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市場原理に打ち勝つためには

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経営テクノ研究所
2013年10月21日第1・3週月曜日発行
発行人:舘 義之http://www9.plala.or.jp/keiei-techno/
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★★経営のパートナー★★経営学で企業を再生する
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<目次>
★市場原理に打ち勝つためには
★ちょっと苦言:先(さき)んずれば人(ひと)を制(せい)す
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★市場原理に打ち勝つためには
1.市場重視の経営に徹しよう
 市場原理の社会に対して生き残っていくためには、企業は市場を尊重
し、市場の評価を受け入れ、市場に立脚したコーポレート・ガバナンス
に基づく企業行動を確立することが何よりも必要となってきます。すな
わち、市場重視の経営へと転換することが求められるのです。

 変化を最も敏感に反映するのは市場であり、市場が最も先行的かつ前
衛的に変化します。その市場を活動の舞台とし、日々市場のテストを受
けている企業が改革の先導役にならなければなりません。

 その変革の基本方向は、市場を最も重視する企業行動の確立です。企
業のパフォーマンスは市場でのみ判断されます。もちろん、企業が社会
の求める倫理に反する行動に対しは、市場はペナルティを科すはずです。
多様なステーク・ホルダーとの間の関係も、市場を通した関係の中で透
明で公正なものにしていく必要があります。それらが市場を最も重視す
るということの意味なのです。

 それは同時に、市場に対する責任でもあるのです。市場に対する責任
とは、正しい企業行動原理や適正なルールに則って、利益を追求するこ
とであり、活動の結果としての市場の評価を受け入れること、その行動
と結果に対する自己責任の原則を企業行動の根本に置くことです。

2.自己の経営力しかない
 市場原理の社会において打勝つためには、自己の経営力を高めること
が必要です。そこで、市場原理が強まる社会において、自社の経営上の
問題点がどこにあるかを再認識し、改革に努めることが何よりも求めら
れます。

(1)わが社において、アンバランスになっているのは何か?
(2)わが社において弱体化しているものは何か?  
(3)わが社の効率がフルに発揮できにいのはなぜか?。これを妨げて 
   いるものは何か?
(4)わが社の経営成績はなぜ悪いのか?。この経済成果の実現を阻止  
   しているものは何か?
(5)わが社を拘束、または制約するものは何か? 
(6)わが社の恐れているものは何か?
(7)わが社と他の企業との格差をどうするか?
    
 「自分の生存は、自分の意志と力によって維持するより方法はない。
他力本願を自力本願に変えなければならない。いま、日本は、そのとき
が来たと思う。会社またしかりだ。いっさいは、自力自在によってのみ、
安定し得るのだ」松下幸之助氏の言葉です。これは、市場原理の社会に
対して打勝つべき道を示していると、解釈したいと思います。

 神はみずから助くるものを助くという通り、自己の経営力に期待する
以外に、企業を救う道はないのです。内外のすべての期待は、経営者に
かかっています。その期待を裏切ってはなりません。

3.自社の独自性を発見し維持せよ
 市場原理に打勝つためには、自己の独自性を発揮することです。市場
原理は、企業格差をもたらします。しかし、企業格差を強いるからとい
って、企業の持つ長所や独自性をまで奪うものではありません。

 格差をもたらす企業内資源としては、人的要素と物的要素の2つが挙
げられます。この2つについて、どこに優れた特徴があるのかを知る必
要があります。自社の独自性を発見するということは、企業の構造改革
を進めるうえでの手がかりとなるばかりではなく、発展の道をも切り開
くことになるからです。

 自社のもつ独自性について、チェックすべき項目を次のように整理し
てみましたので、その独自性を見直す必要があります。そして、これら
の企業内資源のどこに独自性があるかが発見できれば、それこそ企業成
長となるバイタリティの要因なのであるから、それを活かす努力をしな
ければなりません。企業格差も、自社の独自性を見失っているからだと
指摘しておきます。

