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年間2万人の救急患者を受け入れて奮闘するER医師に学ぶ!

    ◆◆コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆

 <第322回>賢人のコンピテンシーをベンチマークする!<その15>

==■「年間2万人の救急患者を受け入れて奮闘するER医師に学ぶ!」■==

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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れと
なり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。
「賢人のコンピテンシーをベンチマークする」と題して分かりやすく解説していき
ます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・
管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非
ともお読みいただきたいと思います。

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■忙しい人はとりあえず流し読みして下さい。後でゆっくり読み直していただくと
 理解が一層深まります。(コンピテンシー宣教師より)■

<今回のメニュー>
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【1】若い時の林寛之医師の苦い経験!
【2】自らの仕事を「名探偵コナン」になぞらえる!
【3】診断力と不安を和らげる技術力を高める!
【4】ER医師を目指す若手育成に腐心する日々!
【5】賢人から学ぶべきこと!
【6】編集後記

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賢人と呼ぶにふさわしい人は、すばらしい「行動特性」を持って行動している。だ
からすばらしい仕事の結果を出すことができるのだ。我々は賢人のコンピテンシー
をベンチマークしない手はないのだ。



【1】若い時の林寛之医師の苦い経験!

林寛之医師51歳。ER医師だ。ERとはEmergency Room、直訳すれば「緊急ルーム」
と言うことになる。「救急患者の駆け込み寺」と言ってもよい。

埼玉県で今年(平成25年)、救急車が25回も受入を断られ、26回目に受け入れられ
た病院で死亡が確認された。25回は極端でも3回以内に受け入れてくれる病院が見
つかる例は少ないそうだ。

特に夜間や早朝、休日は厳しい。断られる理由で多いのは救急隊からの病状を聞い
ただけで、「専門医不在」で断られると言う。

今回紹介する林医師は若いとき苦い経験と挫折を味わったそうだ。患者の訴えにき
ちんと耳を傾けることができず、重い病気を見落とした。それ以来、貪欲に知識を
吸収し、かつ自分を疑い続けることを自らに課した。そしてカナダへの留学経験を
生かしてER医師を目指した。現在、福井大学医学部付属病院のER(救急医療室)
チームを率いている。年間2万人もの救急患者を受け入れているのだ。

このERチームには他県からまで林医師に学ぶため若手の医師がやってくる。将来
の日本のER医療のための人財育成にも貢献しているのだ。



【2】自らの仕事を「名探偵コナン」になぞらえる!

突然病気に見舞われた患者の多くは「パニック状態」に陥っていることが多く、自
分の症状を正確に言い表すことができない。

そんな中、林医師は問診だけでなく、顔色、目の動き、汗の量、呼吸音など身体の
発するサインを鋭く見て取り病名を絞り込んでいく。それだけではない。的確な検
査を施すことで患者の「隠れた病」まで明らかにする。こうした自らの仕事を林医
師は探偵の謎解きにも似ていることから「名探偵コナン」と心の中で思っているよ
うだ。

ER医師は、正しい病名を突き止めて、必要があれば専門医に引き渡す。これに徹
しているのが林医師率いるERチームなのである。



【3】診断力と不安を和らげる技術力を高める!

軽症から重症まで、それこそあらゆる患者がやってくる。

林医師が大切にしているのは「正確な診断」だけではない。「患者が抱いている不
安」をいかに受け止めて和らげるかと言うことにも真剣に取り組んでいる。

患者は誰もが自分が重篤で深刻な状態に陥っているという不安にさいなまれている。
病気の診断だけでなく、不安を和らげてあげることにも医師の任務と心得ているの
だ。それが林医師の信念なのである。

めまいを訴える患者に必ず行うテストがある。それは「パトカー」、「めだか」、
「なめこ」の3語を3回繰り返すテストだ。脳幹に梗塞などの障害があると「カ行」、
「マ行」、「パ行」の発音がうまくできない。さらに同じ単語を3回繰り返すこと
ができなければ小脳の梗塞を疑わなければならない。このように、林医師ならで
はの手法を駆使して謎を解いていくのだ。

長年努力して築き上げたこのようなノウハウまで惜しみなく若手の医師たちに継
承しようとしているのである。



【4】ER医師を目指す若手育成に腐心する日々!

岐阜県からわざわざ林医師率いるERチームに参加している“山口つかさ”さん
と言う女性の医師がいる。林医師は福井県内からきている医師だけでなく他県か
らきている医師にもER医療を伝授しているのには頭が下がる。

あるとき、旅行の途中で腹痛に見舞われた男の子が運び込まれてきた。山口医師
に対応を任せた。男の子はお腹の左下のあたりが痛いと言う。山口医師氏は盲腸
も疑ってみる必要があると告げた。男の子の父親は、「先生、盲腸は右下でしょ」
と不信がる。

「一般にはそうなんですが、左が痛くて盲腸と言う例もあるので念のため確認し
たい」と父親を説得した。林医師は「賛成。突き詰めてみなさい」と言う。

普通のER医療なら痛め止めの注射を打って、「家に帰ったたら近くの病院で診
察を受けなさい」で終わるだろう。

「突き詰めて、突き詰めて、突き詰めろ」が林医師のモットーだ。若い医師たち
にもそのモットーを植え付けているのだ。



【5】賢人から学ぶべきこと!

林医師は、貪欲に知的武装を図ってきた。知的武装だけではない。考えるのでは
なく攻めることこそ命を救うための極意と認識し、正しい病名を特定するノウハ
ウを築き上げてきた。

「自分が数十年掛かって築いてきたノウハウをたった数年で身に付けてほしい」
と惜しげもなく若手医師たちに継承しようとしている姿には共感を覚える。それ
が「突き詰めて、突き詰めて、突き詰めろ」に凝縮している。すごい信念だ。

林医師にとってプロフェッショナルとはと質問されてこう答えた。

「ずっと切磋琢磨していくという過程がプロであって、出来上がって自分がトッ
プだよって言うようになったらたぶん終わりだと思いますんで。だから、まだま
だなんです。まだまだです」とあくまでも謙虚だ。



【6】編集後記

これから高齢化は益々進む。救急患者は一刻を争う。たらい回しにする今の現状
を打破しなければならない。

当直医は若いインターンの医者が多い。一般の病院には専門医はほとんどいない。
受入を断る格好の理由になっている。やはりER医療の充実を図るべきだ。どん
な患者でも正しく診断して処置でなければ医療福祉などありえない。

<今回の記事は、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」を参考にさせていた
 だいた>



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次回に続く

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