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コラムの泉

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「懲罰的慰謝料」とは?

12月の初冬を迎える頃、自宅から一駅離れた「光が丘公園」の銀杏並木は黄金色に
なります。その街路には銀杏の木が100本は立つでしょうか。
見事に色づいた葉は、初冬の美しさとともになぜか「はかなさ」も感じさせます。
枯れ果ててしまう寸前の美しさは、蝋燭が消える前に一瞬輝きを増すように、
死にゆくものの最後のきらめきを感じるからかもしれません。
そして街路一杯に散らばった落ち葉の中に独特の匂いを漂わせる実が、踏みつぶされて、
無残にひしゃげているのを見つけたときは、何かはかなく、辛い・・・・・。

 黄色い落ち葉は、はるか昔の小学生のとき、晩秋の校庭に落ちた銀杏の葉から、
いい形のものを探し出し、押し花のように本の「しおり」にしていたことを思い出させます。
その古いセピア色の「しおり」の姿は、ときを遠く隔たった今でも、懐かしさとともに
私の頭の中で翻っています。

今年は私のこれまでの人生で、またこれから残された人生の中でも、最も辛く悲しい一年
となってしまいました。
人生はよく3つの坂に例えられます。
何をやっても順風満帆で調子が良いときの『上り坂』、物事が停滞したり思わしくない結果
が出たりする『下り坂』、そして想像の範疇を超えた出来事に出くわしたり、思いもよらぬ展開
になったりする『まさかの坂』。
私は、歳を取るに連れ、だらだらと下る『下り坂』を歩いていると思っていましたが、
今年はとうとう『まさかの坂』に出会ってしまいました。
この坂に出会っても素早く上手に抜け出せる「人生の達人」もいるそうですが、
何事につけても不器用で、人に一歩も二歩も遅れて歩くのを得意とする私なんかには
とても簡単には抜け出せない厄介な坂です。
だから私は、『まさかの坂』に出会ってからこのかた、未だに坂の下の方にうずくまって、
ただただ、途方にくれているばかりです。
 
最近、私はよく手に持っている物を落とすようになりました。持とうとして手で掴んだ
ものが、なぜかポロッ、ポロッと手からこぼれていくのです。
きっと手に脂がなくなったせいでこぼれやすくなったんろうと思っているのですが、
痛む腰を曲げて、自分で拾わなければならないため、ついついイライラしてしまいます。
そして傍に誰もいないのに、一人で「暴走シニア」並にキレて悪態をついたり、
“勘弁してくれよ”と泣き言を言ったりしています。
でも、私がキレルのは、殆どが私一人でいるときで、然も自分自身にキレているので、
実害はありません。何しろ私には他人様にキレルほどの度胸がないので、
「暴走シニア」にはなれませんから・・・・・。

あぁ、そうそう、一人ではなく愛犬が居ました。愛犬が傍で聞いていて、ときどき
“大丈夫?”と心配そうに私の顔を見上げて“ワンワン”と吠えるのでした。
何しろ愛犬「ハナちゃん」は、今は私と二人暮らしの相棒で、私が仕事に出ている昼間は
一人でけなげに留守を守り、朝晩、私が家に居るときは、何時も私に引っ付いています。
特に寒くなった昨今は、毎晩、私のベッドに潜り込んで来て、二人で寝ています。


本年は、これが最後の「人事労務情報」となります。
この「人事労務情報」をお読み頂いている皆さまが、「楽しい年越し」と、素敵な新年
をお迎えになりますよう心から祈念しております。“良いお年を!” そして
“来年もどうぞよろしく!”

前回の「社保加入判断は「派遣先」?」についての話、如何でしたでしょうか。
今回は、「「懲罰的慰謝料」とは?」についての話をします。

──────────◆ 目 次 ◆──────────────

○ 「懲罰的慰謝料」とは?
────────────────────────────────
過労死・過労自殺の損害賠償請求訴訟では、(1)死亡による精神的苦痛に対する
慰謝料、(2)死亡しなければ得られたはずの収入を填補する遺失利益、
(3)葬儀費用等が請求内容となります。
このうち、(1)は交通事故裁判例の蓄積によって作成された、いわゆる裁判所基準
により算出され、(2)は死亡労働者の基礎収入から生活費を差し引いた額に係数を
掛け合わせて算出されます。
実際には他にも様々な事情を斟酌して算出されますが、あくまでも死亡による
損害を回復するという考え方です。
過労死についての有名な労働判例である電通事件では、会社の支払額は約1億6,800万円
(うち遅延損害金4,200万円)でしたが、先般、裁判外で和解をしたワタミ事件では
会社は1億3,365万円を支払うこととなりました。
いずれも高額な賠償金支払義務を負った点は共通しますが、ワタミ事件の1億3,365万円は、
上記(1)で示した従来からの相場では、2,000~2,500万円のところ懲罰的慰謝料と合わせて
4,000万円とされ、これに上記(2)による7,559万円等を加えて算出されています。

この“懲罰的慰謝料”が認められた点が、過去の事件と大きく異なると言われています。
アメリカ等では、損害賠償金の目的には損害の回復のほかに違法行為の抑制もあるとして、
生じた損害以上の賠償金を認めます。ファーストフード店で買ったコーヒーをこぼして
火傷を負った客への賠償金約3億円の支払いが命じられた例もあります。
日本でも大型トレーラーの脱輪事故で1億円を懲罰的慰謝料として請求したケース等
ありますが、これまで認められたものはありませんでした。
ワタミ事件で原告側代理人を務めた弁護士は、「今後、同様の事件を起こした企業には、
司法判断としても、社会的非難としても、厳しい判断が相次ぐだろう」とコメント
しています。
労働基準行政でも、違法な長時間労働の是正勧告に従わない企業名の公表、送検
いった取組みが強化されてきております。
今後は益々コンンプライアンス重視をしない企業は、社会から淘汰されて行くと
言えるかもしれません。

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