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<第253回>社員の個性で売りまくるジュンク堂マーケティング

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     シリーズ「マーケティング活動に威力を発揮するコンピテンシー!」

  <第253回>[(第16話)社員の個性で売りまくるジュンク堂のマーケティング術!]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「マーケティング
活動に威力を発揮するコンピテンシー!」と題して様々な角度から鋭く分析した
良質の記事を紹介していきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経
営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思いま
す。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「社員の個性で売りまくるジュンク堂のマーケティング術!」
1.ジュンク堂とは!
2.紀伊国屋が撤退していった!
3.立ち読み禁止、座ってどうぞ!
4.専門書では他を圧倒!
5.放任主義という権限委譲でカリスマ店員が次々育つ!
【3】今日のポイント
【4】編集後記

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「本を読む人が少なくなった、活字離れだ」と言われてから久しいのですが、今
回紹介するジュンク堂には当てはまりそうもありません。

豊富な品揃えで何時売れるか分からない本までずらり、工藤社長が書棚を見て
「誰が買うんやろうね、こんな本!」と思わずもらしました。こんな本を仕入れ
たのは現場の店員、でも売れるから不思議です。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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誰が買うんやろうね、こんな本!

                          工藤泰孝

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【2】メルマガ本論

[(第16話)社員の個性で売りまくるジュンク堂のマーケティング術!]

1.ジュンク堂とは!

設立は1963年(昭和38年)で、神戸三宮に一号店をオープンしたことに始まり
ます。

資本金は4,000万円弱、社員数は200人弱で直近の売上高は約400億円です。

本社は神戸市本町通りでしたが1970年(昭和45年)に神戸市三宮に移転してい
ます。

現在28店舗ですが、何と紀伊国屋の隣にあえて出店することも多くなりました。
めったに売れない本も揃えるなど、差別化には絶対の自信があるからです。


2.紀伊国屋が撤退していった!

1998年(昭和63年)に天万橋店を開店しました。紀伊国屋書店の直ぐそばです。
三十数年の歴史のある紀伊国屋天万橋店はこの春閉店しました。

真意のほどは分かりませんが、ジュンク堂との競争に敗れたためではないかと報
じられました。

「宮沢りえの写真集は品切れになっても広辞苑は品切れさせるな!」。これがジ
ュンク堂流の経営スタンスです。写真集なら他の書店にいくらでもあるが、専門
書に強いジュンク堂が専門書の品切れとなれば致命傷になるからです。


3.立ち読み禁止、座ってどうぞ!

多くの店舗では立ち読み厳禁ですが、どうぞ座って本を選定して下さいというス
タンスで喫茶コーナーまで設けてあります。

特に専門書は、たくさんの候補書籍の中から選ぶのに数時間も掛かることはざら
です。その間顧客は立ったままうろうろしながら手に取り、拾い読みしながら物
色するでしょう。

顧客に対する粋な計らいであり、疲れることなく安心して選定に時間を掛けられ
るというわけです。「顧客重視力」なるコンピテンシーは抜群です。

スーパーと同じようにバスケットが用意されていて選定した本はバスケットに入
れて下の階のレジで精算、思わず衝動買いを誘う仕掛けもあります。全ての階に
レジを置いていないのです。各フロアを回遊することになれば衝動買いで客単価
がアップするからです。


4.専門書では他を圧倒!

今、専門書を置く書店がドンドン減っています。めったに売れない本を書棚に飾
っておけば在庫になってしまうから、回転の速い人気作家の文庫本や雑誌・週刊
誌を売るほうが手離れがよく、経営的にも楽だからです。

しかも店員はパートかアルバイト、文庫本や雑誌・週刊誌は熟練の必要はないわ
けですが、専門書の販売には対応できにくいでしょう。これでは差別化にはなり
ません。

大きな書店では書籍検索システムが導入されています。本のタイトル、出版社、
著者などの情報を入力すれば在庫の有無はもちろんのこと書棚も直ぐに分かるよ
うになっています。

しかし、顧客の記憶は正確とは限りません。本のタイトルも不確か、著者といっ
てもめったに売れない専門書は外国人である場合も多く、カタカナ一文字違って
も検索機能は万事休すです。

ジュンク堂は、専門書だけでなくマニア向けの書籍も品揃えは豊富です。

田口久美子氏はカリスマ店員、顧客から聞いた不確かな情報でも瞬時に顧客が求
める本をズバリ探し当てます。見つけてもらった顧客は思わずにっこり、めった
に売れない本が売れた瞬間です。


5.放任主義という権限委譲でカリスマ店員が次々育つ!

ジュンク堂は放任主義という名の権限委譲を徹底しています。店員が自分で仕入
れて書棚に陳列するのです。陳列方法も自分で考えます。ストーリー性を持たせ
て関連のある本を分かりやすく陳列していきます。

顧客は目的買いのほかに衝動買いで思わずバスケットに入れてしまうというわけ
です。

中には5年経っても売れない本もあり、時々廃棄の稟議書が上がってくるそうで
すが工藤社長は意に介さない様子です。「権限委譲力」なるコンピテンシーの高
さをうかがわせます。

前述の田口久美子氏は、カリスマ店員ですが何と「書店繁盛記」という本まで出
版しました。自分の経験を基にどうすれば書店が繁盛するか、ノウハウ満載の本
です。

放任主義とはつまりは力量に応じた権限委譲です。仕入から販売までの仕事のサ
イクルを自分で回すのです。時には失敗もあるでしょうが、失敗を糧に自己成長
し、田口さんのようなカリスマ店員が生まれていくのです。

(今回の参考資料:テレビ東京カンブリア宮殿2007年4月30日放送、他)



【3】今日のまとめ

1.日本一の老舗書店が閉店にまで追い込まれるのは、「専門書のジュンク堂」
  と言わしめる差別化戦略が功を奏していると思われること。

2.本の選定は「座ってどうぞ、ごゆっくりどうぞ」というスタンスが読書好き
  の顧客に受けていること。

3.放任主義という名の権限委譲で社員のモチベーションを上げ、カリスマ店員
  を次々生み出していること。

4.自分で仕入れて陳列し、自分で売るという仕事のサイクルを回すことで得ら
  れる働きがいがモチベーションの源泉になっていること。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp



【4】編集後記

購買責任者が仕入れた本を店員が書棚に陳列する。それだけで本が売れる時代で
はありません。

差別化とは結構言い古されたキーワードですが、この差別化が老舗の巨人をも閉
店に追い込む威力があることを思い知らされた気がします。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=


次回に続く



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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/

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