(1)人的要素からなる資源の開発
従業員の労働力と技術力
●幹部社員の管理力と技術力
●経営者の経営力と技術力
(2)物的要素からなる資源の開発   
●製品力(市場の欲望を満足させる製品)
資本(金、その他信用力)
●生産力(機械設備と技術力)
●技術力(明日への商品開発力)   
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★ちょっと苦言:先(さき)んずれば人(ひと)を制(せい)す
 何かやるのに人より先に手をうてば、自分が人をおさえてイニシアチ
ーブをとることができます。後手にまわれば相手にやられてしまいます
が、先手をとることは有利だということです。

 史記(しき)によると、秦(しん)の二世元年、秦の暴政に反抗して
蜂起した陳勝(ちんしょう)・呉広(ごこう)の農民軍は、途中次第に
勢力を加えて破竹の勢いで首都の咸陽(かんよう)を目ざして進んでい
ました。

 江東の会稽(かいけい)郡の群守をしていた殷通(いんとう)も、こ
れに参加しょうとし、有力者の項梁(こうりょう)を招き「この形勢で
は、もはや秦は滅びる運命にある。先んずれば則ち人を制し、後るれば
則ち人の制する所となる(人より先にやれば人を制し得るが、後れれば
しぜんに人に制せられる)といい、ついては君と桓楚(かんそ)の二人
に指揮を任せて兵を挙げたいがどうか」と相談しました。

 すると項梁は「桓楚は今逃亡中ですが、甥の項羽(こうう)は行先を
知っているでしょうから」といって室の外にでて項羽と打ち合わせてか
ら戻り「項羽に桓楚を連れ戻すように命じてほしい」といいました。

 項梁が項羽を呼び入れると、頃合いを見て、項羽は突然剣を抜き殷通
の首を斬りおとしました。かくて項梁は自ら会稽群守となり殷通の精兵
をごっそり手に入れて挙兵したのです。

1.販売活動の合理化を先どりする
 自力自在に期待するということは、企業内の問題点を把握し、それを
機会としてとらえ、その改善策に乗り出すということです。これを決断
し、実行に移せるのは、経営者である自己をおいてないのです。

 さて、経営全般に合理的な方法を経営者がはやく取り入れた企業が、
企業間競争に勝つことができます。合理化は生産や資金や、その他いろ
いろな関係においてもいえることですが、別して販売が合理化されたと
ころが勝つといっても過言ではありません。

 経営者の決断とは「やるか」「やらないか」の二つに一つの意思決定
です。優柔不断は許されません。決断と実行は、起点を同一にするけれ
ども、両者の隔たりは大きいものがあります。すみやかに決断はしたが、
ついに実行に移せなかったという実例はあまりにも多いからです。

2.セールスマンを少数精鋭主義にする
 いまやどんな会社でも少数精鋭にならざるをえません。そこで、この
少数精鋭をいかに具体化するかが問題になってきます。もちろん、少数
精鋭主義は、セールスマンをも含めた自社の全員を指すことは当然なこ
とです。

 そして、現在いるセールスマンを少数精鋭に教育するばかりではなく、
いい人を入れてさらに新人教育をしていくことよって、はじめてセール
スマンの少数精鋭主義が成りたつのです。 

 以下、少数精鋭主義の経営として、次の7項目を実践していく必要が
あります。

(1)能力主義に徹すること
   人の価値判断は仕事中心に考え、成果達成につながる能力を基準と
   する。
(2)適正配置
   仕事の種類・内容が本人の能力にふさわしい適正な配置を行う。
(3)採用の厳選
   人手不足のため、ただ頭数さえ集めればよいというのではなく、不
   足であるからこそ、よい人を厳選する。
(4)責任・権限の明確化
   各従業員には、自主性と自己統制により仕事を処理させる。
(5)コミュニケーションの円滑化
   経営者の方針・目標・計画の周知徹底をはかり、経営に参加させる。
(6)教育訓練の徹底
   仕事上・仕事以外のあらゆる機会を利用し従業員の能力開発を行う。
   しかも、これは計画的に、継続しなければ効果がない。
(7)信賞必罰を明らかにする
   従業員の業績を正しく測定・評価し、正直者が馬鹿をみない経営
   体制をしくこと。

