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「選択的週休三日制」について

私は、昔から寝付くのに苦労するタイプです。ベッドに入って眠れないでいると
「早く寝ないと明日が大変」と焦り、何とか寝付こうとします。でも、寝返りの具合とかエアコンの温度とか
あれこれ試すもののどれも効果がなくて、寝付けません。
眠れないときは羊を数えると良いといいますが、数えて眠れた事は一度もありません。数えれば数えるほど
頭が冴えてしまいます。1000匹なんてあっという間です。私オリジナルの「鳥になって空中を飛び回り、
街を見下ろすイメージ」を頭に描く作戦も不発に終わるともうお手上げです。眠ろうとすればするほど
余計に眠れない。その結果、翌朝は寝不足で頭がフラフラしてしまいます。トホホ……。
ところがたまに、頭が冴えるのとは別の意味で眠れない日があります。いや、眠っているのに眠ってない感じ。
これが最も厄介な「金縛り」に襲われてしまった夜です。
流石に年輪を重ねた私でも滅多に「金縛り」に襲われることはないのですが、先日テレビを見ながら
うつらうつらしているときに突如「金縛り」に襲われてしまいました。幽霊など信じていなくても、
いざ体験してしまうととてつもない恐怖を感じる金縛り。いったん金縛りに出会うと、意識はしっかりしている
のに手足が動かず、助けを求めようと大声を出そうとしても声も出ないという羽目に陥ってしまいます。
でも、こうした不思議な体験の正体は、実は科学的には証明されています。
金縛りは、医学的には「睡眠麻痺」と言い、決して幽霊や得体の知れない物体のシワザではないそうです。
金縛りに会うと強い恐怖心を感じますが、傍に寝ている人が身体のどこかに触ってくれれば消えるようです。
でも、傍の誰かに身体を触って貰えない私みたいな独り暮らしは自力更生あるのみです。何とか身体の一部を
動かそうと悪戦苦闘します。そして身体の一部が動けば脱出成功です。悪戦苦闘を諦めてそのまま寝入っても
翌朝は普通に寝覚めるそうですが、気が小さい私にはとてもそんな大胆なことはできません。
このまま寝入ったら怖いことになるのではと、脱出するまで悪戦苦闘を続けます。
そしてやっと脱出しても再度の金縛りが恐ろしくて暫くは眠れません。だからやっぱり長い夜となり、
翌朝は寝不足のフラフラ状態となってしまうのです。トホホ……。

「金縛り」現象は、個人の睡眠時だけではなく日本の社会や経済にも見られます。
今の制度やシステムに「金縛り」となっているので、新しい思考や方法に臨機応変な対応が出来ないのです。
新型コロナに対するワクチン接種の遅れとか医療機関の数は多いのに医療崩壊を起こすとか、新たな出来事に
対し素早く対応出来ない日本がコロナ騒ぎであからさまになってしまいました。金縛りが柔軟な思考や方法
への妨げとなって、傷口を広げてしまったのです。
そしてこのワクチン接種の遅延は、日本の経済回復にも悪影響を与え、厚労省の金縛り的思考が、実に経済の
実態面にも悪影響を与えてしまったのです。

金縛り状態にあるのは、行政だけではなく日本企業の経営にもあるようです。
バブル崩壊以降、30年にわたって世界で日本だけが成長から取り残されてしまった最大の理由は、工業製品を
大量生産する昭和型モデルから脱却できず、ビジネスのIT化やオープン化といったパラダイムシフトに
対応できなかったことにあると言われています。90年代以降の時代は、全世界的に産業のIT化が本格化
するとともに、中国をはじめとする新興国への製造業シフトが一気に進んだ時期でした。
ところが旧システムに金縛り状態となっていた日本は一連の変化にうまく対応できず、諸外国との格差を
広げてしまったのです。
感染症の流行は、変化のスピードを加速させる作用を持っていると言われます。
コロナ危機によって、10年かかると思われていた変化が3~4年で実現する可能性も指摘されています。
このタイミングで日本経済や企業が変われなければ諸外国との格差は致命的なものとなってしまうかもしれません。

日本の高度成長やバブル経済を体験してきた私はもう十分に生きました。このまま終っても思い残すことは
ありません。でも世界の先頭で戦ってきた日本がズルズルと後退して行く姿を見たくもありません。行政や企業が
旧来制度の金縛りから一刻も早く抜け出して、見事な戦いを世界で繰り広げるのを社会の片隅から応援したいと
願っています。

前回の「無期転換をめぐる裁判の動向」についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「選択的週休三日制」についての話をします。

──────────◆ 目 次 ◆──────────────
「選択的週休三日制」
自民党の一億総活躍推進本部は、希望する社員が週3日休むことができる「選択的週休3日制」の導入に
向けた議論を進めており、政府は、今夏の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に盛り込む方向
で調整しています。
厚生労働省の「令和2年度就労条件総合調査」の結果によると、全体の82.5%の企業が「週休2日制」を
採用(うち44.9%は「完全週休2日制」を採用)し、8.3%の企業が「完全週休2日制より休日数が実質的に
多い制度」を採用しています。
近年、働き方改革推進の一環として、大企業を中心に週休3日制を導入する企業が増えていますが、
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、中小企業でも在宅勤務や柔軟な働き方への対応が求められる
ようになりました。
そこで政府は、労働生産性を高めながら働き方の選択肢を広げるために「選択的週休3日制」の導入を促す
議論を開始しました。
自民党の一億総活躍推進本部が示した「選択的週休3日制」のメリットは以下のとおりです。
・育児や介護、治療に充てる時間の増加
・リカレント教育(学び直し)や大学院進学によるキャリア形成
・地方での兼業やボランティア活動の促進

一方で、給与体系人事評価、労務管理への影響が懸念されます。特に1日あたりの労働時間が増えて週の
出勤日数が減ることによって、個人や他の従業員への業務の負担が増えることが考えられます。また、従業員
多い大企業や中小企業の人員に余裕のある部署等は導入しやすいものの、従業員数の少ない中小・零細企業には
導入のハードルが高いとの意見も出ています。
現在、企業は週休3日制を労使の合意などで導入することができますが、政府は「選択的週休3日制」を導入する
企業に対する助成金等の支援も検討しているとしています。今後、メリットや課題について十分に議論し、
労使双方の効率化が図られることを期待したいと思います。

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