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親睦会の会費強制徴収と剰余金未返還について

著者 ワッカ さん

最終更新日:2006年06月27日 15:51

この欄で質問できる内容か判りませんが、可能ならお答え下さい。
 会社では、親睦会と言って役員を除く社員が会員となり親睦融和を計る会があります。内容は慶弔金の支給、クラブ活動の推進支援、社内旅行や行事の実施です。
役員を除く社員が強制的に加入させられ、毎月千円の会費が徴収されます。
 この会で以下の問題点があります。
 1.入社時に親睦会強制加入する事の説明はありません。  また退職まで脱会できません。脱会の自由が無い。
 2.会費の返還はしないと会則にあります。
  (実際の活動はほとんど無く、単なる慶弔金の支給だけ
  が行なわれ、年間一人当たり約一万円位会費が余りま
  す。)
  会費は給与から天引きされています。
 3.会の行事(社内旅行等)に参加しない場合は、会費の返  還をしない。
  (実際、不参加者への会費の返金はありませんでした)
 4.独身者や高齢の中途入社社員は慶弔金を受け取る機会が
  ほとんど無い。
 5.会社行事の嫌いな社員をまったく考慮していない。
 6.会長は、管理職が決めた代議員により決めるが、副会長  は総務役員が決めた管理職が就任する。親睦会役員の  名簿を会社に提出し、了承を得る。
 7.総会の決議事項に関する議事録を会社の役員に提出し、
  了承を得る。
  (会社からは何か行事を実施する以外には資金援助は
   受けていません)

 以上の内容の親睦会は法律的?な問題はないのでしょうか

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Re: 親睦会の会費強制徴収と剰余金未返還について

著者dragoonさん

2006年07月27日 09:48

法的な問題に限定するのであれば・・・


1.まず賃金からの親睦会費の徴収について、24条協定を締結しているか

2.第2に親睦会への参加(入会)について同意の意思があるかです。


 1.の締結がなければそもそも賃金から金員を控除することを認められていないので、控除そのものが労働基準法違反です。(入会の有無に関わらず)

 賃金は、一括して、一定の期日に、労働者に直接しはらわなければならない、という法の大原則によるものです。

 この場合、仮に親睦会への入会に同意していたとしても控除は認められません。締結していないのであれば、賃金を受け取った後に、自分で親睦会に会費を納入する、という形が必要です。

 2.親睦会なるものが、会社の業務と関係のない親睦・行事主催団体とすれば、そもそも入会するしないは本人の自由です。


 さて、ご質問の6点について、以下の通り述べさせていただきます。

1.親睦会の説明と、入会の説明がないということですので、当然入会する意思表示もされていないと拝察します。入会していない以上は、会費を支払う義務はありません。
 脱会の自由が無い、という点については、後述します。


2.入会した上で、いったん支払った会費の返還を認めない、というのは法的に追及するのは難しいと思いますが、入会の事実を争うのであれば、当然返還も求めるべきでしょう。

3.親睦会に入会した上で、親睦会費を払っているのであって、行事参加費用を負担している、ということではありませんので、不参加だからといって返還を求めることには無理があります。

 ただ、2に関連しますが、入会したつもりはないのに、勝手に控除されてるのだから、払った金を返せ、ということとは異なります。

4.5.について、遵法意識があり個人の意思を尊重する組織だったら、そういう点を考慮して、あなたは親睦会に入会されますか?入会されるらなら、行事参加や慶弔金受け取りの権利がありますが、一方で会費を負担していただきます、と説明があるはずです。選択と本人意思を確認するべきですね。
 行事の中身については、親睦会に入会したのであれば、その部内で検討すべきことです。


6.7.について会社の従業員による任意活動と思わせながら、実際強い会社の影響下にあるものと拝察します。従業員のためにやるのだから、会費を払えというのであれば、会費を徴収される従業員による意思決定が最重要です。親睦会といえども実態は、会社の下部組織といったところでしょうか? 
 であれば、それは業務というべきです。その費用は会社が持つべきであって従業員に負担を強いるのは間違いです。

 一部従業員の主体性をみとめながら一定の事項については役員の承認が必要・・・
 任された仕事は自分の判断で動くが、ある事項については上の判断、承認が必要。
 通常の業務上の動きとなんら異なるところがありませんね。

 たとえば、社員旅行などでも、参加強制の必要性を訴える経営者の方がいますが、強制するのであれば、それは業務命令として行い、業務である以上それに対する賃金の支払、旅行費用の会社負担は当然です。

 福利厚生の一環として、従業員の活動に金銭的な援助を与えること自体は問題ではありません。入会した上で、入会した会員の活動に資金援助を与えるのは福利厚生の一環といえるでしょうが、ご質問の主旨からいうと、会社の業務に準じた活動のために、従業員にその負担を強要するというのは、常識以前の問題というべきでしょう。


さて、1.の脱会の自由が無い、ということですが。

 業務として行われる活動であれば、そもそも脱会の自由などありません。ただ6.7.への回答で述べさせていただいたとおりです。

 あくまで会社は従業員又は従業員団体の活動に対して、援助を与えて活動しているのであれば、加入を強制されるいわれはありません。
 義務の無いことを強要することを、普通は強要罪といいます。

 法的に強制されない限り、どの団体に属するか否かは本人の意思による、これは法理としても常識として当然のことです。

 当然入会していない以上は退会もできないのですが・・・

 ただ、入会していない、といっても親睦会費を徴収されていたことにたいし、異議を申したてていないのであれば、黙示の承諾といわれかねません。

 譲歩して入会はみとめるので、退会したい、ということであれば、退会の意思表示をし、今後の控除をやめるよう申し入れられるべきですね。

 退会は認めない、というのは法的には認められません。

 権利能力なき団体の入退会について、今年になって最高裁の判断が示されました。
 集合住宅の自治会活動にかかわる問題です。(法律上強制されているマンション等の管理組合ではない)

 主旨は、
 入会・所属している以上は会費の支払義務がある。
 退会は、本人の自由意志であり、退会した以降の会費の支払義務は存在しない。

 以下、判例へのリンクです。
 http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=25047&hanreiKbn=01

 ご参考まで。

Re: ご回答ありがとうございます

著者ワッカさん

2006年08月09日 08:45

dragoon様
 詳しいご回答、ありがとうございます。
 当社の親睦会の問題点が良く判りました。退会の自由が無い事自体に問題がある訳ですね。
 親睦会の活動に疑問や、不満を持っている社員に働きかけて改善を計りたいと思います。
 今後とも、ご指導よろしくお願い致します。

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