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~得する税務・
会計情報~ 第116号
【
税理士法人-優和-】
http://www.yu-wa.jp
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グループ法人税制度
平成22年税制改正大綱の最も大きなトピックと言える、グループ
法人税
制度について主な内容と留意すべき点について記載させて頂きます。
グループ法人税制の適用対象は完全支配関係のある
法人間の取引が対象
となります。完全支配関係とは『一の者が
法人の
発行済株式等の全部を直
接若しくは間接に保有する関係として政令で定める関係又は一の者との間
に当事者間の完全支配の関係がある
法人相互の関係』です。
シンプルに言えば、個人または
法人から100%支配されている
法人(親子
会社)及び同一の
法人から100%支配されている相互の
法人(兄弟会社)の
法人間取引が適用対象となります。
適用時期については下記のとおりです。
平成22年10月1日以降の取引から適用(下記1、3、6)。
平成22年4月1日以後開始事業年度より適用(下記2、4)。
平成22年10月1日以後に同日以後に解散する
法人の残余財産が確定する場合
等における
法人の各事業年度の所得に対する
法人税について適用(下記5)
主なトピックと留意事項について
1.グループ
法人間の取引に係る損益の繰り延べ
対象
資産は簿価1000万円超の
固定資産が対象となります(
売買目的有価証券
除く)。
*繰延損益の実現は再譲渡・償却処理・
除却等の事象により認識します。
再譲渡に関して、制度趣旨を鑑みてグループ外への譲渡の場合のみ実現処理
をすべきとの意見もありますが書籍等を確認する限り、グループ内外問わず、
再譲渡をした際に実現処理を行って問題ないと思われます。
2.グループ
法人間の
配当金の
益金不算入制度
改正以前においては、グループ内の
配当であっても、
負債利子分に関して課
税がなされていましたが今後は全額を
益金不算入とすることが出来ます(以
前は「受取
配当-
負債利子」部分が
益金不算入対象額だったため
負債利子部
分が課税されていました)。ただし、
配当金等の計算期間の開始の日からそ
の計算期間の末日まで完全支配関係が継続している場合に限ります。
3.「
みなし配当事由」により生じた株式の譲渡損益の取扱い
改正以前においては、グループ内において
自己株式を取得されることにより、
株式の譲渡損及び
みなし配当金を認識して譲渡損は計上される一方で、みな
し
配当に関しては
受取配当金の
益金不算入制度が適用されるため、実質的に
損失のみを計上することが可能となっており、租税回避とも取れる行為が多
く行われていました。
そのため、改正後は譲渡損益及び
受取配当金の双方が税務上は認識されない
ように改正が行われています。
4.
資本金5億円以上の
法人による完全支配関係がある中小
法人の取扱い
中小企業特例(
法人税の軽減税率、留保金課税の不適用、
貸倒引当金の法定
繰入率の適用、
交際費の
損金不算入の定額控除、
欠損金の繰戻し還付)が上
記の中小
法人(
資本金の額または出資金の額が1億円以下の
法人)には適用
されなくなります。
特に留保金課税については、いままでは適用対象ではなくて意識していなか
ったことと思いますので、該当する会社においては、上記による課税が発生
しないように注意を払う必要があるかと思います。
5.完全支配関係がある
法人の残余財産が確定した場合の
欠損金の引継ぎ
子会社が解散した場合において、子会社株式の消滅損失の計上が認められな
くなります。その代わりとして、子会社における未処理
欠損金を引き継ぐこ
とが出来ます。
6.グループ
法人間の
寄付金及び受贈益の取扱い
完全支配関係がある
内国法人間の
寄付金について、その経済実態を内部の資
金移動と捉える観点から、支出側の
法人において全額を
損金不算入とされる
とともに受領側の
法人において受贈益の額は、全額を
益金不算入とされます。
今後は課税関係を意識することなく、グループ間の資金移動を行うことが出
来るのではと思います。
但し、この取扱いは
法人による完全支配関係に限ります(個人はNGです)
項目が多数にわたるため、非常に簡単に記載させて頂きましたが、今回の改
正は一定
資本金以上の会社が対象といったような制約がないため非常に多く
の中小企業が該当するものと考えられますので、今回記載させて頂いた内容
が少しでも皆様のお役に立つことが出来たならば幸いです。
