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かくれモンスター社員放置の末路は組織崩壊…!?未然に防ぐ対応策とは

2023.08.03

会社にはさまざまな社員がいて、当然ながら性格や能力がそれぞれ異なります。中には、仕事に対する態度よくなかったり、周りとのコミュニケーションがなかなか取れなかったりする社員がいる可能性も考えなければなりません。

今回は、目に見えた問題行為がみられず、経営者がなかなか把握することができない“かくれモンスター社員”にスポットを当ててみましょう。かくれモンスター社員とはどのような社員なのか、会社側が見分けるためには何をすべきか、そして会社に及ぼす影響や対処法について、順を追って解説していきます。

あなたの会社にもいるかも…かくれモンスター社員とは

業務をこなすための能力が不足している、社内で問題行動を繰り返すなど、どの会社にも大なり小なり懸念視されている“モンスター社員”。同じ意味で“問題社員”とも呼ばれています。しかし、注意しなければならないのが、経営者や上司が気づかない“かくれモンスター社員”の存在です。

かくれモンスター社員とは、一見モンスター社員には見えないものの、さまざまなトラブルの元になる社員のことです。たとえば、一般常識がなく、学ぼうという向上心のみられない社員や、すぐ嘘をつく社員、自己中心的な性格から周りを振り回し疲弊させてしまう社員などが挙げられます。このようなかくれモンスター社員の言動は、遅刻・欠勤が多い、仕事をサボるなど、目に見えた問題行動がみられないため、上層部が問題に気づいて対処するのが遅れてしまいがちという懸念点があります。

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かくれモンスター社員の見分け方

かくれモンスター社員を適切に見抜くためには、社員一人ひとりの性格を把握しておくことが重要です。いくつかのケースを確認してみましょう。

①自己肯定感が低い社員の場合、自分のことを卑下する傾向があることから「こんな仕事は自分には荷が重いです」といった、物事の本質を見ないまま拒否をするケースがあります。②被害妄想が激しい社員は、ちょっとしたことで攻撃的な態度をとることがあり、③情緒が不安定になりがちな社員は、ちょっとしたことで落ち込み、言動に周りが振り回されるケースが多いようです。

このような社員の性格については、入社前の採用段階である程度の把握をすることが理想ですが、限られた機会だけでは人間の本質を見抜くことは難しいため、入社後も面談や1on1の際に各社員の人となりを知ろうとする努力が求められるのです。

また、かくれモンスター社員を発生させやすい要因の一つとして、人材配置が適切ではないパターンも考えられます。初めはとくに問題がみられなかった社員でも、望まない部署配置や仕事を与えられることで悪影響を受け、かくれモンスター社員化してしまう危険性があることを念頭に置いた上で、“どの社員”に“どの部署”で“どの仕事をしてもらうか”を定期的に見直す必要があります。迷ったときは、定期的にジョブ・ローテーションを実施するなどして適材適所になるよう心がけましょう。

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モンスター社員は会社にどのような影響を与えるのか

かくれモンスター社員は、放置しておくと周りへの悪影響が顕在化し、“モンスター社員”へと変貌します。

協調性がないことを懸念視されている社員がいる場合、だんだん組織が思うように立ち行かなくなり、他の社員にも不穏な空気が流れ始めます。モンスター社員を放置することにより「なぜあの人だけ特別扱いなのか」といった不満が蓄積されることや、モンスター社員に叱責を繰り返すことでその社員が攻撃的になり、周りの社員に向けてその怒りをぶつけるなど、攻撃するようになる可能性もあります。

このような状況に陥った場合、最も悩むのは中間管理職の社員です。部下からは「何とかしてくれ」と懇願される一方、行動を起こすには上層部の指示を待つ必要があります。実際に行動を起こすまでに時間がかかるケースも多いでしょう。この状態が長く続くと、中間管理職の社員の方がさじを投げて辞めてしまうといったリスクがあります。他にも、モンスター社員の周りにいる社員が辞めてしまう危険性があり、一人のモンスター社員の影響で優秀な人材を失いかねないケースへ陥る可能性もあるのです。

人材確保が難しい中小企業にとって、人材を失うことは組織崩壊の一歩になりかねません。とくに優秀な人材が辞めてしまうと、会社はさまざまな損失を被る可能性があります。負の連鎖になる前に対策を取るようにしましょう。

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【タイプ別】モンスター社員への対応方法

モンスター社員への対応は、社員のタイプによって異なることを覚えておきましょう。たとえば、よくあるモンスター社員のタイプと対応策は以下の3つになります。

1)協調性がない社員や相手に嫌がらせ行為を行う社員の場合

問題となる言動を会社側がきちんと把握することが重要になります。そのため、被害を受けた社員に加え、周りの第三者の社員にもヒアリングを行い、要因をつきとめる必要があるでしょう。直接のヒアリングが難しい場合は、特定の人間しか見ることができないメール相談窓口を設けるなど、相談しやすい環境をつくりましょう。

2)メンタル面に不安がある社員の場合

その社員の上長や同僚が社員の様子を見守り、定期的にカウンセリングや個別面談を行うことでカバーをしていく必要があります。状況によっては、産業医や外部の医療機関に相談する方法も有効でしょう。

3)仕事の進み具合に問題がある社員

社員自身の能力に問題があるのか、見えないところでサボっているのか、上司の仕事の割り振り方に問題があるのかを把握する必要があります。一番やってはいけないことは、問題の要因がどこにあるのかが分からない状態でその社員を叱責することです。あくまでも、要因を明らかにしてから対応を進めることを心がけましょう。

業務の棚卸を行い、どの業務にどれくらいの時間がかかっているのかを確認し、要因を把握した上で、業務の自動化や効率化や他の社員に業務を分担するなどの適切な対策をとりましょう。

まとめ

一見モンスター社員に見えない“かくれモンスター社員”ですが、放置しておくことでさまざまなトラブルの元となり、最悪の場合、優秀な人材を失ってしまう可能性もあります。まずは自社の状況を把握することから始めましょう。そして、かくれモンスター社員の対応はタイプによって異なるため、適切な対応を進める必要があります。かくれモンスター社員を発生させないためにも、社員一人ひとりの性格を把握や適材適所の人事配置が重要になってきます。

* wavebreakmedia,Elnur,buritora,shimi,takeuchi masato / PIXTA(ピクスタ)