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コラムの泉

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瀕死のマクドナルドを復活に導くプランはあるのか?

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『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』 
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大変ご無沙汰しております。『ビジプロ通信』ナビゲーターの安部です。


前回のメルマガが3月11日ですから2ヶ月も間が空いてしまいましたね。

お楽しみにお待ちいただいていた方がいらっしゃいましたら
誠に申し訳ございませんでした。m(_ _)m

この2ヶ月間、怒涛のような日々を過ごしていました。(^^;

3月の下旬には大分や名古屋で講演。

4月に入り新入社員研修の季節になると、昨年の3倍ほどの依頼をいただき、
総勢およそ1000名の新入社員の皆様に社会人としての心構えを
お伝えしてきました。

新入社員研修はようやく明日で終わりを迎えます。

また、テレビや雑誌などの取材のオファーもたくさんいただきました。

テレビには4月8日と29日に出演。

<4月8日> http://ameblo.jp/mbasolution/entry-12015494439.html
<4月29日> http://ameblo.jp/mbasolution/entry-12021267815.html

R25では『「メジャー」の道は一番にあり!?』という取材記事を
掲載いただいています。
http://ameblo.jp/mbasolution/entry-12025191046.html

他にもファッション雑誌の特集でモデルの石井美絵子さんと対談したのですが、
発売は5月28日なのでまたお知らせしますね。

以上、この2ヶ月いろいろとありましたが、やはり最大のイベントは
何と言っても今年5冊目となる著書が出版されたことでしょう。(笑)

まだ発売されたばかりで、只今書店で大きく展開いただいていますので、
是非とも書店にお立ち寄りの際は手に取ってお確かめいただけると嬉しいです!

最新刊は『マンガですぐわかる!ピケティと21世紀の資本論 格差の本質と
これからの私たちがやるべきこと』というタイトルで、ピケティ教授の
『21世紀の資本』をわかりやすく解説した書籍になります。

こんな本です!(^^)⇒ http://www.mbajp.org/i/s/49q.html


それでは、久しぶりのメルマガも張り切ってお届けしていきたいと
思いますので、是非とも最後までお付き合い下さいませ!(^^)

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メルマガはなかなか出せませんでしたが、Bizコンパスでの連載は定期的に
更新しています。前回のメルマガ以降の新しい記事をご案内しますので、
まだお読みでない場合は是非ともご訪問下さいね!
(記事をすべて読むには無料の会員登録が必要となります。)


【経営者が知っておきたいビジネス理論入門】


■ 第34回:新市場に活路を見いだす日本酒メーカーの戦略とは?
http://www.bizcompass.jp/original/re-management-005-29.html

■ 第35回:スマホ市場でVAIOが犯した致命的な戦略ミスとは?
http://www.bizcompass.jp/original/re-management-005-30.html

■ 第36回:レモンジーナはなぜ販売休止に追い込まれたのか?
http://www.bizcompass.jp/original/re-management-005-31.html

■ 第37回:『食べるラー油』のロングセラー戦略は成功するか?
http://www.bizcompass.jp/original/re-management-005-32.html


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■ 1日3分で身につけるMBA講座
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さて、今回の『1日3分で身につけるMBA講座』では、深刻な業績不振に陥る
マクドナルドの復活策について考えていくことにしましょう。

みなさんもどうすればマクドナルド経営を再建できるか
一緒に考えてみて下さいね。


■ 未曾有の危機に瀕するマクドナルド


現在、マクドナルドは未曽有の危機に瀕しています。

昨年7月には中国の契約企業で期限切れの鶏肉が使用されている問題が発覚。

この問題に対して7月21日には当該企業から仕入れた鶏肉を使用したメニュー
の販売休止を即座に決定しましたが、変色した鶏肉が混ぜ合わされる内部告発
の生々しい映像がインターネット上で拡散すると、食の安全に細心の注意を
払う顧客の足が遠のいていきます。

