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「採用選考時の提出書類」の条文を就業規則に記載する意味は?

就業規則には採用の章があり「採用」「採用選考時の提出書類」「採用決定時の提出書類」「身元保証」「採用内定」「内定取消」などの一連の規定があります。

しかし、この採用の規定に関して次のような質問を受けることがあります。

就業規則従業員に適用されるものです。採用決定時の提出書類を就業規則に規定するのはわかりますが、採用選考時の提出書類を就業規則に規定するのはおかしくないでしょうか?」

採用選考時の提出書類の規定を就業規則に入れてしまったら、まだ採用されてない選考者にも就業規則が適用されることになる」という疑問です。

言葉を変えると、採用選考者には「写真付きの履歴書」「職務経歴書」「各種資格証明書」「その他会社が必要とするもの」などを提出してもらう必要はありますが、それは、就業規則に書くべき性質のものではないという疑問でもあります。

確かに、鋭い疑問であり指摘です。しかし、けっこう多くの就業規則の雛形に「採用決定時の提出書類」の条文とは別に、「採用選考時の提出書類」の条文があります。では、なぜ、これらの雛形は「採用選考時の提出書類」の条文を就業規則に設けているのでしょうか。

これは、就業規則の本質の話につながります。

そもそも、なぜ、就業規則採用の章を設けるのでしょうか。採用の一連の条文は「採用をされる方」に対してだけ向けられている内容であるわけではありません。選考を行う人事担当者の方々にも守ってもらうべきルールでもあります。

たとえば、A担当者は履歴書だけで選考を進め、B担当者は職務経歴書や資格証明書も要求するといった、担当者ごとのバラつきが生じてしまうと、公平な選考とは言えません。

採用担当者ごとに変わってしまうことがないように(不公平がないように)するためでもあるのです。

会社が正式に決定した採用のルールを就業規則に記載しておくことで、採用担当者の勝手な判断で採用の手続を行うことがないようにしてもらう意味での規定でもあるのです。「採用選考時の提出書類」はその一環の条文です。ですから、就業規則に記載する意味はあるのです。

法律の条文が作られる際には立法趣旨があるように、就業規則の雛形にも条文を設けた意味・理由があります。なぜ、そのような1文があるのかを理解することが重要です。その意味を理解して自社にあった内容に変更・削除することが大切です。そうでないと、適切な(意味のある)運用ができないからです。

最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。

執筆者
フェスティナレンテ社会保険労務士事務所
代表・特定社会保険労務士 小嶋裕司

執筆者プロフィール
就業規則整備とその関連業務を通じて、企業の人事労務の課題を解決する社労士就業規則の整備を通じた人事労務問題解決コンサルタント)です。「課題解決手段型就業規則®」として商標取得。就業規則関連に専門業特化(業務の99%超)しているため、多数の利害関係人の調整が必要な業務や、複数年に及ぶ長期プロジェクトなど、高い課題解決力が求められる業務も多いです。就業規則のクライアント企業は幅広い(小規模~東証プライム上場企業/北海道~沖縄県まで)ですが、二代目社長や事業承継前後の老舗企業が多いのが大きな特徴です。

■事務所ホームページ
https://www.festinalentesroffice.com/

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