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配置転換拒否はどのような場合認められるのだろう ━━━━━━━━
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配置転換と
人事権
┏┏ ◇ 配転拒否が認められなかった判例
┏┏ ◇ 事業縮小による異職種への配転
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配置転換と
人事権
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景気の悪化による事業の縮小などで、それまで従事していた業務とは全く違う部署に
配置転換
が行われることがあります。
会社はそもそもそのような
配置転換を命じることができるのでしょうか。
欧米では、具体的な勤務場所、従事すべき職務、業務遂行方法などの基本的な
労働契約内容が
契約締結時に特定されるのが通常です。
しかし日本では、期間の定めの無い通常の
労働者に対して、詳細に取り決められた
契約を結ぶ
ことは、特に限定的な特殊職務でない限り行われません。その代わり
就業規則に「
従業員に配
転を命じることがある。」といった大まかな規定が置かれ、日常的に広範な
配置転換が繰り返
されているのが現状ではないでしょうか。
つまり日本の企業では特段の法的根拠が無い限り企業の業務上の都合により
配置転換が行われ
た場合には
従業員はこれに従うという合意が成立していることになり、ほとんどの場合配転が
必要に応じ柔軟に行える
人事権が企業にはあるのが原則といえそうです。
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配転拒否が認められなかった判例
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
労働契約において職種が特定されている場合であっても、長期
雇用を前提とした
契約である場
合には、
契約の継続中に一定の範囲での配転が了解されているとみなされることがある、
とした最高裁判例があります。
【九州朝日放送事件H.10】
(概要)
24年間アナウンサー業務に従事した者からの、他業務への配転命令に対するアナウンサーと
しての地位確認請求において、このような地位があるというためには、「本件
労働契約におい
てアナウンサーとしての業務以外の職種には一切就かせないという趣旨の職種の限定が合意さ
れることを要し、単に長年アナウンサーとしての業務に就いていたのみでは足りない」
等として配転を有効とした。
しかし一般的な日本の
労働契約で、このような極めて限定的な内容を盛り込まなければ、配置
転換を拒否する根拠とはなり得ないのだろうか。個人的に少し疑問な判決ではあります。
それでは事業縮小に伴う異なる部門への配転はどうでしょう。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
事業縮小による異職種への配転
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ご一緒に考えてみましょう。
【例】ある総合システム開発会社の場合
『システム開発部を縮小し、企業の再編をはかる為、16人のSEのうち11人をSEとして
出向させ、残りの5人は
総務課に配属することとした。ベテランSEのYもこの中に含
まれる。
しかしYは10年以上もSEとして勤めてきた自分の職業能力が活かせないとして配転を
拒否している。Yの主張は認められるか』
さてどうでしょう。
仮に会社側にYに対する恣意的な取り扱い、例えばYがSEでもっともベテランで、今回の措
置が主として人件費削減を目的としているなどの事情があれば、
権利の濫用が認められると思
われます。
しかし、配転拒否により企業の再編成を達成できず、その結果事業の継続自体が危ぶまれる、
というような事態を回避するために、会社が最終的決断として解雇という手段を選択すること
もあり得るでしょう。
解雇は労基法18条の2に定められた「客観的に合理的な理由」と、「社会通念上の相当性」を
必要としますが、設例で、システム開発部の再編とSEの
出向・配転の必要性が非常に高く、
実際にYの落ち着き先を見つけることが極めて困難であるとすれば、客観的に合理的な理由に
該当しうるし、また解雇しない場合には却って
従業員全体の志気や社内の規律保持に重大な支
障をきたすということが明らかであれば、このような場合の解雇は相当なものとして認められ
る可能性もあるでしょう。
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http://www18.ocn.ne.jp/~akatukip/
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┏┏ ◇ 配置転換と人事権
┏┏ ◇ 配転拒否が認められなかった判例
┏┏ ◇ 事業縮小による異職種への配転
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配置転換と人事権
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景気の悪化による事業の縮小などで、それまで従事していた業務とは全く違う部署に配置転換
が行われることがあります。
会社はそもそもそのような配置転換を命じることができるのでしょうか。
欧米では、具体的な勤務場所、従事すべき職務、業務遂行方法などの基本的な労働契約内容が
契約締結時に特定されるのが通常です。
しかし日本では、期間の定めの無い通常の労働者に対して、詳細に取り決められた契約を結ぶ
ことは、特に限定的な特殊職務でない限り行われません。その代わり就業規則に「従業員に配
転を命じることがある。」といった大まかな規定が置かれ、日常的に広範な配置転換が繰り返
されているのが現状ではないでしょうか。
つまり日本の企業では特段の法的根拠が無い限り企業の業務上の都合により配置転換が行われ
た場合には従業員はこれに従うという合意が成立していることになり、ほとんどの場合配転が
必要に応じ柔軟に行える人事権が企業にはあるのが原則といえそうです。
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配転拒否が認められなかった判例
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労働契約において職種が特定されている場合であっても、長期雇用を前提とした契約である場
合には、契約の継続中に一定の範囲での配転が了解されているとみなされることがある、
とした最高裁判例があります。
【九州朝日放送事件H.10】
(概要)
24年間アナウンサー業務に従事した者からの、他業務への配転命令に対するアナウンサーと
しての地位確認請求において、このような地位があるというためには、「本件労働契約におい
てアナウンサーとしての業務以外の職種には一切就かせないという趣旨の職種の限定が合意さ
れることを要し、単に長年アナウンサーとしての業務に就いていたのみでは足りない」
等として配転を有効とした。
しかし一般的な日本の労働契約で、このような極めて限定的な内容を盛り込まなければ、配置
転換を拒否する根拠とはなり得ないのだろうか。個人的に少し疑問な判決ではあります。
それでは事業縮小に伴う異なる部門への配転はどうでしょう。
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事業縮小による異職種への配転
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ご一緒に考えてみましょう。
【例】ある総合システム開発会社の場合
『システム開発部を縮小し、企業の再編をはかる為、16人のSEのうち11人をSEとして
出向させ、残りの5人は総務課に配属することとした。ベテランSEのYもこの中に含
まれる。
しかしYは10年以上もSEとして勤めてきた自分の職業能力が活かせないとして配転を
拒否している。Yの主張は認められるか』
さてどうでしょう。
仮に会社側にYに対する恣意的な取り扱い、例えばYがSEでもっともベテランで、今回の措
置が主として人件費削減を目的としているなどの事情があれば、権利の濫用が認められると思
われます。
しかし、配転拒否により企業の再編成を達成できず、その結果事業の継続自体が危ぶまれる、
というような事態を回避するために、会社が最終的決断として解雇という手段を選択すること
もあり得るでしょう。
解雇は労基法18条の2に定められた「客観的に合理的な理由」と、「社会通念上の相当性」を
必要としますが、設例で、システム開発部の再編とSEの出向・配転の必要性が非常に高く、
実際にYの落ち着き先を見つけることが極めて困難であるとすれば、客観的に合理的な理由に
該当しうるし、また解雇しない場合には却って従業員全体の志気や社内の規律保持に重大な支
障をきたすということが明らかであれば、このような場合の解雇は相当なものとして認められ
る可能性もあるでしょう。
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