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資金の滞貨を防止する対策

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2009年11月2日発行 第1・第3週月曜日発行
メールマガジン:経営のパートナー VOL4
<経営学で企業を再生する>
【発行責任者】経営テクノ研究所 代表 舘 義之
【E-mail】tate@agate.plala.or.jp
【H P】http://www9.plala.or.jp/keiei-techno
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■CONTENTS■
VOL4.コスト・ダウン
●資金の滞貨を防止する対策
●閑話休題「企業を救う二つの徳」
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●資金の滞貨を防止する対策

 「腹八分に医者いらず」という言葉があります。人間でも食べ過ぎて便秘
という状態では、医者の世話になるより仕方がありません。

 企業経営にも便秘はあります。放漫経営の結果、資金の滞貨を招く状態で
す。赤字から倒産へと、破綻が急速に訪れます。

 では、企業の便秘は、どうやって治療したらよいのでしょうか。下剤の用
い方を誤ってはなりません。資金の回転率を高めることが最良の対策なので
すが、それを個々について検討してみることが大切です。

1.在庫品の回転率を高める
 在庫品とは、棚卸商品または製品、および仕掛品、半製品などですが、こ
の種の回転率を高めようとする際に問題となるのは、経営者の我への固執で
す。経営者の見栄や体裁が、在庫品を増大させている事実を、しばしば見受
けることがあるからです。

 そこで、次のような在庫品に関するチェック・システムを採用する必要が
あります。

(1)目的および方針を明確にする
(2)責任と権限をはっきりさせる
(3)記録や資料を大切にする
(4)コントロールしやすいように、在庫品を分類し、標準化、単純化に意
を注ぐ
(5)よい監督者を選定する

 この点に注意しながら、次の要領で改善を進めていく必要があります。
●徹底的に棚卸を行ってみることです。きず物、売り残り品、流行遅れの品
物など、滞貨している商品といった回転率の悪いものは、なるべく有利な方
法を工夫しながら、速やかに換金化することです。

●仕入を手控えることです。必要な商品、材料のみに気を配り、売りに全力
を傾けるべきです。

●商品または製品計画を再検討してみることです。適性在庫を求めるために、
差益率、回転率を計算し、需要予測を確立することです。

●製造業にあっては、仕掛品の減少に力を入れることです。生産作業の標準
化、合理化によって、滞貨している資金を捻出する必要があります。

●下請企業の場合は、受託加工に切り替え、材料支給等で資金の円滑化を計
ります。

2.売掛債権の回収を適正化し、回転率を高める
 取引先との通常の販売取引・営業活動により生じる受取手形売掛金を売
債権、あるいは受取勘定と呼び、それらを売掛債権といいます。つまり、
貸したお金を返してもらうことなのです。

現金売りを促進することはもちろんですが、売掛サイトについても一定の
期間を設け、支払い条件の悪い得意先は切り捨てます。

●信用調査を徹底し、不良貸付を少なくします。

売掛債権に対する回収率を、得意先別に計算し、利益率とにらみ合わせな
がら営業政策を考えます。

 売掛金をコントロールする資料としては、次の計算に基づいて、欠陥を改
善し、長所を生かす工夫をしなければなりません。

(1)掛売高対総売上高の比率
(2)貸倒損失対掛売高の比率
(3)回収率
(4)売掛金回収までの平均期間
(5)遅滞率

 さらに、売掛金コントロールの能率測定に、次の式を用いて、掛売平均日
数を計算すると有効です。
 (売掛金平均残高÷掛売高年額)×365=掛売平均日数

3.固定資産の遊休設備をなくす
 固定資産とは、販売目的でなく継続的に会社で使用することを目的とする
財産のことで、有形固定資産無形固定資産・投資その他の資産などに区分
されます。

 ここでいう固定資産とは、有形固定資産を示すもので、土地や建物、ある
いは備品・機械装置・車両運搬具などを対象に有効活用を図ることを意味し
ています。

●遊休設備があれば、これらの活用方式を考えます。

●賃貸、転売も、時によっては、有効な決め手となるので考慮します。

4.買掛債務など負債決済期間の延長
 買掛債権とは、商品やサービスを購入したものの、まだ納めていない代金
を支払う義務のことをいいます。会社の負債の一つで、具体的なものに買掛
金や支払手形などがあります。

●仕入統制をします。

●支払い期日の延長については、信用問題にもかかわりますので、慎重に債
権者と話し合うべきですが、資金の回転率を高めるには効果があるので重視
する必要があります。
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●閑話休題「企業を救う二つの徳」

 ビジネスマンは、無知であってもならないし、偏見をもっていてもなりま
せん。まず、将来を見通す先見の明を発揮しなければつとまらないでしょう。
そして、決断力を持たなければなりません。

 ただこの二つの能力を持っていて、普通にやったのではダメなのです。や
る以上は自分一人でも、卓越した先見と、決定を行うべきなのです。しかも
組織という枠の中で、それをやっていくのですから、組織の技術をわきまえ
る必要があります。これをわきまえていけば、多くの人のエネルギーと創意
と工夫を自由に、そして思う存分に発揮させることができます。

 しかし、これだけで、ビジネスマンの任務が終わったわけではありません。
まだ、やるべきことが残されています。

 それは「正直」と「勇気」です。昔のビジネスマンの徳とされていたもの
に、正直がありました。ビジネスマンの唯一の徳は正直ときで言われました。
いや、昔より一層正直が要求されることは変わりありません。

 特に経営者にとって正直と勇気の二つの徳は、企業を救う最大の宝なので
す。ビジネスの世界において、多くの不正がやり玉にあがったり、ワイロが
許され、脱税が経営者の手腕とされていることも幾多指摘されました。

 ビジネスの世界における正直とは、一言にしていうと「全てのビジネスの
投資は、公共の利益」をもたらすものでなければならないということです。
ですから、全てのビジネス取引は公開されて、少しも秘密にしてはならない
ということになります。

 つまり、経営者は煌々たるライトに照らされて、リングの舞台に登った選
手にもたとえられるのです。不正やヤミ取引きのない、真剣勝負なのです。
正直でなかったために、リングの舞台から消え去った企業があることも事実
です。

 だから、企業のバランス・シートの中には、経営者の誇りと叡知が読まれ
るものでなくてはならないのです。

 この正直に加えて経営者の最大の徳とされるものに、勇気があります。勇
気は信念に基づくものであり、自信の発露といつてよいでしょう。公平な利
潤をあげ、富をつくり、そして、豊富な社会をもたらす最大の武器は、この
勇気以外にないといっても過言ではありません。

 よく立直った企業の例を見ると、直ちに転換する先見の明があり、新しい
商品をつくっても捌いていける自信があったところです。その勇気と自信と
が、倒産を救った最大の要因だったのです。

 アメリカの中小企業の倒産調査報告によると、なんといっても直接の動機
は金がつまったことによりますが、正直と勇気の経営者の二つの徳であたれ
ば、倒産を回避できたものが4割もあるというのです。
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【ホームページ】http://www9.plala.or.jp/keiei-techno/
【お問合せ】tate@agate.plala.or.jp
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【発行元】経営テクノ研究所〒110-0008 東京都台東区池之端1-4-29      
     ライオンズマンション池之端305TEL&FAX:03-5913-9197 
【発行責任者】経営テクノ研究所 代表 舘 義之
【事業内容】コンサルティング・企業内研修・講演会・経営顧問・執筆
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