昨今、高齢者の重大な自動車事故が頻発し、大きな社会問題となっています。
急速に高齢化が進む現在、高齢者問題が深刻な社会的問題として取り上げられるようになりました。
相次ぐ「アクセルとブレーキの踏み間違え自動車事故」が世間の注目を集めているほか、
「若い駅員を怒鳴りつける」、「蕎麦屋の店員にいちゃもんをつける」、「人の言うことを聞かず、
自分の主張ばかりを声高に叫ぶ」などなど高齢者の理不尽な行動が次々と伝えられています。
確かに、高齢者となった自分自身のことを考えても「高齢になると怒りやすくなるという説
(但し、私は他人を怒るなんてストレスが高まることは滅多にしません。モノを手から落とすことが
多くなった昨今、専ら落っことした物を拾うときに自分で自分に怒り狂うことがありますが……。)」は、
信憑性があるようです。
医者によると「高齢になると脳の前頭葉が収縮し、判断力が低下し、感情の抑制が利かなくなる」から
怒りやすくなるんだそうです。それじゃ私も「前頭葉が小さくなって、判断力が低下しているのか?」
と思うとチョット情けないような感じもします。
未だ現役並み(?)に働き、税金も
医療費も高額なお金を取られているので、頭も現役並みと思って
いましたが、実際は脳が小さくなっているなんて!……。
その高齢者の中心層が「団塊の世代」です。日本にはおよそ1000万人もの団塊世代がいると言われ、
そのボリューム感は突出しています。
大部分の団塊世代(昭和22年~24年生れ)の方が、もう70歳を過ぎて年金生活に入り、穏やかに暮らして
いるかと思いますが、彼らの多くは戦前からの「古い価値観」を引きずっています。ただ、彼らが
「戦前世代」と異なる点は、「古い価値観」を引きずっていると同時に戦後の「新しい価値観」も
併せ持っているということです。
団塊世代は人数が多く、厳しい競争に晒されてきました。「4当5落」と言われた受験戦争を潜り抜け、
社会に出てからも何事につけても激しく競争してきました。「つねに同僚や周囲から後れを取っては
いけない」という環境の下で育った結果、強い競争意識と闘争心を身に付けざるをえなかったのです。
そんな闘争心を持ったまま引退生活に入ったので、日本全国で「自分の存在を誇示したがったり、
威張ったりする」、いわば困ったジイサン達が増えたのではないかと私は思っています。
そして一部のジイサンは、若い女の子が戸惑うようなナンパまがいなことをしかけちゃったり、あるいは
店員の小さなミスも決して見逃さず騒ぎ立て、泣きだしても容赦しないくらい怒りまくってしまうことも
あるようです。
「独居ジイサン」として生活している私は、日頃よくコンビニを使います。
毎日、コンビニにせっせと通っていますが、ときにはレジで優しいオネーさんに出くわすことがあります。
たいした金額でもない弁当を買っただけなのに明るい笑顔で接してもらうと、その日は何か得をしたような
気分になります。
“普段は素っ気ない店員ばかりなのに、あのオネーさんだけは優しい”と
そのオネーさんの笑顔に接したいために、要らないものまで買いに改めて出かけたりしています。
最近は、余り良いイメージのないジイサンの中にも私のような真面目で純朴な(?)ジイサンも居るんですね。
「人生いろいろ、ジイサンだって色々」とよくいったもんです……。
前回の「交通事故発生時の企業責任」明示義務についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「パタハラ」についての話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○「パタハラ」
───────────────────────────────
厚生労働省「平成30年度
雇用均等基本調査(速報版)」により、最新の
育児休業取得率
(調査対象事業所における、
出産者(男性の場合は配偶者が
出産者)のうち
育児休業を
開始した者の割合)が判明しました。
女性の取得率は82.2%で、10年以上高水準で安定しています。その一方、男性の取得率は
6.16%ということで、6年連続で上昇はしていますが、依然としてきわめて低調です。
そのような中、6月5日、自民党の有志議員が「男性の
育児休業義務化」を目指す
議員連盟の設立総会を開きました。議連は、本人からの申請がなくても、企業から
「
育児休業を取らないのか」と促すことを義務付ける仕組みの制度化を目指すとし、
育介法の改正などを視野に活動するとしています。
おりしも、大手化学メーカーにおいて、パタニティ・ハラスメント(男性の育休取得者
への嫌がらせ)疑惑が取り沙汰されています。
報道等によれば、ある男性社員が約1カ月弱の
育児休業休暇を取得したところ、
職場復帰した翌日に転勤を命じられ、その後の転勤時期をずらす交渉等もまとまらず、
退職を余儀なくされたといいます。
男性の妻が、社名をほのめかした発信をTwitter上で行い、またたく間に社会問題化して
しまいました。
同社は「くるみん」(厚生労働省による子育て支援に積極的な企業への認定マーク)を取得
していたため、前述の議連からも「くるみんを取得していても、あのような事例があったのは
残念」と名指しでコメントされる等、望ましくない事態となっています。
法律上、
使用者は「
労働者の子の養育(略)の状況に配慮しなければならない」(育介法26条)
とされていますし、必要性のない
配置転換であれば「
権利の濫用」(労契法3条5項)とみなされる
恐れもあります。また、違法性がないとしても、ハラスメント行為と世間から見なされることと
なれば、今回の大手化学メーカーのように大きなイメージダウンとなり、企業活動にも支障を
きたすことになるかもしれません。
法律の正しい理解と、ハラスメントを生まない職場づくりが求められます。
事務所のホームページを更新しております。
ご興味のある方は、
http://www.node-office.com/index/index.html
または、
http://www.humansource.co.jp/ へどうぞ
