こんにちは。
社会保険労務士の田中です。
行政の労働相談件数の統計によると労使トラブルは増えています。
私の24年間の経験上でも、増えている事を実感しています。
転換点はインターネットや電子メールの普及率が高まった頃と思います。
「ネット以前」は
退職後(あるいは在職中)に不満を持った
離職者が
会社に何らかの主張をするには電話か手紙が主な手段でした。
しかし、電話をかける事は、相応の緊張を強いられ、
手紙を書く事は、「書く」という作業自体が面倒であり、
ましてや直接に会社に行って社長や
役員に話をする事などは、
余程の強い気持ちが無ければ、なかなかできないことです。
☆☆☆ インターネットで情報入手しての労使トラブル登場 ☆☆☆
しかし、インターネットと電子メールの普及はそれを一変させました。
インターネットで労働法・裁判例・先行事例などの知識を仕入れて、
電子メールで一方的に自己の主張を送信する、というスタイルの登場です。
総務省の「通信利用動向調査」ではインターネット普及率として、
世帯、個人別の他、
従業員100人以上および5人以上の企業の
平成9年から29年までの普及率を集計しています。
【 インターネット普及率 】
世帯 個人
平成 9年 6.4% 9.2%
平成10年 11.0% 13.4%
平成11年 19.1% 21.4%
平成12年 34.0% 37.1%
平成13年 60.5% 46.3%
平成14年 81.4% 57.8%
平成15年 88.1% 64.3%
平成16年 86.8% 66.0%
平成17年 87.0% 70.8%
(平成18年以降は省略)
推移を見ると、平成12年から平成14年頃にかけて急増しています。
特に世帯別では、平成11年の19.1%から14年の81.4%まで4倍以上です。
このデータを見る限り、「我が家にもインターネット回線」という状況は
8割を超えた平成14年で実現したと言えるのではないでしょうか。
一方、同期間の行政への労働相談件数などの統計を調べました。
時系列に追える一覧性のあるデータがないため、複数のデータから推移を
読み取ると、平成13年から16年にかけて相談件数が急増しています。
インターネットの普及率の急増と期間が重なります。
ただし、平成13年に各都道府県の労働局で「個別労働紛争解決制度」が
スタートしているので、その影響が強い可能性もあります。
しかし、私の実感としては、「個別労働紛争解決制度」の開始前から、
顧客企業での労使トラブルの発生件数は増えていました。
そして、
労働者がインターネットを使って労働法の知識や
労働関連の裁判例を知った上で、電子メールで自己の
主張を会社に送りつける事から始まる相談が増えてきました。
インターネットと電子メールの登場は労使トラブルを増加させた
だけではなく、そのタイプも変質させたのではないでしょうか。
☆☆☆☆
総務担当者としてどう備えるか ☆☆☆☆
今後も労使トラブルは当面の間、
増える事はあっても減ることはないでしょう。
企業の
総務担当者としては、次のような事が求められます。
・
労務関連の必要最小限の知識を身に付ける。
・
就業規則を整備して常にメンテナンスをする。
・労使トラブルの当事者となりやすい管理職に
きちんと
労務関連の知識を付けてもらう。(研修など)
・外部の専門家にすぐ相談できる体制をつくっておく。
中小企業では
総務担当者のレベルが、その会社の管理レベルを
左右するだけでなく、「会社の品格」にも影響を与えます。
苦労の多いポジションであり、その苦労がなかなか他部署には
分かってもらえないこともあると思いますが、日々のお仕事に
是非、確実に取り組んでください。(2020.03.25)
=============================================
☆ 当所は日々、難題に直面する
総務担当者の皆様を応援しています ☆
社会保険労務士 田中事務所 (東京都立川市)
何でも相談できる、何度も相談できる。1年だけの
契約もOK
月額30,000円(
消費税別)~ の、
人事・
労務コンシェルジュ
http://www.tanakajimusho.biz/jinjiroumusoudan
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こんにちは。社会保険労務士の田中です。
行政の労働相談件数の統計によると労使トラブルは増えています。
私の24年間の経験上でも、増えている事を実感しています。
転換点はインターネットや電子メールの普及率が高まった頃と思います。
「ネット以前」は退職後(あるいは在職中)に不満を持った離職者が
会社に何らかの主張をするには電話か手紙が主な手段でした。
しかし、電話をかける事は、相応の緊張を強いられ、
手紙を書く事は、「書く」という作業自体が面倒であり、
ましてや直接に会社に行って社長や役員に話をする事などは、
余程の強い気持ちが無ければ、なかなかできないことです。
☆☆☆ インターネットで情報入手しての労使トラブル登場 ☆☆☆
しかし、インターネットと電子メールの普及はそれを一変させました。
インターネットで労働法・裁判例・先行事例などの知識を仕入れて、
電子メールで一方的に自己の主張を送信する、というスタイルの登場です。
総務省の「通信利用動向調査」ではインターネット普及率として、
世帯、個人別の他、従業員100人以上および5人以上の企業の
平成9年から29年までの普及率を集計しています。
【 インターネット普及率 】
世帯 個人
平成 9年 6.4% 9.2%
平成10年 11.0% 13.4%
平成11年 19.1% 21.4%
平成12年 34.0% 37.1%
平成13年 60.5% 46.3%
平成14年 81.4% 57.8%
平成15年 88.1% 64.3%
平成16年 86.8% 66.0%
平成17年 87.0% 70.8%
(平成18年以降は省略)
推移を見ると、平成12年から平成14年頃にかけて急増しています。
特に世帯別では、平成11年の19.1%から14年の81.4%まで4倍以上です。
このデータを見る限り、「我が家にもインターネット回線」という状況は
8割を超えた平成14年で実現したと言えるのではないでしょうか。
一方、同期間の行政への労働相談件数などの統計を調べました。
時系列に追える一覧性のあるデータがないため、複数のデータから推移を
読み取ると、平成13年から16年にかけて相談件数が急増しています。
インターネットの普及率の急増と期間が重なります。
ただし、平成13年に各都道府県の労働局で「個別労働紛争解決制度」が
スタートしているので、その影響が強い可能性もあります。
しかし、私の実感としては、「個別労働紛争解決制度」の開始前から、
顧客企業での労使トラブルの発生件数は増えていました。
そして、労働者がインターネットを使って労働法の知識や
労働関連の裁判例を知った上で、電子メールで自己の
主張を会社に送りつける事から始まる相談が増えてきました。
インターネットと電子メールの登場は労使トラブルを増加させた
だけではなく、そのタイプも変質させたのではないでしょうか。
☆☆☆☆ 総務担当者としてどう備えるか ☆☆☆☆
今後も労使トラブルは当面の間、
増える事はあっても減ることはないでしょう。
企業の総務担当者としては、次のような事が求められます。
・労務関連の必要最小限の知識を身に付ける。
・就業規則を整備して常にメンテナンスをする。
・労使トラブルの当事者となりやすい管理職に
きちんと労務関連の知識を付けてもらう。(研修など)
・外部の専門家にすぐ相談できる体制をつくっておく。
中小企業では総務担当者のレベルが、その会社の管理レベルを
左右するだけでなく、「会社の品格」にも影響を与えます。
苦労の多いポジションであり、その苦労がなかなか他部署には
分かってもらえないこともあると思いますが、日々のお仕事に
是非、確実に取り組んでください。(2020.03.25)
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☆ 当所は日々、難題に直面する総務担当者の皆様を応援しています ☆
社会保険労務士 田中事務所 (東京都立川市)
何でも相談できる、何度も相談できる。1年だけの契約もOK
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