相談の広場
日給月給のアルバイト社員が10日連続の有給休暇を2週間前に申請してきました。
理由は旅行・私用等で退職の予定はありません。
現在は繁忙期ではなく時季変更権を行使するほどの状態ではありませんので、
今回は連続取得を許可しましたが、今後や他のアルバイト社員への影響を考え、
就業規則に有休の連続取得の申請に対して制限を入れられないか検討しています。
現在の就業規則では
「有給休暇の取り扱いについては労働基準法どおりとする」 だけです。
これを
「有給休暇の付与・繰越の取り扱いについては労働基準法どおりとする。
申請に際し、5日以上の連続取得の場合は1ヶ月前までに申請する。
ただし、傷病等会社が認めた場合はこの限りではない。」
に変更。
傷病や弔事など前もって予定できるものでは無い場合は1ヶ月前の申請がなくても
許可します。
今回ご相談させていただきたいのは
①有給休暇の連続取得に事前申請の期日制限を設けるのは問題があるでしょうか。
また、就業規則の不利益変更にあたるでしょうか。
②就業規則に盛り込み社員に周知をしたにもかかわらず1ヶ月を切って5日以上
の連続した有休の申請があった場合、有休として認めるのは4日までとし5日目
からは欠勤としても問題は無いのでしょうか。
どうぞ宜しくご教示ください。
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長期の年休の請求は、それが長期のものであればあるほど、使用者にとって代替勤務者を確保するのが難しくなるなど、事業の正常な運営に支障を来たす可能性が高くなります。業務計画や、他の労働者の休暇予定等との事前の調整を図る必要が当然生じると思います。
実際、長期の年休の請求に対しての類似ケースの判例では、時事通信社事件(最判平4.6.23)では、使用者にある程度の合理的な範囲内での裁量的判断の余地を認めざるを得ない、としました。
ですから、長期連続休暇を申請する場合に事前申請の期日制限を設けるのは、会社の合理的な裁量権の範囲内であり、①不利益変更には当たらず、②会社がこの申請について、ご質問ですと1日分を、時季変更権を行使して別の時季に変更したり、分割しして付与するのは可能だと思います。
ただし5日目を欠勤とするのは有給請求権行使の拒否に当たりますからできません。
こんにちは。
専門家ではありませんが、私見を述べさせていただきます。
①原則、事前申請した年休は拒否できない。
②唯一認められる時季変更権は、専門職等で代替が困難という明確な理由などの合理的理由でなければ認められない。よって、繁忙期という理由だけでは対処が可能なため、代替要員を用意する努力を怠っているとして認められないケースが多い。
③年休を長期取得する場合、それに応じて当然に人員の確保に時間が必要なため、事前の申請させることは認められている。しかし、事前申請(○日前等)を明記した場合、その期間で人員等を確保できるとして時季変更権を行使することはできなくなる可能性がある。
④また、事前申請の期日を過ぎて申請した場合であっても、無条件に拒否はできない。(法に抵触している可能性があるため。)あくまでも、代替要員を用意する努力を行い用意が困難とする場合のみ時季変更権が認められる。
⑤就業規則に記載しても直ちに違法となる事はありませんが、裁判になれば合理的理由が無いとして無効となる可能性があります。
個人的な意見としては、親族等が亡くなった場合や事故等で急に1週間ぐらい休むケースもあります。それについては代替要員を確保する等の対処をしていると思われます。よって、5日以上や1ヶ月前に申告等は合理的理由があるとは言えないと考えられます。
<社労士IMARUのブログ>
http://ameblo.jp/imalu-sr/entry-11431036218.html
-くろ- 様
返信ありがとうございます。
質問の①,②ともに問題がある可能性をご指摘いただきありがとうございました。
有給休暇を拒否したり時季変更権を行使するつもりは無いのですが、長期連休を急にとなりま
すと、人員の確保に困ります。
理由が怪我・病気や弔事の場合は他の社員も協力的に動いてくれますので助かるのですが、
旅行や私用の場合は前もって調整しなければなりません。今回は直前でしたのでかなり苦労
しました。
また、今回は有給休暇の申請は10日でしたが実際は土日を含め16連休を2週間前という直前と
もいえる時期での申請でした。
いくらなんでも調整できないかという話はしたのですが、調整は叶わず本人の希望通りとなりま
した。
実際に長期休暇の直前申請が起こった場合は本人と話し合い調整してもらうしかないとは思う
のですが、そういった事態にならないよう、雑談の中から聞き出す、早めに申請することをアド
バイスする等アルバイト社員ともコミュニケーションをとることを心掛けるようにしたいと思います。
ご指摘いただきましたことを踏まえて、実効性や文言について再検討したいと思います。
ありがとうございました。
社労・暁 様
返信ありがとうございます。
①に関しては申請に期日を設けることは問題無しとのご見解ということでよろしいでしょうか。
大変心強く思います。
②に関しては5日目以降を欠勤とするのは問題があるとのご指摘。ありがとうございます。
頭を悩ませているのは、ある意味では新たに制約を設けることになりますので、実際問題と
して就業規則を無視し直前に長期休暇を申請してきた場合にどうするかということです。
上部には「実力行使には強硬姿勢で」との声もあり欠勤扱いに問題があるのかどうかを質問
させていただきましたが、法に触れる問題であることがわかりました。
実際に長期休暇の直前申請が起こった場合は本人と話し合い調整してもらうしかないのだ
とは思うのですが、そういった事態にならないよう、雑談の中から聞き出す、早めに申請する
ことをアドバイスする等アルバイト社員ともコミュニケーションをとることを心掛けたいと思い
ます。
長期休暇を取ることは構わないのですが、今までは10日以上の長期休暇を直前(ともいうべき
時期)になって申請というのがありませんでしたので、今回は人員配置等の対応に苦労しました。
そのため就業規則の変更という話になったのですが、「長期休暇の申請時期の目安」として設
ける意味合いが強いので柔軟な形での運用にしたいと思っています。
ご教示いただきましたことを踏まえて、実効性や文言について再検討していきたいと思います。
ありがとうございました。
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