相談の広場
お世話になっております。
業務事故を起こした派遣社員が、派遣先に対し、
「事故状況報告書」を提出した際、
下記の内容を加えるように文書で指示を受けていました。
「機械を停止してからごみ取り作業を行なうことが鉄則であったが、つい停止させる行動を怠ってしまった」
弊社の派遣社員は、指示通りの作業をしていた為、不審に思いこの文書を所持していました。
実際には鉄則どころか、当該作業に対する作業手順書は無くペアを組んでいた派遣先の嘱託社員も同様の作業を行なっていました。
派遣社員という弱い立場の人間に対して、事実とは異なる文書を作成させ過失責任を問うことは問題があると思うのですが。
何を根拠に問題視するべきか悩んでいます。
労働基準監督署並びに労働局さんでは明確な返事がもらえませんでした。
事故そのものの詳細や、締結している契約書の内容等は、本サイトの法務の分類で、業務中の事故(機械破損)という題名で明記させていただいております。
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私の知っている範囲でお答えします。
このケースでは、「機械を停止してからごみを取り行う」ということを作業マニュアルに明記し一般に周知させていなかったこと、及び派遣先の社員を含め日常的に行われていたことから、当該派遣スタッフ及び派遣元の会社には責任がないと思われます。
この契約条件では、故意または重過失があった場合にのみ損害賠償責任を負います。
このケースでは、故意または重過失があったとは認められません。
また、民法上の不法行為の成立要件をも満たしていません。
そのため、このような派遣先の要求は、毅然とした態度で拒否するべきです。
もし、報告書に記載したとしても、民法90条の公序良俗に違反するため無効となります。
また、派遣先の対応は、刑法223条の強要罪に該当するため刑事責任をも追及することができます。
派遣労働者が業務災害に罹災した場合、派遣先の事業場で派遣先の指揮命令のもとに業務を遂行していることから、安全衛生に関する事業主責任の大部分を派遣先が負う事となります。
派遣先は、労働安全衛生法違反に問われないために、事故の
原因をあくまでも労働者の不注意としたいので、ご相談にあるような一筆を書かせられたのでしょう。
ただし、現実的にはそのような文書を労働者から徴収したぐらいでは派遣先の責任が軽減されることはないのでは、と思います。
仮に機械を停止させることが鉄則であったとしても、
1.それが労働者に周知されていたのか
2.作業手順の定期的確認が行われていたのか。
3.機械停止を確認する役割の人間(班長など)がいたのか。
4.安全衛生教育は行われていたか。
5.防護柵や保護具は利用されていたか。
など、災害を防ぐ手段・方法はたくさんあるものです。
災害が発生するということは、対策が不十分であったということです。
派遣先は姑息なことをやっておりますが、無意味であることを知るのではないでしょうか。
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