相談の広場
最終更新日:2012年07月21日 12:50
いつも拝見させていただき、大変勉強させていただいております。
本人の希望で役職を降りたいと申し出て、降りてもらうことが決まったのですが、その後の給与についてご教授ください。
法律で給与の減額は10%までと耳にしたことがあるのですが、役職手当がなくなると、結構な額が減ることになり、総支給から見ると10%以上給与が下がることになってしまいます。法律上で決められている10%までというのは、総支給の10%なんでしょうか?初歩的な質問で申し訳ありませんが、何卒ご教授ください。
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YOU1さん こんにちは
ご質問の降格人事、給与設定なかなか難しい問題ですね。
確かに、逸脱した降格人事は労基法等でも無制限に容認しているわけではないでしょう。
基本は、職務権限及び給与規程での設定が必要と思います。
降格については職位(役職)を引き下げるものと、職能資格制度下で資格を低下させるものがあります。さらに具体的な降格の方法には懲戒処分による場合と人事上の措置としての異動(配置転換)による場合があります。
配置転換の場合、就業規則等の根拠規定で「業務上の必要があるときは配置転換、職種変更を命ずる」旨の規定があれば可能です
。それでは、祖語質問の職位の引き下げとしての降格は無制限に行えるのかどうかですが、判例等でも容認するとの見方もあります。
バンク・オブ・アメリカイリノイ事件 東京地裁 平成7年12月4日)
『 そもそも、一般に使用者は労働者を企業組織の中で位置付け、その役割を定める権限(人事権)があることが予定されている。したがって、人事権の行使は、基本的に使用者の経営上の裁量判断に委ねられる事項であるから社会通念上著しく妥当性を欠き、権利の濫用に当たると認められない限り、違法であるとは言われない。
もっとも、その人事権の行使は労働者の人格権を侵害する等の違法・不当な目的・態様をもってなされてはならないというだけでなく、経営者に委ねられた裁量判断を逸脱しているかどうかについては、使用者側における業務上・組織上の必要性の有無・程度、労働者がその職務・地位にふさわしい能力・適正を有するかどうか、労働者の受ける不利益の性質・程度等の諸点が考慮されるべきである。 』
ルールとしては、職務権限規程における同人の権限状況及び給与規程における同人の就業年数、期間で判断すべきでしょう。
ただ、お話では、降格及び減給もありうるとの本院承諾の要ではありますが、話し合いの上決定すべきでしょう。
降格人事による減給は、就業規則に根拠になる条項(降格、減給)があるか、または労働者の個別の同意が必要です。
本人の希望ということですから同意は得られていると認められます。
しかし、人事権の行使としての降格は可能だとしても、降格と減給は別であり、人事権の行使が労働契約の内容の賃金まで変更できるのか。を争った裁判では
「賃金の減額を伴う降格は、労働契約の内容を変更するものであるから、労働者の承諾を得るか、就業規則に根拠がなければこれをすることができない」(豊光実業事件・大阪地裁決定平12.5.30)
というのがあります。
ので、役職手当が支給されなくなったとしても、当然手当てがカットされるのではなく、そのことについての就業規則の定めが必要と考えます。定めがなければもう一つのほう、労働者の承諾ですね。
賃下げが許される場合とは
なおコラムで、『賃下げが許される場合とは』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-75180/
を書いています。ご参考に。
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