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出向者の賃金

◆事例:出向者の賃金

 経営指導を受けるため取引先銀行の人が出向してくることになりました。先
方からは給与は一部負担でよいと言われましたが、実際の支払はどのように行
ったらいいのでしょうか。

◇回答----------------------------------------------------------------
 在籍出向者の給与の支払方法についての規制は特になく、出向元と出向先が
協議して決めるのが通例です。一般的には出向元が給与支払者となり、出向
は負担金として出向元に一定の額を納める方法が多いようです。なお、社会保
険、労働保険等の取り扱いには注意が必要です。

■解説----------------------------------------------------------------

 以前ほどでないにせよ、銀行など有力企業が融資先や子会社等の中小企業へ
出向者を送り込むことがよくあります。出向先からの要請というより出向元の
リストラ含みもあるので出向のイメージは相変わらず良くないです。
 出向には以前メルマガで述べましたが、在籍出向と移籍出向がありますが、
この事例では在籍出向となります。移籍出向なら身分そのものが出向先に行っ
てしまうので形の上では転職と同じになります。

 在籍出向の場合、身分が出向元と出向先双方に存在することから、給与の支
払いや負担方法が問題となります。この点に関して労働法令では特に定めがな
いため、通常は双方が協議して取り扱いを決めることとなります。前例があれ
ばほとんどの場合、それに従っているようです。

 出向者への賃金支払いの方法としては、出向先が本人に直接支払う方法もあ
りますが、概して出向先の賃金は従来出向元が支払っていた額より低いことが
多く、そのままでは問題があります。その回避策として出向元がその差額を本
人に支払うことも考えられます。その場合、本人は2以上の事業所から賃金
受けることとなるので、税法上少々ややこしくなります。

 広く行われている方法として、本人への賃金支払いは従来通り出向元がその
基準で支払を継続し、出向先は出向先基準の賃金相当額を出向元へ納付する方
式が挙げられます。この方法であれば、本人は今まで通り出向元の給与明細
受け取ることができ疎外感の緩和になります。この場合の出向元の実質負担額
は、本人へ支払った額と出向先が負担し納付してくれる額との差額だけです。

 そのためには事前に出向契約書や覚書等、書面できちんと取り決めをしてお
く必要があります。内容は賃金の負担の額、その方法や支払時期はもちろんの
こと、可能な限り広範囲で具体的詳細に記載しておくべきです。この内容には
社会保険料や旅費精算の方法なども入れておくべきです。出向先で直接支払う
のか、差額はどう取り扱うのか等、後々トラブルのもとになるものが多くあり、
全て網羅するとミニ社則集といえるほどの範囲と分量になります。資金移動が
絡むので経理部門との調整も不可欠です。

 なお、社会保険労働保険については法令や指導に従うこととなります。通
常は給与支払者(多くは出向元)の被保険者として適用するようです。但し労
災は現地主義のため出向先で適用されます。もちろん労災保険料の納付は出向
先が行いますが、負担をどうするかは双方の会社の取り決めにより行うことが
できます。

 それと、労働時間休日等については現地の出向先の基準に合わせざるを得
ません。出向前より労働時間が長くなった等の場合、何らかの調整措置が必要
となることも多いようです。


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