結果、7月の既存店の売上高は前年同月比マイナス17.4%と大きな落ち込みを
記録してしまいます。

さらに追い打ちをかけるような事件がマクドナルドを襲います。

今年の1月には小さなビニール片やプラスチック片などの異物混入騒ぎが
巻き起こって、ネット上で大騒ぎとなりました。

これをマスメディアがこぞって取り上げるとマクドナルドのイメージは
大きく傷つき、さらに顧客に敬遠されるようになったのです。

これら異物混入事件は、ようやく消費期限切れ鶏肉の使用問題から
立ち直りかけていたマクドナルドの業績に大きな影を落とします。

そして、1月の既存店売上高は前年同月比38.6%減と、未だかつてない
落ち込みを記録し、マクドナルドは経営の危機に直面したのです。

これらの不祥事が重なり、2014年12月期の決算では直営店と
フランチャイズ店を合わせた全店売上高が11.5%減の4,463億円、
日本マクドナルドホールディングスとしての最終利益は218億円の赤字に
転落することになります。

今年度、逆風はさらに厳しくなり、2015年12月期の業績予測では、
全店売上高が14.4%減の3,820億円、最終利益で380億円の赤字と
悪化の一途を辿ることが見込まれています。


■ マクドナルドが掲げる再生プランとは?


マクドナルドはこのような危機的な状況に際して、
4月16日に『ビジネスリカバリープラン』を発表します。

その骨子は以下の4つのポイントとなります。


1.よりお客様にフォーカスしたアクションを心掛ける
2.店舗改装を含めた店舗投資を加速させる
3.地域に特化したビジネスモデルを確立する
4.コストと資源効率を改善する


ここでは再生プラン一つひとつを細かくお伝えしていくことは省きますが、
今後マクドナルドが復活を果たすためにはかなりの困難が待ち受けていること
は誰の目にも明らかといえるでしょう。

ここで、もしあなたがマクドナルドの経営者であれば、
どのような戦略で危機的状況から脱出するでしょうか?

是非とも今一度、読み進めることをストップして考えてみて下さいね。


■ どうすればマクドナルドは危機から脱出することができるのか?


恐らくマクドナルドは、今後これまでの延長線上で事業を展開するなら
数年のうちに深刻な危機を迎えることは間違いないでしょう。

というのも、今期は最終利益で380億円の赤字を見込んでいますが、前期末の
連結貸借対照表を分析するとキャッシュはわずか286億円ほどしかありません。

今後も同じ規模で赤字が続くようであれば、現金の持ち出しが相次ぎ
キャッシュが底を付くことさえ考えられない話ではないのです。

この水準では、借入や増資、もしくは資産の売却などで資金を捻出しなければ、
今年の末までにはキャッシュがショートする計算です。

私自身は、このような危機的状況から抜け出すためにマクドナルドにとって
重要なことは、数年前の絶頂期を目指そうとしないことなのではないかと
考えます。

つまり、過去の成功体験を捨て去り、環境変化に応じた経営を心掛けることが
危機脱出の鍵を握るというわけです。

原田泳幸氏がマクドナルドの社長を務めていた時代は、デフレの波に乗り、
無料のコーヒーキャンペーンや100円マックなど低価格商品の品揃えを
充実させ、ハンバーガー業界のみならず、牛丼業界やファミリーレストラン、
コンビニなど異業種から顧客を奪う“全方位戦略”で成功を収めてきました。

ところが、消費者を取り巻く環境は大きく変わり、安さだけでは顧客の心を
引き留めることが難しくなり、デフレ時代にインパクトのあるキャンペーンの
実施などで獲得した多くの“にわか顧客”の心は離れてしまったのです。

このような心の離れてしまった顧客を再び取り戻すことは難しいことを
考えれば、かつて大きな成功を収めた全方位戦略で規模をどんどん拡大して
いく方向を目指すのではなく、“にわか顧客”の取り込みを諦めて、
どんなことがあっても離れなかったコアなファンだけを対象にビジネスを
展開していくべきなのです。

