相談の広場
社内に、雨の日に傘立てを取り付けた自転車で出勤し、反対側から傘を差して自転車に乗ってきた人と接触して転倒、手に裂傷を負って病院へ行った人がいます。
労災申請をするように事故報告書が届きました。自転車の傘差し運転は禁止されていますが、ハンドルに固定された傘立てに傘を入れて自転車に乗っているのは禁止の対象になっていないのでしょうか。
労災申請をした場合に、違法性は問われるでしょうか。
お教えいただければありがたいです。
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労災保険法ではその第12条の2の2で、労働者の以下のような故意または重大な過失が原因で発生した災害については保険給付の支給制度を行う旨定めています。
(1) 労働者が故意に負傷、疾病、障害もしくは死亡またはその直接の原因となった事故を生じさせたとき。
(2) 労働者が故意の犯罪行為もしくは重大な過失により負傷、疾病、障害もしくは死亡もしくはこれらの原因となった事故を生じさせたとき。
(3) 正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより負傷、疾病もしくは障害の程度を増進させ、もしくはその回復を妨げたとき。
(2)の「故意の犯罪行為」とは、事故の発生を意図した故意はないが、その原因となる犯罪行為が故意によるものをいう(昭40・7・31基発第901号)とされ、また「重大な過失」とは、事故発生の直接の原因となった行為が労働基準法や鉱山保安法、【道路交通法】などの法令上の危害防止に関する規定で、【罰則の付されているもの】に違反すると認められる場合について適用がなされます。
この場合、保険給付のつど所定給付額の30パーセントの割合で支給が制限され、休業補償給付または休業給付、障害補償給付または障害給付(再発にかかるものは除かれます)がこの対象となります。支給制限の期間は、休業補償給付または休業給付については支給事由の存する期間で、障害補償給付または障害給付については当該障害の原因となった傷病について療養を開始した日の翌日から起算して、3年以内の期間において支給事由の存する期間となっています(昭52・3・30基発第192号)。
しかし、
【傘さし運転】
法71条 規則11条違反
5万円以下の罰金
傘をさして運転してはいけません。
ただし、交通の極めて閑散な道路での運転はこの限りではありません。
【自転車に傘を固定させた場合】
自転車に傘を固定させる器具を取り付けて、傘を差して運転する行為は、道路交通法違反(第55条第2項又は第57条第2項)になる場合があります。
【参考URL】
http://www.pref.kyoto.jp/fukei/kotu/koki_k_t/jitensha/
ご質問の場合、違法性(道路交通法違反)との関係から言えば、上記のように【自転車に傘を固定させた場合】罰則は附されておらす、給付制限にはかからないと考えます。
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