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“会社法”等のポイント(59)

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行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第115号/2007/11/1>■
 1.はじめに
 2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(59)」
 3.「市民法務編/ビジネスに役立つ“民法”の基礎(42)」
 4.編集後記
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 1.はじめに
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 こんにちは。行政書士の津留信康です。

 最近の宮崎は、秋の深まりとともに、日に日に“涼しさ”が増し、
日によっては、肌寒さを感じるほどです。
 2007年も残りわずか・・・、年末に向けて、徐々に気忙しくなる季節ですが、
見頃を迎える「紅葉」を楽しむ、“心の余裕”は持っておきたいものですね。
※)2007全国紅葉最前線(社団法人日本観光協会)
  http://kouyou.nihon-kankou.or.jp/

 それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。

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 2.「会社法務編―中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(59)」
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★2007/8/15発行の第110号より、
 「平成19年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
 “会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
 第6回目は、「株式会社の清算」に関する問題です。
  ※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
    ご了承ください。

■清算中の株式会社に関する次の1~5の記述のうち、正しいものはどれか。
1.清算中の株式会社が、清算人会を置く旨の定款の定めを設けるときは、
  併せて監査役を置く旨の定款の定めを設けなければならない。
 □正解: ×
 □解説
  清算株式会社で、監査役の設置義務があるのは、
  清算の開始原因に該当することとなった時において、
  公開会社または大会社であった会社であり(会社法第477条第4項)、
  それ以外の会社では、
  設問肢のような場合であっても、監査役の設置は不要です。
2.解散した時に会社法上の公開会社であった株式会社が、
  清算中に、定款に株式譲渡制限の定めを設けたときには、
  監査役を置く旨の定款の定めを廃止して、
  監査役を置かないものとすることができる。
 □正解: ×
 □解説
  清算の開始原因に該当することとなった時において、
  公開会社または大会社であった清算株式会社には、
  監査役の設置義務があり(会社法第477条第4項)、
  設問肢のような場合であっても、
  監査役を置く旨の定款の定めを廃止して、
  監査役を置かないものとすることはできません。
3.清算中の株式会社は、各清算事務年度に係る貸借対照表および
  事務報告ならびにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
 □正解: ○
 □解説
  「会社法第494条第1項&会社法施行規則第146条・第147条」を参照のこと。
4.大会社である株式会社は、清算中も、
  貸借対照表およびその附属明細書について、
  会計監査人の監査を受けなければならない。
 □正解: ×
 □解説
  清算中の大会社である株式会社には、
  監査役の設置義務があり(会社法第477条第4項)、
  会計監査人を置くことはできませんので、会計監査人の監査は不要です。
5.清算中の株式会社は、債権者に対し、
  2ヶ月以上の一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、
  かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならず、
  この公告を、官報のほか、定款の定めに従って、
  時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法により二重に行っても、
  知れている債権者に対する催告を省略することはできない。
 □正解: ○
 □解説
  清算中の株式会社には、
  設問肢前段のような義務があります(会社法第499条第1項)が、
  設問肢後段のような例外規定は存在しません。

★次号(2007/11/15発行予定の第116号)では、
 「持分会社」について、ご紹介する予定です。

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 3.「市民法務編―ビジネスに役立つ“民法”の基礎(42)」
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★2007/8/15発行の第110号より、
 「平成19年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
 民法各編についての理解を深めていただいておりますが、
 第6回目は「指名債権の譲渡禁止特約」に関する問題です。
  ※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
    ご了承ください。

■指名債権の譲渡禁止特約に関する次の1~5の記述のうち、
 判例の趣旨に照らし、誤っているものはどれか。
1.譲渡禁止特約が付されている指名債権を目的とする質権の設定を受けた者は、
  当該指名債権に譲渡禁止特約が付されていることを知っていたとしても、
  有効に質権を取得することができる。
 □正解: ×
 □解説
  民法第466条第1項・第2項の規定と同様に、
  譲渡禁止特約が付されている指名債権の質入れについても、
  質権者が、その特約につき善意の場合に限り、
  有効に質権を取得することができます(判例/大判T.13.6.12)。
2.指名債権差し押さえた者は、
  当該指名債権に譲渡禁止特約が付されていることを知っていたとしても、
  転付命令によって、当該指名債権を取得することができる。
 □正解: ○
 □解説
  「判例(※最判S.45.4.10)」を参照のこと。
※)http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=27352&hanreiKbn=01
3.譲渡禁止特約が付されている指名債権の譲受人が、
  当該指名債権に譲渡禁止特約が付されていることを知って、
  譲り受けた場合であっても、
  譲渡後に債務者が当該譲渡を承諾したときは、
  当該譲渡は、承諾時から有効となる。
 □正解: ×
 □解説
  「判例(※最判S.52.3.17)」では、
  「設問肢のような場合において、当該譲渡は、譲渡の時に遡って有効となる」
  とされています。
※)http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=26651&hanreiKbn=01
4.譲渡禁止特約が付されている指名債権について、
  債務者が事前に譲渡することを承諾した場合には、
  当該譲渡は効力を有する。
 □正解: ○
 □解説
  「判例(※最判S.28.5.29)」を参照のこと。
※)http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=31126&hanreiKbn=01
5.譲渡禁止特約が付されている指名債権の譲受人が、
  当該指名債権に譲渡禁止特約が付されていることを知らなかったが、
  知らなかったことについて重大なる過失がある場合には、
  当該譲渡は効力を有しない。
 □正解: ○
 □解説
  「判例(※最判S.48.7.19)」を参照のこと。
※)http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=26949&hanreiKbn=01

★次号(2007/11/15発行予定の第116号)では、
 「民法上の担保責任」について、ご紹介する予定です。

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 4.編集後記
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★2007/10/1の郵政民営化後、「定額小為替(※)」の発行手数料が、
 “金種に関係なく一律¥1,000”に改定されています。
 「定額小為替」は、戸籍等抄本・住民票の写し・身分証明書など、
 公的証明書を郵便請求する際の必需品だけに、少々頭の痛いところです。
※)株式会社ゆうちょ銀行
  http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/tukau/sokin/hikoza/kj_tk_sk_hkz_kogawase.html
■第115号は、いかがでしたか?
 次号(第116号)は、2007/11/15発行予定です。
■編集責任者:行政書士 津留信康
 □津留行政書士事務所 http://www.n-tsuru.com
 □ご連絡専用アドレス n-tsuru@mbr.nifty.com
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(http://www.mag2.com/)」を利用しており、
 購読の解除は、「http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。

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