当事務所所長 野手 茂 著の「サラリーマン講座
退職金・年金編」が 文芸社
より、全国書店、ネット書店で販売中です。
昨今、高齢者の重大な自動車事故が頻発し、大きな社会問題となっています。
急速に高齢化が進む現在、高齢者問題が深刻な社会的問題として取り上げられるようになりました。
相次ぐ「アクセルとブレーキの踏み間違え自動車事故」が世間の注目を集めているほか、
「若い駅員を怒鳴りつける」、「蕎麦屋の店員にいちゃもんをつける」、「人の言うことを聞かず、
自分の主張ばかりを声高に叫ぶ」などなど高齢者の理不尽な行動が次々と伝えられています。
確かに、高齢者となった自分自身のことを考えても「高齢になると怒りやすくなるという説
(但し、私は他人を怒るなんてストレスが高まることは滅多にしません。モノを手から落とすことが
多くなった昨今、専ら落っことした物を拾うときに自分で自分に怒り狂うことがありますが……。)」は、
信憑性があるようです。
医者によると「高齢になると脳の前頭葉が収縮し、判断力が低下し、感情の抑制が利かなくなる」から
怒りやすくなるんだそうです。それじゃ私も「前頭葉が小さくなって、判断力が低下しているのか?」
と思うとチョット情けないような感じもします。
未だ現役並み(?)に働き、税金も医療費も高額なお金を取られているので、頭も現役並みと思って
いましたが、実際は脳が小さくなっているなんて!……。
その高齢者の中心層が「団塊の世代」です。日本にはおよそ1000万人もの団塊世代がいると言われ、
そのボリューム感は突出しています。
大部分の団塊世代(昭和22年~24年生れ)の方が、もう70歳を過ぎて年金生活に入り、穏やかに暮らして
いるかと思いますが、彼らの多くは戦前からの「古い価値観」を引きずっています。ただ、彼らが
「戦前世代」と異なる点は、「古い価値観」を引きずっていると同時に戦後の「新しい価値観」も
併せ持っているということです。
団塊世代は人数が多く、厳しい競争に晒されてきました。「4当5落」と言われた受験戦争を潜り抜け、
社会に出てからも何事につけても激しく競争してきました。「つねに同僚や周囲から後れを取っては
いけない」という環境の下で育った結果、強い競争意識と闘争心を身に付けざるをえなかったのです。
そんな闘争心を持ったまま引退生活に入ったので、日本全国で「自分の存在を誇示したがったり、
威張ったりする」、いわば困ったジイサン達が増えたのではないかと私は思っています。
そして一部のジイサンは、若い女の子が戸惑うようなナンパまがいなことをしかけちゃったり、あるいは
店員の小さなミスも決して見逃さず騒ぎ立て、泣きだしても容赦しないくらい怒りまくってしまうことも
あるようです。
「独居ジイサン」として生活している私は、日頃よくコンビニを使います。
毎日、コンビニにせっせと通っていますが、ときにはレジで優しいオネーさんに出くわすことがあります。
たいした金額でもない弁当を買っただけなのに明るい笑顔で接してもらうと、その日は何か得をしたような
気分になります。
“普段は素っ気ない店員ばかりなのに、あのオネーさんだけは優しい”と
そのオネーさんの笑顔に接したいために、要らないものまで買いに改めて出かけたりしています。
最近は、余り良いイメージのないジイサンの中にも私のような真面目で純朴な(?)ジイサンも居るんですね。
「人生いろいろ、ジイサンだって色々」とよくいったもんです……。
前回の「交通事故発生時の企業責任」明示義務についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「パタハラ」についての話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○「パタハラ」
───────────────────────────────
厚生労働省「平成30年度雇用均等基本調査(速報版)」により、最新の育児休業取得率
(調査対象事業所における、出産者(男性の場合は配偶者が出産者)のうち育児休業を
開始した者の割合)が判明しました。
女性の取得率は82.2%で、10年以上高水準で安定しています。その一方、男性の取得率は
6.16%ということで、6年連続で上昇はしていますが、依然としてきわめて低調です。
そのような中、6月5日、自民党の有志議員が「男性の育児休業義務化」を目指す
議員連盟の設立総会を開きました。議連は、本人からの申請がなくても、企業から
「育児休業を取らないのか」と促すことを義務付ける仕組みの制度化を目指すとし、
育介法の改正などを視野に活動するとしています。
おりしも、大手化学メーカーにおいて、パタニティ・ハラスメント(男性の育休取得者
への嫌がらせ)疑惑が取り沙汰されています。
報道等によれば、ある男性社員が約1カ月弱の育児休業休暇を取得したところ、
職場復帰した翌日に転勤を命じられ、その後の転勤時期をずらす交渉等もまとまらず、
退職を余儀なくされたといいます。
男性の妻が、社名をほのめかした発信をTwitter上で行い、またたく間に社会問題化して
しまいました。
同社は「くるみん」(厚生労働省による子育て支援に積極的な企業への認定マーク)を取得
していたため、前述の議連からも「くるみんを取得していても、あのような事例があったのは
残念」と名指しでコメントされる等、望ましくない事態となっています。
法律上、使用者は「労働者の子の養育(略)の状況に配慮しなければならない」(育介法26条)
とされていますし、必要性のない配置転換であれば「権利の濫用」(労契法3条5項)とみなされる
恐れもあります。また、違法性がないとしても、ハラスメント行為と世間から見なされることと
なれば、今回の大手化学メーカーのように大きなイメージダウンとなり、企業活動にも支障を
きたすことになるかもしれません。
法律の正しい理解と、ハラスメントを生まない職場づくりが求められます。
事務所のホームページを更新しております。
ご興味のある方は、
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