肢のような株式の発行は、可能です(
会社法第108条第1項第3号)。
3.
株主総会の決議の内容が、法令または
定款に違反する場合には、
その決議は無効である。
□正解: ×
□解説
株主総会の決議内容が、法令に違反する場合には、
その決議が無効であることの確認を、
訴えをもって請求することができます(
会社法第830条第2項)。
一方、
株主総会の決議内容が、
定款に違反する場合には、
その決議の取消しを、
訴えをもって請求することができます(同法第831条第1項第2号)。
4.6ヶ月前から継続して総
株主の
議決権の100分の3以上を有する
株主が、
株主総会の
招集を請求した場合において、
その請求の日から8週間以内の日を会日とする
株主総会
の
招集がなされないときは、
当該
株主は、裁判所の許可を得て、自ら
株主総会を
招集することができる。
□正解: ○
□解説
会社法第297条第1項・第4項第2号を参照のこと。
5.
株主総会の議事については、議事録を作成しなければならない。
□正解: ○
□解説
会社法第318条第1項を参照のこと。
★次号(2007/6/1発行予定の第105号)では、
「
株式会社の
役員」について、ご紹介する予定です。
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3.「市
民法務編―ビジネスに役立つ“
民法”の基礎(31)」
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★本号から、「平成18年度
司法書士試験問題」の解説を通じて、
民法各編についての理解を深めていただきますが、
第1回目は、「第4編 親族」に関する問題です。
※)実際の問題は、組み合わせ問題ですが、
便宜上、単純な正誤問題に変更しているため、
設問肢を一部変更している場合がありますので、ご了承ください。
■
嫡出子に関する次の1~5の記述のうち、
判例の趣旨に照らし、誤っているものはどれか(午前-第21問)。
1.
嫡出子である子との間の親子関係を夫が否定するための訴えには、
「
嫡出否認の訴え」と「親子関係不存在確認の訴え」がある。
□正解: ○
□解説
嫡出子である子との間の親子関係を夫が否定するためには、
嫡出推定を受ける子の場合には、「
嫡出否認の訴え(
民法第775条)」、
嫡出推定を受けない子の場合には、「親子関係不存在確認の訴え」、
によって、それぞれ行います。
参考)
家庭裁判所の
調停手続き
1.
嫡出否認
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_07_15.html
2.親子関係不存在確認
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_07_16.html
2.
内縁関係の継続中にその夫によって懐胎し、
婚姻成立後200日以内に出生した子は、
嫡出子たる身分を有することになる。
□正解: ○
□解説
民法第772条第2項の規定にかかわらず、
判例(大判.S15.1.23)は、
設問肢のような場合でも、子は、
嫡出子たる身分を取得するとしています。
3.
婚姻成立後200日以内に出生した子
との間の父子関係を夫が否定しようとする場合には、
夫は、「
嫡出否認の訴え」を提起する必要がある。
□正解: ×
□解説
判例(※最判.S41.2.15)は、
設問肢のような場合には、「
嫡出否認の訴え」ではなく、
「親子関係不存在確認の訴え」を提起すべきとしています。
※)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=28062&hanreiKbn=01
4.子は
離婚後300日以内に出生したが、
離婚前に3年ほど別居しており、
夫婦としての実態が失われていたような場合、
そのような子との父子関係を夫が否定しようとするときは、
夫は、「親子関係不存在確認の訴え」を提起することができる。
□正解: ○
□解説
判例((※最判.S44.5.29)は、設問肢のような場合には、
「親子関係不存在確認の訴え」を提起すべきとしています。
※)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=27476&hanreiKbn=01
5.夫婦の
婚姻関係が円満に継続していたときに懐胎・出生した子であるが、
当該子の出生後2年が経過した後に夫婦が
離婚し、
その後に、当該子が夫の子ではないことが夫に明らかになったとき、
夫は、「親子関係不存在確認の訴え」を提起することによって、
子との父子関係を否定することができる。
□正解: ×
□解説
設問肢のような場合には、「親子関係不存在確認の訴え」ではなく、
「
嫡出否認の訴え」を提起する必要がありますが、
出訴期間(
民法第777条)を経過しているため、
訴えの提起自体ができません。
■平成18年度
司法書士試験では、他に、
「
準正(第789条/
嫡出でない子に、
嫡出子の身分を取得させる制度)」
について、出題されています。
★次号(2007/6/1発行予定の第105号)では、
「第5編
相続」について、ご紹介する予定です。
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4.編集後記
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★業務のご案内(許認可申請サポート)★
当事務所では、建設業許可・経審・指名願いなど、
営業に関する許認可申請手続きのサポートを行っています。
詳しくは、こちら(※)をご覧ください。
※)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_0b1d_1.html
■第104号は、いかがでしたか?
