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「株主さま」は神様です~株主総会の季節を迎えて思うこと~

☆「株主さま」は神様です
 ~株主総会の季節を迎えて思うこと~

多くの3月決算会社が迎える、定時株主総会(6月総会)の季節となりました。
特に上場企業では、4月に入ると、決算短信招集通知(事業報告・議案)、
有価証券報告書、年次報告書などの作業が本格化することになります。

当職も昨年までの10数年間、複数の上場企業に在籍し、毎年この作業に追われて来ました。
株主総会の運営に当たっては、「株主さま」を積極的にお迎えし、気持ちよくご発言が
なされ、社長の人柄・会社の内容を少しでもご理解いただいたうえ、満足してお帰り
いただけるよう努めてまいりました。
夢の中で招集通知の校正ミスに気付いたり、議長のシナリオを会場に持って行くのを
忘れた夢を見たり・・・などなど、冷や汗をかいて飛び起きるのは毎年のこと。

日頃、株主・投資家・アナリストの質問を受けることはあっても、
株主総会は会社にとって「特別な行事」なのです。
4月に入ると、総会までの間は「株主さま・・株主さま・・」と自分に言い聞かせ、
当日、間違っても「株主」とか「お客さま」などと言ってしまわないよう気を付けました。
もちろん、お手伝いいただく社内のスタッフにも、ミーティングでお願いしていました。
(多少、自己満足、考え過ぎの感は否めませんが。。)


4月。電車の中や街中に、新入社員とハッキリ分かる若者が明るく見えるこの季節、
「また、この季節が来たか・・・」とブルーになるのは、株主総会の準備に入る時期だから。

かつてのように「総会屋」(最近は“特殊株主”と言うのでしょう)は少なくなりましたが、
一般の株主さまは積極的に発言されますから、会社の方で準備する「想定問答集」も
年々分厚くなってしまいます。
一般の株主さまは、通常では言い難いようなことでもズバッと切り込んで来られるからです。
平常心であれば何てことはない役員側も、総会場内は独特の雰囲気があることを
知っていますから、言葉を間違えてしまわないよう、事前に予想される質問の回答を
数多く準備したい、という気持ちになります。
しかも、細かい言い回しにまで神経を遣って「検討会」が繰り返されます。
本番直前まで、何度も何度も書き直す作業を要求される、ストレスの溜る作業となるのです。

この起案主担当も兼務していた或る年、当職は一度だけ
「今年は想定問答集なしで行きます!」と宣言し、試みたのですが、あえなく撃沈・・・。
「秒殺」ではありませんでしたが、「お前は議長役員の重圧を分かっていない!」と
責められ、わずか数日間のちっぽけな抵抗に終わりました。
結局、前年並みの問答数に抑えるのが精一杯。 で、結果、その年の質問はゼロ・・・。

大きな会社に移ってからはスタッフも増えて分業化が進み、少しずつ楽にはなりましたが、
立場は上がっても、やはり「一文字の間違いも許されない招集通知」の担当からは離れる
ことができません。
それでも総務部は未だ良い方で、経理部のみなさんは昼夜を徹した決算業務に追われて
いました。目一杯頑張っているのは分かっているのですが、経理の業務が終わらないと、
こちらの作業が進まない部分もあるため「未だ出来ません?」と聞かざるを得ない辛さ。
招集通知も総会開催日も、ある意味競うように前倒しにする傾向がありますから。

こんなに必死になってお迎えするんだから、
やはり、株主さまはエライ、株主さまが一番、「株主さまは神様」なのです。
社長にだって、こんなに気を遣いませんから(失礼しました)。


昨年、薬品のエーザイさんが、株主さまからのよくある質問に答える「Q&A」を
招集通知に掲載されました。「Q&A よくあるご質問にお答えします!」として
掲載されておられるのですが、「何と大胆なことを・・・」と思いつつも読んでみますと、
これが非常に分かりやすいのです。ホームページで公開されていますので、宜しければ。

総会では「質問が質問を呼ぶ」こともあります。
まったく質問が出なかった年には、「せっかく準備したのに・・・寂しいな。」と
手前勝手・我儘な感想を一瞬持つのですが、実際に次々質問が出て来ますと、
ひな壇の役員・事務局は、もう大変。。。
エーザイさんの勇気は尊敬に値します。正に、株主さま重視の経営姿勢が見て取れます。
が、事務局は大変なんだろうな・・きっとQ&Aの次の想定問答も作っているんだろうな、
と勝手に想像しています。


株価に関しては「投資家の方々」、株主総会に関しては「株主さま」が神様です。
株主さまの法的な権利は皆様ご存知のとおりですが、株主総会では持ち株数(議決権個数)
に関係なく、一般の株主さまが快く決議事項にご賛同いただけなければ、株主総会
スムーズに運営することはできません。
これは、例え前日までに議決権個数の「絶対多数を確保」していたとしても同じ。
総会場で「異議」が出ることは、運営する側にとって一大事なのです。

お土産を不足させず、すべてのご出席株主さまにお渡して「ありがとうございました!」
とお見送りし、「おつかれさまでした。」と言っていただけるまで続く緊張感。

今年は、永年続いた、このストレスから解放されています。
無責任な立場からですが、各ご担当者さま、頑張ってください!
ご健闘をお祈り申し上げます。


  行政書士 泉つかさ法務事務所 (泉 司) 
  URL http://www.eonet.ne.jp/~tsukasa-houmu

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