マクドナルドの顧客離れは深刻ですが、それでもどんなにマクドナルドが
非難されようとも変わらず利用し続けるコアなファンがたくさん存在するのも
事実です。

今後は、規模は小さくなりますが、このようなファン客を中心にした
ビジネスを展開すべきなのです。

ただ、もしマクドナルドが今後縮小均衡を目指すのであれば、
損益分岐点売上高が高すぎるという問題に直面することになるでしょう。

日本マクドナルドホールディングスの連結決算では2013年12月期の売上高
2,600億円で100億円の経常黒字、そして2014年12月期の売上高が2,200億円で
80億円の経常赤字ということを踏まえれば、恐らく現状は2,400億円前後が
損益分岐点売上高になるはずです。

今後も売上減少が見込まれるのであれば、この損益分岐点
ドラスティックに引き下げていかなければならないというわけです。


■ 損益分岐点を劇的に引き下げるための鍵になる戦略とは?


それでは、マクドナルドはどうすれば損益分岐点売上高を引き下げることが
できるのでしょうか?

その重要な鍵を握るのが『固定費変動費化』といえるでしょう。

つまり、人件費や店舗の賃料など売上に関わらずかかっている経費を売上に
応じて変わる変動費に転換する必要があるというわけです。

そのために今マクドナルドが世界レベルで推し進めているのが
フランチャイズ店の促進です。

アメリカのマクドナルド本社では、業績不振に陥った再建策として世界レベル
でのフランチャイズ化を推し進め、現状の81%から2018年末までに90%まで
引き上げることを計画しています。

このフランチャイズ化によりマクドナルド本体の経費はドラスティックに
引き下げられ、収益の大幅な改善が見込めるようになるのです。

日本マクドナルドに関していえば、2014年12月末現在では全3,164店舗中
フランチャイズは2,151店に留まり、68%と世界標準からは
大きくかけ離れています。

今後は不採算の直営店を大幅に削減するなどして米国本社が目指す
フランチャイズ率90%へと近づけていかなければならないでしょう。

また、日本マクドナルドにおいては、フランチャイズの促進とともに、
“ローカライズ”の強化が業績復活の鍵を握るといえるでしょう。

今や消費者は“十把一絡げ”では、捉えにくくなっています。

その意味では各店舗ごとに来店顧客の特徴は大きく変わり、
それゆえ商品やサービスも顧客に合わせて提供する必要があるというわけです。

そこで、各店舗にある程度の経営の自由度を持たせることにより、
フランチャイズオーナーが独自に考えて顧客を満足させる施策を取ることが
可能になってきます。

そうして地域密着型でコアなファン顧客の来店頻度を高めていけば、
無理にクーポンやキャンペーンを実施してファンでもない顧客を集める
必要がなくなってくるのです。

このようにマクドナルドは、どんなことがあろうとも変わらず応援してくれる
コアなファン顧客と、マクドナルドの掲げるビジョンに共感して共に道を
歩んでいこうと決意した熱意あるフランチャイズオーナーを強い味方にして、
今一度ビジネスの基礎を固めて着実に利益の上がる体質に改善していくことで、
現在の真っ暗闇の状況の中に一筋の光明を見い出すことが
できるのではないでしょうか。


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※ マクドナルドの『ビジネスリカバリープラン』や決算関係資料は
日本マクドナルドホールディングスのホームページで
ダウンロードいただけます。


http://www.mcd-holdings.co.jp/irevent/index.html#02


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■ 編集後記:
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今週の木曜日と金曜日は大阪での仕事が入っています。

あまり自由な時間はないですが、食い倒れの街ということで、
おいしいものをお腹一杯食べてきたいと思います。(笑)

それでは、季節の変わり目で体調を崩している方もいらっしゃるようですが、
くれぐれもお体にはお気を付け下さいね!(^^)


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最後までお読みいただきましてありがとうございました。 m(_ _)m

今回のメルマガはいかがだったでしょうか?

ご意見やご要望があれば下記のフォームからお気軽にお寄せ下さいね!
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それでは、また次回あなたにお会いできるのを楽しみにしています!(^-^)


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『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』(ビジプロ通信)

編集長: 安部 徹也

発行元:
株式会社 MBA Solution - The Best Solution for Your Business! -
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-12-1渋谷マークシティW22階

URL : http://www.mbasolution.com

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