◆◆
コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆
<第215回>できる人の
コンピテンシーをベンチマークする!
==■「ANA5千人の客室乗務員を束ねる河本宏子氏のリーダーシップ力!」■==
===================================
人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐
れとなり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。
「できる人の
コンピテンシーをベンチマークする!」と題して事例を解説して
いきます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トッ
プ・管理者・社員の皆様、そして求職中の
離職者の方や就職を目指す学生さん
にも是非ともお読みいただきたいと思います。
===================================
<今回のメニュー>
=================================
【1】国際線参入時のギクシャクムードを何とかしよう!
【2】機内での思い出は宝!
【3】
執行役員になっても「聴く」という字の意味を忘れずに!
【4】編集後記
=================================
飛行機の搭乗率がいったい何パーセントなら採算が取れるだろうか。たまに満席
に近い飛行機に乗ることがあるが時々ガラガラの飛行機に乗ることもある。そん
な時採算が取れるのだろうかと
人事ながら気に掛かる。
全員が普通運賃で搭乗してくれれば搭乗率40%でも採算が取れるのだそうだ。
しかし多くの場合ツアー客など格安チェケットのお客が相当乗っている。そのた
め平均して75%ぐらいの搭乗率でないと採算が取れないのだという。(納得)
だからお寒い限りの関空などでは路線の廃止撤退が行われているのは理解できる。
ツアー客は航空会社を選べない。しかしビジネスで頻繁に利用する人や出張族は
航空会社を選ぶことができる。私はかつて海外生産の担当でシンガポールやマレ
ーシアに出張するときは決まってシンガポール航空を利用した。同じ乗るなら気
持ちよく空の旅をしたいからだ。
そのカギを握っているのが各航空会社の客室乗務員なのである。今回はANAの
客室乗務員5,000人を束ねる
執行役員客室本部長の河本宏子氏の「リーダーシッ
プ力」、「チームワーク力」そして「コミュニケーション力」に迫ってみる。
【1】国際線参入時のギクシャクムードを何とかしよう!
飛行機を利用する我々乗客はカウンターの職員と搭乗後の客室乗務員としか接触
しない。だからカウンター職員と客室乗務員の接客が全てだ。
しかし客室乗務員の立場で言えば整備部門の人、コックピットの操縦士など多く
の人たちとの連携で成り立っている。目的地まで我々と接する客室乗務員は航空
会社を代表する顔としての重責を担っているわけだ。笑顔、身だしなみ、親しみ
やすさは特に重要な接客
コンピテンシーだ。
ANAが国際線に参入したのは河本氏が入社8年目の1986年。河本氏は立ち上げ
時のメンバーに入った。国内線専門の客室乗務員と国際線専門の訓練を受けた客
室乗務員の混成チームが国際線に乗務する。技量の格差、意識の違いからギクシ
ャクムードに陥った。これでは乗客に最高のサービスなど提供できるわけがない。
何とか心を一つにしなければと有志の一人として立ち上がり、本音で語り合う場
を企画したり機内サービスのアイディアを提案する運動を展開し融和に努めた。
このころから「リーダーシップ力」、「チームワーク力」なる
コンピテンシーを
発揮していたわけだ。
「楽しそうに働いているね」と声をかけてくれたお客がいて、そのときはジーン
ときたそうだ。目的地に着いて一人ひとり見送っていると「ありがとう」と声を
掛けられる。最高の幸せを噛み締める一瞬だ。
【2】機内での思い出は宝!
河本氏の通算の飛行時間は約1万3千時間。管理職になり、機内を職場にしなく
なってからも気持ちも意識もフライと中と一緒だという。「小さなことほど丁寧
に」、「当たり前のことほど真剣に」を心がけている。
自分の成長を温かく見守ってくれたお客様がいるから今日の自分がある。機内で
の思い出は宝であり、ほこりでもあるのだ。
【3】
執行役員になっても「聴く」という字の意味を忘れずに!
「聴く」という字は、耳に十の目と心と書く。言われてみればその通りだ。河本
氏は「耳」だけでなく「目」でも「心」でも聴く姿勢を大切にしているという。
人材開発部長時代に苦い経験があるという。このとき訓練生の養成やインストラ
クターを束ねていた。大量
採用によって訓練センターがフル稼働した年の
従業員
満足度調査で河本氏の評価が下がったときつい「業務が忙しくなったから」と言
い訳をしてしまったそうだ。
ハット気付いた。それは他責化であることに気付いたのである。部下たちは上司
である河本氏が忙しいことは分かりきっていた。でも最近話しかけてくれない、
話を聴いてくれないという不満に満ちていたのである。「満席だから十分なサー
ビスができなかった」と言い訳しているのに等しいのだった。そして我に返った
のである。
耳だけでなく目でも心でも聴く姿勢を持つことでコミュニケーション力は一段と
成長した。相手の気持ちが理解できるから素早い対応ができるのである。
【4】編集後記
規制を緩和して日本の国内線をシンガポール航空に開放したらどんなことになる
か考えてみる必要がある。そのことを河本氏は理解していることだろう。だから
こそ客室乗務員の接客
コンピテンシーを高めてリピーターを増やすことに貢献し
たいと考えているに違いない。50歳の女性
執行役員の活躍が期待される。
<この記事は平成21年6月の読売新聞「輝く女性」、他の記事も参考にしてい
ます。>
次回に続く
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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐
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「できる人のコンピテンシーをベンチマークする!」と題して事例を解説して
いきます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トッ
プ・管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さん
にも是非ともお読みいただきたいと思います。
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<今回のメニュー>
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【1】国際線参入時のギクシャクムードを何とかしよう!
