◆◆
コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆
<第179回>仕事のできる人の行動特性に学ぶ!
==■「夢のパン屋、オーナー社長のコンセプト設定力に学ぶ!」■==
===================================
人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持
ち腐れとなり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。
「仕事のできる人の行動特性に学ぶ!」と題して分かりやすく解説してい
きます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営
トップ・管理者・社員の皆様、そして求職中の
離職者の方や就職を目指す
学生さんにも是非ともお読みいただきたいと思います。
===================================
<今回のメニュー>
=================================
【1】県の職員では真の社会貢献はできない!
【2】障害者を雇い社会貢献がしたい!
【3】元同僚が手伝いに来てくれる父が娘の誇り!
【4】今日のまとめ
【5】編集後記
=================================
【1】県の職員では真の社会貢献はできない!
今でこそ宅配便が当たり前の時代になりましたが、日本で初めて宅配便を
事業化したのが「クロネコヤマトの宅急便」を成功させた故小倉昌男氏で
した。小倉氏は経営の第一線を退いた後、全私財を投げ打って「ヤマト小
倉財団」を立ち上げました。
障害者の
雇用は思うように進まず、特に施設で働く障害者の給料はたった
1万円程度。これでは自立して生活できるわけがありません。小倉氏は最
低10万円稼げる仕組みを作り、障害者の自立を支援することに生涯を捧
げる決断をしたのでした。
その事業が「スワンベーカリー」というパン工房です。美味しいパンを開
発し、製造し、自分たちで販路を開拓したり、店頭に立って販売すること
で障害者の自立を促し、社会貢献しようという壮大なプロジェクトです。
今回紹介するのはJR北浦和駅前の「スワンベーカーリー北浦和店」を経
営するオーナー社長の飯塚哲朗氏と娘の綾乃さん(店長)の親子の社会貢
献です。
飯塚哲朗氏は県の県職員でした。障害者福祉課長を務める平穏な生活でし
たが、身体障害者に比べ精神知的障害者の就職が厳しい状況にあることを
肌で感じていました。しかも30年間のお役人生活で自分は何を残してき
たのか疑問にも感じていたのです。
【2】障害者を雇い社会貢献がしたい!
飯塚市は2002年秋、早期
退職を決断し家族に話しました。びっくりしたの
は奥さんと娘の綾乃さん。そのとき綾乃さんは短大を卒業し運送会社でO
Lをしていましたが福祉に興味を持ち保育士の資格を取りましたが、父が
やろうとする仕事には関心がありませんでした。
奥さんは飯塚氏が
退職間もなく体調を崩し、2003年に他界しました。パー
トナーを失って精神的に参っている父を放っておくわけには行かず、父の
夢を叶えるために手伝う決心をしました。
コンセプトは「障害者に働く場を提供する」です。現在
従業員は16名、
そのうち精神知的障害者は7名です。
パン屋の朝は何しろ早いです。父娘は毎朝6時にはお店に向かいます。発
酵させたパン生地を切り分け、形を整え午前8時の開店にあわせてパンを
焼きます。飯塚氏は昼間は営業に出たりで留守がち、結局朝と夜の車の中
が二人のコミュニケーションの場です。
「オーナー、パンの仕上げ担当の
従業員にオーブンの仕事を任せたいんだ
けど」、「大丈夫?」、「新しい仕事にチャレンジしてもらいたいの」、
「じゃ、任せたら」といった会話。
親子で開店して2年目。お父さんと呼ばずオーナーと呼ぶことで公私のけ
じめが付いています。
退職即開店というわけには行きません。資金の工面、そしてパンの専門高
でパン作りのイロハを綾乃さんともども学びました。そして2006年11月、
開店にこぎつけたのです。
【3】元同僚が手伝いに来てくれる父が娘の誇り!
開店間もなく、あまりの忙しさに男性
従業員2人が辞めてしまいました。
人手が足りず、不慣れな接客やレジに追われる父。綾乃さんは父の多忙さ
に胸を打たれました。
しかし、飯塚氏に心強い援軍が現れました。開店時にも駆けつけてくれた
元同僚たちです。交代で店に来ては皿洗い、掃除などなんでも買って出て
くれました。
綾乃さんは、父のために来てくれる同僚、慕われる父、そんな父が誇らし
く思いました。飯塚氏の「人脈力」なる
コンピテンシーが磨かれていたか
らこそみんなが支援してくれるのです。
最近は月一回、お店の近くの道路掃除もしています。「障害者は支えられ
るだけでなく地域を支えることで存在感を認められなければならない」と
いう飯塚氏の考えで始めましたが、障害者の顔はみんな生き生きしていま
す。
【4】今日のまとめ
1.お役人として福祉にかかわるだけでは能書きだけに終わると考え、自
ら障害者福祉の前線で仕事をすることで自己実現を図りたかったこと。
2.障害者の中でも精神的知的障害者への支援と自立が大きな課題であっ
たこと。それをコンセプトに設定した勇気は高く評価されるべきであ
ること。
3.娘の綾乃さんとの二人三脚での会社経営は楽ではないが、「やりがい
度」は最高のものであること。
4.飯塚氏の元に援軍として来てくれる元職場の同僚との「人脈力」は常
日頃からの「人格力」なる
コンピテンシーの発揮がその源泉になって
いること。
【5】編集後記
ヤマト小倉財団ではスワンベーカリーの直営店とフランチャイズチェーン
展開の二通りで運営しています。飯塚氏はフランチャイズチェーンのオー
ナー経営者ということです。
今、世界中で穀物の争奪戦が始まっており、大幅な原料の高騰で経営環境
が圧迫されています。飯塚氏はどのようにしてこの苦境を乗り切るか、蔭な
がら応援したいと思います。
次回に続く
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
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彩愛コンサルピア代表 下山明央
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ち腐れとなり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。
「仕事のできる人の行動特性に学ぶ!」と題して分かりやすく解説してい
きます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営
トップ・管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す
学生さんにも是非ともお読みいただきたいと思います。
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【1】県の職員では真の社会貢献はできない!