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発行者 優和 茨城本部 楢原 功(
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グループ法人税制度
平成22年税制改正大綱の最も大きなトピックと言える、グループ法人税
制度について主な内容と留意すべき点について記載させて頂きます。
グループ法人税制の適用対象は完全支配関係のある法人間の取引が対象
となります。完全支配関係とは『一の者が法人の発行済株式等の全部を直
接若しくは間接に保有する関係として政令で定める関係又は一の者との間
に当事者間の完全支配の関係がある法人相互の関係』です。
シンプルに言えば、個人または法人から100%支配されている法人(親子
会社)及び同一の法人から100%支配されている相互の法人(兄弟会社)の
法人間取引が適用対象となります。
適用時期については下記のとおりです。
平成22年10月1日以降の取引から適用(下記1、3、6)。
平成22年4月1日以後開始事業年度より適用(下記2、4)。
平成22年10月1日以後に同日以後に解散する法人の残余財産が確定する場合
等における法人の各事業年度の所得に対する法人税について適用(下記5)
主なトピックと留意事項について
1.グループ法人間の取引に係る損益の繰り延べ
対象資産は簿価1000万円超の固定資産が対象となります(売買目的有価証券
除く)。
*繰延損益の実現は再譲渡・償却処理・除却等の事象により認識します。
再譲渡に関して、制度趣旨を鑑みてグループ外への譲渡の場合のみ実現処理
をすべきとの意見もありますが書籍等を確認する限り、グループ内外問わず、
再譲渡をした際に実現処理を行って問題ないと思われます。
2.グループ法人間の配当金の益金不算入制度
改正以前においては、グループ内の配当であっても、負債利子分に関して課
税がなされていましたが今後は全額を益金不算入とすることが出来ます(以
前は「受取配当-負債利子」部分が益金不算入対象額だったため負債利子部
分が課税されていました)。ただし、配当金等の計算期間の開始の日からそ
の計算期間の末日まで完全支配関係が継続している場合に限ります。
3.「みなし配当事由」により生じた株式の譲渡損益の取扱い
改正以前においては、グループ内において自己株式を取得されることにより、
株式の譲渡損及びみなし配当金を認識して譲渡損は計上される一方で、みな
し配当に関しては受取配当金の益金不算入制度が適用されるため、実質的に
損失のみを計上することが可能となっており、租税回避とも取れる行為が多
く行われていました。
そのため、改正後は譲渡損益及び受取配当金の双方が税務上は認識されない
ように改正が行われています。
4.資本金5億円以上の法人による完全支配関係がある中小法人の取扱い
中小企業特例(法人税の軽減税率、留保金課税の不適用、貸倒引当金の法定
繰入率の適用、交際費の損金不算入の定額控除、欠損金の繰戻し還付)が上
記の中小法人(資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人)には適用
されなくなります。
特に留保金課税については、いままでは適用対象ではなくて意識していなか
ったことと思いますので、該当する会社においては、上記による課税が発生
しないように注意を払う必要があるかと思います。
5.完全支配関係がある法人の残余財産が確定した場合の欠損金の引継ぎ
子会社が解散した場合において、子会社株式の消滅損失の計上が認められな
くなります。その代わりとして、子会社における未処理欠損金を引き継ぐこ
とが出来ます。
6.グループ法人間の寄付金及び受贈益の取扱い
完全支配関係がある内国法人間の寄付金について、その経済実態を内部の資
金移動と捉える観点から、支出側の法人において全額を損金不算入とされる
とともに受領側の法人において受贈益の額は、全額を益金不算入とされます。
今後は課税関係を意識することなく、グループ間の資金移動を行うことが出
来るのではと思います。
但し、この取扱いは法人による完全支配関係に限ります(個人はNGです)
項目が多数にわたるため、非常に簡単に記載させて頂きましたが、今回の改
正は一定資本金以上の会社が対象といったような制約がないため非常に多く
の中小企業が該当するものと考えられますので、今回記載させて頂いた内容
が少しでも皆様のお役に立つことが出来たならば幸いです。
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