【2】機内での思い出は宝!
【3】執行役員になっても「聴く」という字の意味を忘れずに!
【4】編集後記
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飛行機の搭乗率がいったい何パーセントなら採算が取れるだろうか。たまに満席
に近い飛行機に乗ることがあるが時々ガラガラの飛行機に乗ることもある。そん
な時採算が取れるのだろうかと人事ながら気に掛かる。
全員が普通運賃で搭乗してくれれば搭乗率40%でも採算が取れるのだそうだ。
しかし多くの場合ツアー客など格安チェケットのお客が相当乗っている。そのた
め平均して75%ぐらいの搭乗率でないと採算が取れないのだという。(納得)
だからお寒い限りの関空などでは路線の廃止撤退が行われているのは理解できる。
ツアー客は航空会社を選べない。しかしビジネスで頻繁に利用する人や出張族は
航空会社を選ぶことができる。私はかつて海外生産の担当でシンガポールやマレ
ーシアに出張するときは決まってシンガポール航空を利用した。同じ乗るなら気
持ちよく空の旅をしたいからだ。
そのカギを握っているのが各航空会社の客室乗務員なのである。今回はANAの
客室乗務員5,000人を束ねる執行役員客室本部長の河本宏子氏の「リーダーシッ
プ力」、「チームワーク力」そして「コミュニケーション力」に迫ってみる。
【1】国際線参入時のギクシャクムードを何とかしよう!
飛行機を利用する我々乗客はカウンターの職員と搭乗後の客室乗務員としか接触
しない。だからカウンター職員と客室乗務員の接客が全てだ。
しかし客室乗務員の立場で言えば整備部門の人、コックピットの操縦士など多く
の人たちとの連携で成り立っている。目的地まで我々と接する客室乗務員は航空
会社を代表する顔としての重責を担っているわけだ。笑顔、身だしなみ、親しみ
やすさは特に重要な接客コンピテンシーだ。
ANAが国際線に参入したのは河本氏が入社8年目の1986年。河本氏は立ち上げ
時のメンバーに入った。国内線専門の客室乗務員と国際線専門の訓練を受けた客
室乗務員の混成チームが国際線に乗務する。技量の格差、意識の違いからギクシ
ャクムードに陥った。これでは乗客に最高のサービスなど提供できるわけがない。
何とか心を一つにしなければと有志の一人として立ち上がり、本音で語り合う場
を企画したり機内サービスのアイディアを提案する運動を展開し融和に努めた。
このころから「リーダーシップ力」、「チームワーク力」なるコンピテンシーを
発揮していたわけだ。
「楽しそうに働いているね」と声をかけてくれたお客がいて、そのときはジーン
ときたそうだ。目的地に着いて一人ひとり見送っていると「ありがとう」と声を
掛けられる。最高の幸せを噛み締める一瞬だ。
【2】機内での思い出は宝!
河本氏の通算の飛行時間は約1万3千時間。管理職になり、機内を職場にしなく
なってからも気持ちも意識もフライと中と一緒だという。「小さなことほど丁寧
に」、「当たり前のことほど真剣に」を心がけている。
自分の成長を温かく見守ってくれたお客様がいるから今日の自分がある。機内で
の思い出は宝であり、ほこりでもあるのだ。
【3】執行役員になっても「聴く」という字の意味を忘れずに!
「聴く」という字は、耳に十の目と心と書く。言われてみればその通りだ。河本
氏は「耳」だけでなく「目」でも「心」でも聴く姿勢を大切にしているという。
人材開発部長時代に苦い経験があるという。このとき訓練生の養成やインストラ
クターを束ねていた。大量採用によって訓練センターがフル稼働した年の従業員
満足度調査で河本氏の評価が下がったときつい「業務が忙しくなったから」と言
い訳をしてしまったそうだ。
ハット気付いた。それは他責化であることに気付いたのである。部下たちは上司
である河本氏が忙しいことは分かりきっていた。でも最近話しかけてくれない、
話を聴いてくれないという不満に満ちていたのである。「満席だから十分なサー
ビスができなかった」と言い訳しているのに等しいのだった。そして我に返った
のである。
耳だけでなく目でも心でも聴く姿勢を持つことでコミュニケーション力は一段と
成長した。相手の気持ちが理解できるから素早い対応ができるのである。
【4】編集後記
規制を緩和して日本の国内線をシンガポール航空に開放したらどんなことになる
か考えてみる必要がある。そのことを河本氏は理解していることだろう。だから
こそ客室乗務員の接客コンピテンシーを高めてリピーターを増やすことに貢献し
たいと考えているに違いない。50歳の女性執行役員の活躍が期待される。
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