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経営テクノ研究所
2012年12月17日 第1・3週月曜日発行
発行人:舘 義之
http://www9.plala.or.jp/keiei-techno/
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
★★経営のパートナー★★経営学で企業を再生する
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
<目次>
★第8回:人間関係の管理
★ちよっと苦言:頭より心で動かす
★編集後記
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
第8回:人間関係の管理
有名なホーソン工場の実験、ヤンキー・シティの調査などから、経営社会
における人間関係の研究が脚光をあび、
労務管理の一部門を形成するように
なりました。
それは従来の
労務管理が「物の環境」との交渉に重点をおき、
賃金と作業
環境の立場から
労働者個人の能率を問題としていたのに対する反動です。
その前提には、人間は、コストの原理と能率の原理で動くものであるとい
う機械論的な抽象があったに違いありません。
ところが人間は「人の環境」とも交渉があり、そこではたらく原理は、情
念の原理であることに気づいたからです。
賃金への不平が、その絶対額ではなく、同僚間の不公平に基づくものであ
るという発見も、ソシオグラム(集団の内部構成を測定するテストの応答を、
一見して成員相互の関係が分かるように図示したもの)を利用した社会測定、
ないしは、心理測定の結果でした。
人間は、社会的動物であるという原則を考えれば当然のことですが、経営
においては、この事実を忘れていたのです。
しかし、この事実を
再発見したからといって、
労務管理の体系に直ぐ組み
入れられるわけではありません。
部分的に、部下と上司・経営社会内の階層間の交渉・経営内のチーム・ワ
ーク・共同意識・信頼感・忠誠心・状況判断の思考方法といった面から解き
ほぐされて、やっと
労務管理の体系にもぐり込んだというのが偽らざるとこ
ろです。
人間関係という言葉も、それだけにアイマイです。しかし、研究の進展と
経営内の実際的適用によって、総合的に統一されたと言えます。
経営における良好な人間関係は、生産性増大の目的をもつ組織に関係のあ
る、全ての人々の経済的社会的心理的欲望の最大限の満足をもたらすための
手段である、といわれており、その目的は、良い
モラールを作り出すことに
あります。
モラール(士気・勤労意欲)形成のためには、
労務管理全般の組織化が必
要です。その総合プログラムは、次のようなものです。
第一段階……プログラムに対する雇い主自らの態度をつくる
第二段階……プログラムに対する
従業員の反応について、
従業員態度の調査
を行う
第三段階……調査結果の公表
第四段階……人間関係についての監督者の訓練
第五段階……よりよい
モラールのためのコミュニケーションの改善
第六段階……能力の客観的測定制度の測定
第七段階……
従業員が積極的なたいどをとり自己発表をなしうる機会を提供
する
第八段階……人間関係プログラムの管理制度を整える
このようにして、
労務管理の技術の体系がまとまったということになります。
これを実現するための個別的な方法としては、個人接触制度・産業相談
(悩みのうちあけ)・
従業員意見調査・提案制度・
従業員PR・福利活動の
活用などがあります。
これらは具体的技法が異なるだけで、従来、
労務管理で欠如していたもの
とはいうません。ただ、問題意識と調査ないし実施策が新しくなったという
ことはいえます。
労使関係についても同じことがいえます。労使は対立する、という前提が
ない限り、正常な関係は結べません。ところが、アメリカでは労使が完全に
対等です。観念ではありません。
ところがわが国では、
雇用は主従関係に転じてしまいます。いいたいこと
も言えません。その場で言って黙殺されるならば、まだましで、後から生意
気である、といわれかねません。
労使関係も人間関係管理の一側面ですが、この関係には歴史があり、体系
以前の実情があります。
たとえば、
資本専制的労使関係・温情主義的労使関係・緩和的労使関係の
後に、やっと民主的労使関係が成立しています。それが別な形をとると、抗
争的労使関係を展開することになります。
これを支えるものは経営思想であり、経営民主主義の考え方です。経営民
主主義を説明する暇がありませんが、これをつきすすめると
労働者の経営参
加が生じます。
従業員持株制であるとか、厚生施設の開放とか、
労使協議会