【2】障害者を雇い社会貢献がしたい!
【3】元同僚が手伝いに来てくれる父が娘の誇り!
【4】今日のまとめ
【5】編集後記
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【1】県の職員では真の社会貢献はできない!
今でこそ宅配便が当たり前の時代になりましたが、日本で初めて宅配便を
事業化したのが「クロネコヤマトの宅急便」を成功させた故小倉昌男氏で
した。小倉氏は経営の第一線を退いた後、全私財を投げ打って「ヤマト小
倉財団」を立ち上げました。
障害者の雇用は思うように進まず、特に施設で働く障害者の給料はたった
1万円程度。これでは自立して生活できるわけがありません。小倉氏は最
低10万円稼げる仕組みを作り、障害者の自立を支援することに生涯を捧
げる決断をしたのでした。
その事業が「スワンベーカリー」というパン工房です。美味しいパンを開
発し、製造し、自分たちで販路を開拓したり、店頭に立って販売すること
で障害者の自立を促し、社会貢献しようという壮大なプロジェクトです。
今回紹介するのはJR北浦和駅前の「スワンベーカーリー北浦和店」を経
営するオーナー社長の飯塚哲朗氏と娘の綾乃さん(店長)の親子の社会貢
献です。
飯塚哲朗氏は県の県職員でした。障害者福祉課長を務める平穏な生活でし
たが、身体障害者に比べ精神知的障害者の就職が厳しい状況にあることを
肌で感じていました。しかも30年間のお役人生活で自分は何を残してき
たのか疑問にも感じていたのです。
【2】障害者を雇い社会貢献がしたい!
飯塚市は2002年秋、早期退職を決断し家族に話しました。びっくりしたの
は奥さんと娘の綾乃さん。そのとき綾乃さんは短大を卒業し運送会社でO
Lをしていましたが福祉に興味を持ち保育士の資格を取りましたが、父が
やろうとする仕事には関心がありませんでした。
奥さんは飯塚氏が退職間もなく体調を崩し、2003年に他界しました。パー
トナーを失って精神的に参っている父を放っておくわけには行かず、父の
夢を叶えるために手伝う決心をしました。
コンセプトは「障害者に働く場を提供する」です。現在従業員は16名、
そのうち精神知的障害者は7名です。
パン屋の朝は何しろ早いです。父娘は毎朝6時にはお店に向かいます。発
酵させたパン生地を切り分け、形を整え午前8時の開店にあわせてパンを
焼きます。飯塚氏は昼間は営業に出たりで留守がち、結局朝と夜の車の中
が二人のコミュニケーションの場です。
「オーナー、パンの仕上げ担当の従業員にオーブンの仕事を任せたいんだ
けど」、「大丈夫?」、「新しい仕事にチャレンジしてもらいたいの」、
「じゃ、任せたら」といった会話。
親子で開店して2年目。お父さんと呼ばずオーナーと呼ぶことで公私のけ
じめが付いています。
退職即開店というわけには行きません。資金の工面、そしてパンの専門高
でパン作りのイロハを綾乃さんともども学びました。そして2006年11月、
開店にこぎつけたのです。
【3】元同僚が手伝いに来てくれる父が娘の誇り!
開店間もなく、あまりの忙しさに男性従業員2人が辞めてしまいました。
人手が足りず、不慣れな接客やレジに追われる父。綾乃さんは父の多忙さ
に胸を打たれました。
しかし、飯塚氏に心強い援軍が現れました。開店時にも駆けつけてくれた
元同僚たちです。交代で店に来ては皿洗い、掃除などなんでも買って出て
くれました。
綾乃さんは、父のために来てくれる同僚、慕われる父、そんな父が誇らし
く思いました。飯塚氏の「人脈力」なるコンピテンシーが磨かれていたか
らこそみんなが支援してくれるのです。
最近は月一回、お店の近くの道路掃除もしています。「障害者は支えられ
るだけでなく地域を支えることで存在感を認められなければならない」と
いう飯塚氏の考えで始めましたが、障害者の顔はみんな生き生きしていま
す。
【4】今日のまとめ
1.お役人として福祉にかかわるだけでは能書きだけに終わると考え、自
ら障害者福祉の前線で仕事をすることで自己実現を図りたかったこと。
2.障害者の中でも精神的知的障害者への支援と自立が大きな課題であっ
たこと。それをコンセプトに設定した勇気は高く評価されるべきであ
ること。
3.娘の綾乃さんとの二人三脚での会社経営は楽ではないが、「やりがい
度」は最高のものであること。
4.飯塚氏の元に援軍として来てくれる元職場の同僚との「人脈力」は常
日頃からの「人格力」なるコンピテンシーの発揮がその源泉になって
いること。
【5】編集後記
ヤマト小倉財団ではスワンベーカリーの直営店とフランチャイズチェーン
展開の二通りで運営しています。飯塚氏はフランチャイズチェーンのオー
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