登録

会員登録いただけると、

  • メールマガジンの受け取り
  • 相談の広場への投稿 等

会員限定のサービスが利用できます

登録(無料)を続ける
TOP > 記事一覧 > 人事・労務 > 就活サイトじゃ伝わらない!絶対に必要な自社採用ページのススメ
Young asian woman wearing suits. Job hunting.

就活サイトじゃ伝わらない!絶対に必要な自社採用ページのススメ

2024.01.05

自社のコーポレートページのほかに、わざわざ採用ページを作成していないという中小企業も多いのではないでしょうか。

採用ページがないと、求職者が会社のサイトを見たときに「この会社は採用をしていないのか?」「ほしい情報が得られない……」など、応募意欲を低下させてしまう可能性があります。転職が当たり前となった時代において、採用が難しいとなると、人材は流出していく一方です。しかし、採用ページをうまく運営すれば力強い味方になってくれるでしょう。

今回は、中小企業において採用ページの必要性や重要性を解説します。

採用ページとは

採用ページとは、一般的に自社ホームページのなかに独立して作成されている、求人情報に特化したページを指します。求職者が見ることを想定しているページなので、一般的には求人募集をしている職種や雇用条件などが掲載されています。最近では、外部の求職専門サイトに求人を出すことに加えて、自社で採用ページを作成する会社は非常に増えています。

採用ページはなぜ必要?

採用ページが必要な理由

なぜ、自社の採用ページを作成する企業が増えているのでしょうか。

それは、人材不足で採用がどんどん難しくなっているからです。あるサイトには、採用ページがないと求職者の応募意欲が8割減少するという記事もありました。

求職者が会社を選ぶ基準として「採用条件」にとどまらず、「成長できる環境があるか?」「どんな人が働いているのか?」などソフト面についての比重が高くなっていることが大きいでしょう。単純に求人サイトに掲載する雇用条件(勤務時間、休日数、給与など)だけでは、そのような求職者に「この会社で働きたい!」と思ってもらえるのは非常に難しいのが現状です。
【参考】8割の求職者が「ホームページがないと応募意欲が下がる」と回答。企業HP・採用ページに関する求職者調 /ヒトクル

リアルな職場環境が知りたい

採用だけでなく、企業のホームページでデータを取ってみると一番アクセスが多いが「スタッフ紹介」のページのようです。実際に筆者自身もお客様の企業サイトで目の当たりにした経験があります。顧客目線で企業を見たときに価格や商品スペックはもちろん大切です。しかしそれだけではなく、どのような人が働いているのか、どのような人が接客してくれるのかという部分に多くの人が非常に興味を持っているといえるでしょう。

これは採用面でも同じことがいえます。新卒で入った社員が3年後にどのように活躍しているのかなどのキャリアに関する内情や、先輩と後輩のコミュニケーションはどのような雰囲気で取られているのかなど、「リアルな職場環境」を発信するためには、どうしても自社の採用ぺージが必要になっているのです。

【こちらもおすすめ】「採用のアンマッチ」が早期離職の理由?中小企業における採用のポイント

採用ページに必要な情報

採用ページをつくる際にまず必要なこと

「自社も採用ページをつくってみよう」と思った際にまず必要なのは、盛り込む情報や内容の決定です。一般的な外部求人サイトにある必須項目はもちろんですが、自社オリジナルの情報もぜひ入れていきたいものです。

なかなかテキストで伝わりづらい部分として福利厚生制度や社内イベントがあります。こうした社内の雰囲気を伝えたい部分については、写真やイラスト、動画なども盛り込んだページの作成が有効です。特に20代の若い世代は「ショート」という短い動画コンテンツから情報を取得することも増えています。そんな世代に自社の情報を届けるには、テキストと数枚の写真では不十分です。

また、各種SNSについても若者からみると「リアルな様子がよくわかる」と評価が高いコンテンツになります。つくりこみすぎていない、社員が持ち回りで更新しているブログでも、仕事の様子や社内の雰囲気が自然に伝わります。長文のテキストや箇条書きの雇用条件だけでは外部の求人サイトとの違いがなく、仮に自社ページを閲覧してもらっても求職者に自社の魅力は伝わりづらいです。

また、採用ページ内に各種SNSのリンクを入れて導線をつくることで、効果的にSNSへの流入を促すことができます。ただ、半年間まったく更新されていないような、更新頻度が少ないSNSなどは逆効果になるリスクもあります。各種の導線をしっかり設計しながら、それぞれのリンク先が常に更新されていること、また採用ページそのものもつくりっぱなしにしないで随時内容をアップデートしていくことが大切です。

求職者に刺さる内容とは?

採用ページに盛り込みたい内容

これまでお伝えしてきたとおり、テキストに頼らないさまざまな手法やコンテンツで採用ページをつくっていくことが必要ですが、特に盛り込んでほしいおすすめの内容は二つです。

一つ目は「社内の教育体制」です。意識の高い人ほど、入社した際にどのような環境なのか、自分自身の成長につながるかということを重要視します。入社時の研修制度はもちろんですが、メンター制度や外部の伴走支援などは求職者からして魅力的な部分です。先に述べたSNSの内容も含めてですが、ただ「社員同士の仲がよい」「楽しい職場」のイメージを訴求するよりも、「切磋琢磨しながら成長できる環境」「相談できる相手がいる」などを訴求する内容をおすすめしています。

二つ目は「キャリアプランの見える化」です。中小企業では、「採用時の雇用条件は理解できたが、この会社で5年、10年働いたらどのくらいの収入になるのか」「どんな仕事に従事できるのか」などが不透明という印象が強いです。これは入社してから2、3年経過して「自分のイメージしていた会社と違った」という離職理由にもつながってしまいます。ここについては「先輩社員の声」という形で現在働いている社員の方々の働く様子や従事している仕事などをレポートしていくような内容がわかりやすいです。最近では、インタビューを5分程度の動画にしている会社も増えてきています。写真とテキストのみの内容よりも、動画のほうが声や話し方など雰囲気が伝わりやすく「こんな先輩、上司と働くんだな」という安心感にもつながるようです。

【こちらもおすすめ】採用募集の進め方は?基本的な流れと募集要項作成のコツ

最後に

日本の労働人口はどんどん減少しています。「少子高齢化」といわれ続けて久しい状況のなかで、これからの人材確保はますます競争が激しくなることは明らかです。

大手企業の優良な雇用条件を目指すのも一つですが、そこには利益の確保や売上増など、中長期的にどうしても時間がかかってしまうことばかりです。雇用条件を変えることは既存の社員にも影響のあることなので、思っている以上に着手するのはハードルが高いのが現状です。まずは、自社のリアルな様子がわかるような「〇〇だけどこんなよいところもあるよ!」というカッコつけすぎない等身大の情報発信が、すぐにできる、かつ有効な手段でしょう。

ぜひ自社の採用ページを120%活用した人材確保を目指していきましょう。

*metamorworks, Sirikarn Rinruesee, mapo_japan / shutterstock