などはその典型です。
各種の
委員会がつくられ、「会議が多くて仕方がない。会議運営が悪くく
だらない」という声を浴びせられながらも、経営方針の決定を固執するとこ
ろに経営者の悲劇があります。
いろいろなところで
従業員と会いながら、友人を失い孤立化するのが経営
者であるし、
労働生産性を高めつつ、付加価値の分配を要求するのが
従業員
であり
労働者です。
このような認識のもとで、人間関係の面から労使対立を考えれば、ストラ
イキは避けられるはずであろうし、
労務管理担当者としての意欲も湧くはず
です。
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★ちよっと苦言:頭より心で動かす
デフレ時代になってくると合理的経営がより高度化それて、人間に合理主
義と機能主義の強化を求めるようになってきます。
機能主義一本槍の合理的管理者よりも、人情のある少し非合理性も適当に
理解する管理者の方がはるかに人気があり、また部下を掌握しています。
頭で考えた乾いた思考法は人の心を打ちません。しかし、心で考え出され
た地の通った思考法は相手の心を打つものです。
合理主義というものは時に反発作用を起こすものです。人間の心の動きと
いうものは、合理主義に嫌悪したがるものです。そんな時に、合理主義で圧
迫されている部下に、人情管理者の非合理性は強い魅力になってくるのです。
頭で押さえ込もうとする管理者より心で揺さぶってくる管理者の方につい
ていく傾向が強いのです。
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★編集後記
本メルマガが今年最後になります。来年からは「マーケティング」にテー
マが変わります。引き続きご愛読くださるようお願い申し上げます。
それでは、よいお年をお迎えください。
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★舘 義之のポジション
人事・IE・VE・マーケティングコンサルタント
人事・IE、VE・マーケティングの3輪で企業体質改善の仕組みを構築
して、厳しい経営環境の中で勝ち残っていく会社にすることを第一に支援し
ます。
舘 義之への問い合わせ
study@agate.plala.or.jp
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経営テクノ研究所
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発行人:舘 義之
http://www9.plala.or.jp/keiei-techno/
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★★経営のパートナー★★経営学で企業を再生する
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★第8回:人間関係の管理
★ちよっと苦言:頭より心で動かす
★編集後記
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第8回:人間関係の管理
有名なホーソン工場の実験、ヤンキー・シティの調査などから、経営社会
における人間関係の研究が脚光をあび、労務管理の一部門を形成するように
なりました。
それは従来の労務管理が「物の環境」との交渉に重点をおき、賃金と作業
環境の立場から労働者個人の能率を問題としていたのに対する反動です。
その前提には、人間は、コストの原理と能率の原理で動くものであるとい
う機械論的な抽象があったに違いありません。
ところが人間は「人の環境」とも交渉があり、そこではたらく原理は、情
念の原理であることに気づいたからです。
賃金への不平が、その絶対額ではなく、同僚間の不公平に基づくものであ
るという発見も、ソシオグラム(集団の内部構成を測定するテストの応答を、
一見して成員相互の関係が分かるように図示したもの)を利用した社会測定、
ないしは、心理測定の結果でした。
人間は、社会的動物であるという原則を考えれば当然のことですが、経営
においては、この事実を忘れていたのです。
しかし、この事実を再発見したからといって、労務管理の体系に直ぐ組み
入れられるわけではありません。
部分的に、部下と上司・経営社会内の階層間の交渉・経営内のチーム・ワ
ーク・共同意識・信頼感・忠誠心・状況判断の思考方法といった面から解き
ほぐされて、やっと労務管理の体系にもぐり込んだというのが偽らざるとこ
ろです。
人間関係という言葉も、それだけにアイマイです。しかし、研究の進展と
経営内の実際的適用によって、総合的に統一されたと言えます。