次号(第105号)は、2007/6/1発行予定です。
■編集責任者:
行政書士 津留信康
□津留
行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
□ご連絡専用アドレス
n-tsuru@mbr.nifty.com
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(
http://www.mag2.com/)」を利用しており、
購読の解除は、「
http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。
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■行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第104号/2007/5/15>■
1.はじめに
2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(48)」
3.「市民法務編/ビジネスに役立つ“民法”の基礎(31)」
4.編集後記
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1.はじめに
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皆様、こんにちは。行政書士の津留信康です。
先日、遅ればせながら、
NYヤンキース・松井秀喜選手著の「不動心(新潮新書)」を読みました。
日本を代表する超一流プレイヤー・松井選手の才能・実績に関しては、
私のような凡人では、いくら望んでも、とても真似などできませんが、
「いかなる場合でも、万全の準備を怠らないこと」、
「失敗や挫折に直面した時の心の持ちよう・その克服方法」・・・などなど、
見習うべきところは、多々あるようです。
ご興味のある方は、
「こちら(
http://www.shinchosha.co.jp/wadainohon/610201/)」をご覧ください。
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「会社法務編―中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(48)」
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★「2007/4/15発行の第102号」より、
「平成18年度以前の司法書士試験問題」の解説を通じて、
“会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第3回目は、「株主総会」に関する問題です。
※)法改正等に応じて、
問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■株主総会に関する次の1~5の記述のうち、
正しいものはどれか(H16-商法・会社法)。
1.株主数が1,000人以上の株式会社においては、
原則として、書面による議決権行使を、株主に認めなければならない。
□正解: ○
□解説
会社法第298条第1項第3号・第2項本文を参照のこと。
2.株式会社は、株主総会において議決権を行使することができる事項について、
内容の異なる2種類以上の株式を発行することができない。
□正解: ×
□解説
設問肢のような株式の発行は、可能です(会社法第108条第1項第3号)。
3.株主総会の決議の内容が、法令または定款に違反する場合には、
その決議は無効である。
□正解: ×
□解説
株主総会の決議内容が、法令に違反する場合には、
その決議が無効であることの確認を、
訴えをもって請求することができます(会社法第830条第2項)。
一方、株主総会の決議内容が、定款に違反する場合には、
その決議の取消しを、
訴えをもって請求することができます(同法第831条第1項第2号)。
4.6ヶ月前から継続して総株主の議決権の100分の3以上を有する株主が、
株主総会の招集を請求した場合において、
その請求の日から8週間以内の日を会日とする株主総会
の招集がなされないときは、
当該株主は、裁判所の許可を得て、自ら株主総会を招集することができる。
□正解: ○
□解説
会社法第297条第1項・第4項第2号を参照のこと。
5.株主総会の議事については、議事録を作成しなければならない。
□正解: ○
□解説
会社法第318条第1項を参照のこと。
★次号(2007/6/1発行予定の第105号)では、
「株式会社の役員」について、ご紹介する予定です。
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3.「市民法務編―ビジネスに役立つ“民法”の基礎(31)」
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★本号から、「平成18年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
民法各編についての理解を深めていただきますが、
第1回目は、「第4編 親族」に関する問題です。
※)実際の問題は、組み合わせ問題ですが、
便宜上、単純な正誤問題に変更しているため、
設問肢を一部変更している場合がありますので、ご了承ください。
■嫡出子に関する次の1~5の記述のうち、
判例の趣旨に照らし、誤っているものはどれか(午前-第21問)。
1.嫡出子である子との間の親子関係を夫が否定するための訴えには、
「嫡出否認の訴え」と「親子関係不存在確認の訴え」がある。
□正解: ○
□解説
嫡出子である子との間の親子関係を夫が否定するためには、
嫡出推定を受ける子の場合には、「嫡出否認の訴え(民法第775条)」、
嫡出推定を受けない子の場合には、「親子関係不存在確認の訴え」、
によって、それぞれ行います。
参考)家庭裁判所の調停手続き
1.嫡出否認
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_07_15.html
2.親子関係不存在確認
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_07_16.html
2.内縁関係の継続中にその夫によって懐胎し、
婚姻成立後200日以内に出生した子は、嫡出子たる身分を有することになる。
□正解: ○
□解説
民法第772条第2項の規定にかかわらず、
判例(大判.S15.1.23)は、
設問肢のような場合でも、子は、嫡出子たる身分を取得するとしています。
3.婚姻成立後200日以内に出生した子
との間の父子関係を夫が否定しようとする場合には、
夫は、「嫡出否認の訴え」を提起する必要がある。
□正解: ×
□解説
判例(※最判.S41.2.15)は、
設問肢のような場合には、「嫡出否認の訴え」ではなく、
「親子関係不存在確認の訴え」を提起すべきとしています。
※)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=28062&hanreiKbn=01
4.子は離婚後300日以内に出生したが、離婚前に3年ほど別居しており、
夫婦としての実態が失われていたような場合、
そのような子との父子関係を夫が否定しようとするときは、
夫は、「親子関係不存在確認の訴え」を提起することができる。
□正解: ○
□解説
判例((※最判.S44.5.29)は、設問肢のような場合には、
「親子関係不存在確認の訴え」を提起すべきとしています。
※)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=27476&hanreiKbn=01
5.夫婦の婚姻関係が円満に継続していたときに懐胎・出生した子であるが、
当該子の出生後2年が経過した後に夫婦が離婚し、
その後に、当該子が夫の子ではないことが夫に明らかになったとき、
夫は、「親子関係不存在確認の訴え」を提起することによって、
子との父子関係を否定することができる。
□正解: ×
□解説
設問肢のような場合には、「親子関係不存在確認の訴え」ではなく、
「嫡出否認の訴え」を提起する必要がありますが、
出訴期間(民法第777条)を経過しているため、
訴えの提起自体ができません。
■平成18年度司法書士試験では、他に、
「準正(第789条/嫡出でない子に、嫡出子の身分を取得させる制度)」
について、出題されています。
★次号(2007/6/1発行予定の第105号)では、
「第5編 相続」について、ご紹介する予定です。
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4.編集後記
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■第104号は、いかがでしたか?
次号(第105号)は、2007/6/1発行予定です。
■編集責任者:行政書士 津留信康
□津留行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
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