• HOME
  • コラムの泉

コラムの泉

このエントリーをはてなブックマークに追加

専門家が発信する最新トピックスをご紹介(投稿ガイドはこちら

どん底の会社を蘇らせる再建のプロ、村松弁護士!

      ◆◆コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆

     <第213回>できる人のコンピテンシーをベンチマークする!

    ==■「どん底の会社を蘇らせる再建のプロ、村松弁護士!」■==

===================================

人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れ
となり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。

「できる人のコンピテンシーをベンチマークする!」と題して事例を解説してい
きます。

コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・
管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是
非ともお読みいただきたいと思います。

===================================


<今回のメニュー>
=================================

【1】子供服店の社長の自殺、そして長女の急逝!
【2】参議院財政金融委員会に呼ばれて!
【3】会社の救済は人生の救済だから!
【4】今日のまとめ
【5】編集後記

=================================

弁護とは人を護(まも)ること。読んで字の通りだ。会社を倒産かに救う活動
をしている弁護士はたくさんいるが、今回は松村謙一弁護士(54歳)の「思
いやり」と「顧客重視力」を採り挙げる。

東京京橋の雑居ビルにスタッフ6人の小さな事務所がある。ここが村松弁護士
の事務所だ。松村弁護士がこれまで蘇らせた会社は100社以上もある。

中小企業の企業再生の手法をレビューしておこう。

□ 民事再生
基本は借金を棒引きしてもらい身を軽くして出直そうという手法だ。銀行と取
引先に相応のカットをしてもらうというわけだ。しかし取引先があおりを受け
て倒産に追い込まれることもあるから注意を要する。

□ 私的再建法
銀行にだけ極秘にある金額を借金棒引きしてもらうやり方だ。

□ 営業譲渡
再建のウルトラCといわれるやり方だ。まず新会社を設立し設備、人、借金の
一部を移す。残りの借金を元の会社に残したまま倒産させて営業権を他社に販
売する。新会社は当面営業権をリースして営業し2~3年後にその営業権を買
い取るケースが多い

いずれにしても銀行や債権者との交渉は疲れる。ひたすら頭を下げるから精神
的に参る。大変な仕事だ。



【1】子供服店の社長の自殺、そして長女の急逝!

村松氏は25歳で国家試験に合格した。そして企業再建専門の弁護士事務所に
入った。東京佐川急便事件もそのときに扱ったという。その後独立して事務所
を構えた。

独立して8年目にショッキングな事件に遭遇した。ある日事務所に何枚ものF
AXが。小さな子供服店の社長からだった。いろいろお世話になったこと、い
ろいろアドバイスしていただいたが思うようにできないことに対するお詫び、
そして自殺しますという遺書だった。仕事依頼人の命を救うことができなかっ
たことは大きなショックだった。

その翌年、長女麻衣さんが病気のため15歳という若さで急逝した。愛娘の命
を救うことができなかった悔しさ。村松弁護士は事務所に家族の写真をたくさ
ん飾っている。特に長女麻衣さんの写真が多い。麻衣さんの最後の作文はいつ
もかばんの中にしまって持ち歩いている。苦しいときいつも娘が救ってくれる
と信じているのだ。

二つの出来事以来、村松氏は再建の仕事から逃げるようになった。怖いのだ。
精神的に立ち直れないのだ。



【2】参議院財政金融委員会に呼ばれて!

それから3年程が過ぎたとき、参議院財政金融委員会から参考人として呼び出
された。委員会の席で「倒産寸前の会社を100%再生し続けなければならない
か」と質問された。

村松氏は「100%再生すべきです。なぜなら人の命が係わっていますから」と答
えた。この瞬間に眠っていた昔の正義感に火がついた。再び困難な仕事にのめ
りこんでいった。

NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演したとき「よく立ち直りま
したね」と言われた。それに対して村松氏は「今でも立ち直っていませんよ。
でも心にかさぶたができた」と答えた。

正義感がかさぶたになっていた村松氏の心の傷よりも大きくなっていたのである。



【3】会社の救済は人生の救済だから!

あるときそば屋の親子が事務所に駆け込んできた。父はどうしたらよいかも分か
らずおびえて震えている。二代目の息子が拡張のため多店舗展開し4億円近い借
金を作り、返せる当てもないまま倒産の淵に立たされていたのだ。

村松氏は財務データを見ながら「大丈夫、再建できる」と二人を励ました。その
かわり新宿店だけに絞り、後は閉鎖が条件とした。

親子と民事で行くことで合意した後、村松氏はそばを食べに出向いた。味が落ち
ていないことを確認するためだ。綿密な再建計画を作成し債権者説明会を開催し
た。30分前に会場入りし、そっと麻衣さんの写真を出して勇気をもらった。債
権者たちから何とか了解してもらい親子を救うことができた。会社の救済は人生
の救済であり、心の救済である。それを成し遂げた瞬間だった。



【5】編集後記

三方一両損というキーワードを小泉元総理は好んで使った。銀行、取引先にも借
金の棒引きで協力してもらう考えが正にそうだ。

倒産すれば債権者に一円も戻らない。だが借金棒引きに協力して再建できた暁に
は何割かまとまったお金が戻るという論法だ。説得力ある再建計画と誠意ある説
明がカギだ。

村松氏の「思いやり」と「顧客重視力」なるコンピテンシーには頭が下がる。

<この記事は平成21年1月27日再放送のNHKの「プロフェッショナル仕事
の流儀」も参考にしています。>



次回に続く


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

本メールマガジンは「まぐまぐ」と「melma」を通して発行しております。
「まぐまぐ」での登録・退会はこちらから
⇒ http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/melmag.html
「melma」での登録・退会はこちらから
⇒ http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/melmag2.html

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央

*************************************************************************

この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
著書「中堅・中小企業のためのコンピテンシー入門」好評発売中!詳細はこち
らから⇒ http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/book.html

*************************************************************************

絞り込み検索!

現在22,868コラム

カテゴリ

労務管理

税務経理

企業法務

その他

≪表示順≫

※ハイライトされているキーワードをクリックすると、絞込みが解除されます。
※リセットを押すと、すべての絞り込みが解除されます。

スポンサーリンク

経営ノウハウの泉より最新記事

スポンサーリンク

労働実務事例集

労働新聞社 監修提供

法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

注目のコラム

注目の相談スレッド

スポンサーリンク

PAGE TOP