経営における良好な人間関係は、生産性増大の目的をもつ組織に関係のあ
る、全ての人々の経済的社会的心理的欲望の最大限の満足をもたらすための
手段である、といわれており、その目的は、良いモラールを作り出すことに
あります。
モラール(士気・勤労意欲)形成のためには、労務管理全般の組織化が必
要です。その総合プログラムは、次のようなものです。
第一段階……プログラムに対する雇い主自らの態度をつくる
第二段階……プログラムに対する従業員の反応について、従業員態度の調査
を行う
第三段階……調査結果の公表
第四段階……人間関係についての監督者の訓練
第五段階……よりよいモラールのためのコミュニケーションの改善
第六段階……能力の客観的測定制度の測定
第七段階……従業員が積極的なたいどをとり自己発表をなしうる機会を提供
する
第八段階……人間関係プログラムの管理制度を整える
このようにして、労務管理の技術の体系がまとまったということになります。
これを実現するための個別的な方法としては、個人接触制度・産業相談
(悩みのうちあけ)・従業員意見調査・提案制度・従業員PR・福利活動の
活用などがあります。
これらは具体的技法が異なるだけで、従来、労務管理で欠如していたもの
とはいうません。ただ、問題意識と調査ないし実施策が新しくなったという
ことはいえます。
労使関係についても同じことがいえます。労使は対立する、という前提が
ない限り、正常な関係は結べません。ところが、アメリカでは労使が完全に
対等です。観念ではありません。
ところがわが国では、雇用は主従関係に転じてしまいます。いいたいこと
も言えません。その場で言って黙殺されるならば、まだましで、後から生意
気である、といわれかねません。
労使関係も人間関係管理の一側面ですが、この関係には歴史があり、体系
以前の実情があります。
たとえば、資本専制的労使関係・温情主義的労使関係・緩和的労使関係の
後に、やっと民主的労使関係が成立しています。それが別な形をとると、抗
争的労使関係を展開することになります。
これを支えるものは経営思想であり、経営民主主義の考え方です。経営民
主主義を説明する暇がありませんが、これをつきすすめると労働者の経営参
加が生じます。従業員持株制であるとか、厚生施設の開放とか、労使協議会
などはその典型です。
各種の委員会がつくられ、「会議が多くて仕方がない。会議運営が悪くく
だらない」という声を浴びせられながらも、経営方針の決定を固執するとこ
ろに経営者の悲劇があります。
いろいろなところで従業員と会いながら、友人を失い孤立化するのが経営
者であるし、労働生産性を高めつつ、付加価値の分配を要求するのが従業員
であり労働者です。
このような認識のもとで、人間関係の面から労使対立を考えれば、ストラ
イキは避けられるはずであろうし、労務管理担当者としての意欲も湧くはず
です。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
★ちよっと苦言:頭より心で動かす
デフレ時代になってくると合理的経営がより高度化それて、人間に合理主
義と機能主義の強化を求めるようになってきます。
機能主義一本槍の合理的管理者よりも、人情のある少し非合理性も適当に
理解する管理者の方がはるかに人気があり、また部下を掌握しています。
頭で考えた乾いた思考法は人の心を打ちません。しかし、心で考え出され
た地の通った思考法は相手の心を打つものです。
合理主義というものは時に反発作用を起こすものです。人間の心の動きと
いうものは、合理主義に嫌悪したがるものです。そんな時に、合理主義で圧
迫されている部下に、人情管理者の非合理性は強い魅力になってくるのです。
頭で押さえ込もうとする管理者より心で揺さぶってくる管理者の方につい
ていく傾向が強いのです。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
★編集後記
本メルマガが今年最後になります。来年からは「マーケティング」にテー
マが変わります。引き続きご愛読くださるようお願い申し上げます。
それでは、よいお年をお迎えください。
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★舘 義之のポジション
人事・IE・VE・マーケティングコンサルタント
人事・IE、VE・マーケティングの3輪で企業体質改善の仕組みを構築
して、厳しい経営環境の中で勝ち残っていく会社にすることを第一に支援し
ます。
舘 義之への問い合わせ
study@agate.plala.or.jp
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