3.時代に合わない赤字商品を一掃する
 商品力が企業の生命であることは、誰も知っていることでしょう。し
たがって、自社の製造、または販売する商品が、市場(顧客)に受入れ
られるものであるか否かを検討するのは当然のことなのです。その商品
力の優劣によって、企業の運命が決まるからです。

 そこで、マイナス商品の存在についてメスを入れる必要があります。
いくら売上げても利益を生まない商品はナンセンスであり、ただちに撲
滅すべきなのです。

 昨日までの稼ぎ手が、今日の稼ぎ手であるとは決まっていません。人
情として、創業時の商品には愛着があります。会社を築いた商品として
捨てにくいものなのです。

 しかし、「昨日の商品」は、利益を生まなくなってきています。傾向
として、売上は多いかも知れませんが、利益に対する貢献度は少なくな
っている場合が多いのです。売上高を落とさないためには、費用を増加
させなければならない傾向を、多分に持っているからです。

 その中で、売上を増加させるためといいながら、利益率の低下した昨
日の商品にしがみついていたり、マイナス覚悟の商品に血道を上げてい
たりしているケースがあります。

 われわれが売るべき商品は、今日から明日へのプラスになる商品でな
ければなりません。

 そのためには、開発商品を持てるように余力を蓄え、技術力・資本
を駆使して商品力強化に努力する必要があります。商品力こそ顧客をひ
きつけ、企業を反映に導く源なのです。

4.マイナスの得意先を切る
 企業が売上増加による金融的魅力にのみ気持が奪われていると、得意
先の良し悪しが見抜きにくいものです。プラスにならない得意先とわか
っていながらも、切るべきか続けるべきか判断できなくなっています。

 たとえば、A社との取引は儲からない。損失は覚悟だ。しかし、他社
に比べて売上高が大きい上に、金払いもよい。それに惹かれて、そのう
ち儲けさせてくれるだろうと、他力本願に走ります。

 あるいは一流のB社と取引することで自社に箔がつく。もう少しの辛
抱だ。やっと一流企業と取引できたのだから損は覚悟。しばらくは先方
の言いなりになっておこう。なんとかなるだろう。これも経営の甘さで
す。自信のない経営者はダボハゼに似て、餌を選ばず食いつくものです。

 売上の増加は、確かに金融的魅力を持ちます。だが、これでよいので
しょうか。取引高の大きさや一流企業の信用が魅力であることは否定し
ません。しかし、そういう得意先が「よい得意先」といえるかどうか、
冷静に考えてみなくてはなりません。 

 本当に経営を合理化しようとするならば、どんな企業でもいい得意先
にしぼるほうがよいわけす。だから売上高の多い順に集計して五割以下
の得意先は捨てることを主張したいと思います。五割を残して、そのほ
うに力を入れます。得意先数は多いより少ないほうが能率がよいという
わけです。

 もちろん、その間も、新規開拓はずっと続けていきます。新規開拓を
していきながらいい得意先にサービスを集中して、重点販売をするのです。

 勇気をもって「マイナスの得意先を切る」英断こそ、経営の第一歩で
あることを忘れてはなりません。
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★舘 義之のポジション
 人事・IE・VE・マーケティングコンサルタント
 人事・IE・VE・マーケティングの三輪で企業体質の仕組みを構築
して、厳しい経営環境の中で勝ち残っていく会社にすることを第一に支
援します。
舘 義之への問い合わせstudy@agate.plala.or.jp
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