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新幹線の清掃軍団は“7分間の奇跡”を演じる!

     ◆◆コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆

   <第310回>賢人のコンピテンシーをベンチマークする!<その3>

    ==■「新幹線の清掃軍団は“7分間の奇跡”を演じる!」■==

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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れと
なり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。
「賢人のコンピテンシーをベンチマークする」と題して分かりやすく解説していき
ます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・
管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非
ともお読みいただきたいと思います。

===================================

■忙しい人はとりあえず流し読みして下さい。後でゆっくり読み直していただくと
 理解が一層深まります。(コンピテンシー宣教師より)■

<今回のメニュー>
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【1】米CNNテレビで「7分間の奇跡」と紹介されて!
【2】当時のシュワルツネッカー知事も視察して唖然!
【3】マニュアルだけでは「おもてなし」はできない!
【4】新幹線輸出の後押しになる!
【5】賢人から学ぶべきこと!
【6】編集後記

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賢人と呼ぶにふさわしい人は、すばらしい「行動特性」を持って行動している。だ
からすばらしい仕事の結果を出すことができるのだ。我々は賢人のコンピテンシー
をベンチマークしない手はないのだ。



【1】米CNNテレビで「7分間の奇跡」と紹介されて!

東北、上越、山形、秋田、長野新幹線の清掃を担当しているのが「JR東日本テク
ノハートテッセイ」という会社だ。以下読売新聞の日本再生のコラムをアレンジし
て引用させていただく。

この会社は新幹線の車両をわずか7分間で清掃するサービスで、米CNNテレビに
「7分間の奇跡」と紹介されるなど海外からも注目を集めている。

新幹線が駅に到着してから折り返して出発するまでは12分間。乗り降りが5分間と
して清掃は7分間で終えなければならない。車両清掃では恐らく「世界最速」だ。

通常は列車一本を22人で担当し、1車両に85から100ある座席を原則一人で時間内
に清掃する早業だ。「JR東日本テクノハートテッセイ」では「新幹線劇場」と
称しているそうだ。



【2】当時のシュワルツネッカー知事も視察して唖然!

2010年のことだった。新幹線の導入を検討しているアメリカのラフード運輸長官
やカリフォルニア州知事だったアーノルド・シュワルツネッカー知事も「新幹線
劇場」を視察した。

列車が新幹線のホームに入ってくると整列して一礼する。乗降口で袋を広げ、降
りるお客様からゴミを受け取る際も「ありがとうございました」と挨拶する。

座席のテーブルを丁寧に拭きながら汚れた窓も拭き、ホウキで床も清掃する。座
席のカバーの交換をやり、棚の忘れ物のチェックも欠かさない。そして清掃後は
乗車待ちのお客様に一礼して終了となる。

「JR東日本テクノハートテッセイ」の情報は世界中にも広まっていてフランス
国鉄の総裁が「テッセイのサービスをフランスに輸出してほしい」と語っている
そうだ。



【3】マニュアルだけでは「おもてなし」はできない!

清掃の「迅速さ」や「正確さ」だけではない。日本人の美徳である「礼」や「お
もてなし」も含めたトータルサービスが高い評価を得ているのである。

「仕事の迅速さ」や「仕事の正確さ」と言う二つのコンピテンシーのほかに「礼」
や「おもてなし」のコンピテンシーも磨き抜かれているから例えば目の不自由な
お客様を見ると座席まで案内する。自然に出てくる行動特性だ。

提案にも積極的だ。赤ちゃんの授乳や着替えの場所がなく困っているお客様が多
いことに気付いた従業員から「ベビー休憩室を設置しては」との提案があり、
JR東日本に働きかけて実現した。

お客様に楽しんでもらうため夏はアロハシャツや浴衣、冬はサンタクロースの衣
装を着る。これも従業員からの提案だ。熱意があればこその提案だ。



【4】新幹線輸出の後押しになる!

政府が新成長戦略の柱と位置付けているのがインフラ輸出で、その一つが新幹線
やその運行システムの輸出だ。

時速300キロという速さと乗客死亡事故ゼロという安全性は世界から高い評価を受
けている。2000年には台湾に初めて新幹線の輸出が決まった。今、インドへの輸
出についても進行中だ。

新幹線が世界で高く評価されているのはハード面だけではない。ソフト面も含め
たトータルサービスにある。「7分間の奇跡」もきっと一役買うことになるだろ
う。



【5】賢人から学ぶべきこと!

「JR東日本テクノハートテッセイ」の矢部輝夫専務の功績は大きい。従業員
意識を変え、「おもてなし」の会社に変えたからだ。

かつては、JR東日本の指示に従って清掃すればいいという雰囲気だったことは
否めない。お客様から注目される中で仕事をしていると「私たちが新幹線を引っ
張っている」と言う気持ちが従業員の中に芽生えてきた。

矢部専務は「皆さんは世界に冠たる新幹線のメンテナンスを清掃という面から担
う技術者だ」と従業員に話しているそうだ。

矢部専務氏の「従業員とのコミュニケーション力」は今日も「7分間の奇跡」を
持続させている。



【6】編集後記

コンピテンシーは「仕事のできる人の集団作り」のために最適のツールだ。「新
幹線のメンテナンスを清掃という面から担う技術者だ」と言われては燃えないわ
けにはいかない。

「笛吹けど踊らず」の会社が世間には五万とある。そのような会社は是非「7分
間の奇跡」をベンチマークしてはどうか。


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次回に続く



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