• HOME
  • コラムの泉

コラムの泉

このエントリーをはてなブックマークに追加

専門家が発信する最新トピックスをご紹介(投稿ガイドはこちら

【整理】三方一両得を目指して

 こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
 産業医として化学工場、営業事務所、IT企業、電力会社、小売企業等で勤務し、厚生労働省において労働行政に携わり、臨床医として治療を行った複数の健康管理の視点で情報発信をしております。多くの企業様に労働衛生法、従業員の健康、会社の利益を守るお手伝いが出来ればと、新ブランド産業医EX(エキスパート)を立ち上げさせて頂きました。
https://www.sangyouiexpert.com/
 さらに、文末のように令和元日(5月1日)に、「令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法」を出版し、今まで高価であった産業医が持つ情報を、お手頃な価格にすることができました。
 今回は、「【整理】三方一両得を目指して」について作成しました。
 労働衛生の取組を行うことで、従業員に培われる「技術」「経験」「人間関係」等の財産を、企業が安定して享受するためにご活用ください。
========================
【整理】三方一両得を目指して
========================
 令和2年9月時点で、『労災から派生する労使間の民事訴訟を避けるために』のコラムが6,000ビューを超える大きな反響をいただき、ありがとうございました。
 その様な弊社が事業活動をする中で、とある士業専門家より、「我々の仕事をとるのか!?」と強い指摘を受け、整理する良いきっかけを頂けました。
 『労災から派生する労使間の民事訴訟を避けるために』を示した弊社の見解について、まとめさせていただきます。

◎訴訟は労使双方にとって社会的に不健康になる
 刑事訴訟は、原則、罰則付き義務に対して、司法警察権を持つ公務員送検し、検察が起訴することで開始されます。こうなった場合、事業者被告人として、時間的な負担を支払うことになります。それ以外に、罰金はありますが、一般的な事業者報酬等を勘案すると、時間的な負担に比べれば小さいものです。
 しかし、民事訴訟では、労働者の死亡に対して、事業者に1億円を超える損害賠償の支払いを命じる判決も出ています。
 この損害賠償について重要な観点は、労働者は既に亡くなっており、労働者本人は損害賠償を受け取ることはできない点です。これでは、労働者が金銭を得て身体的・精神的・社会的に健康になることは当然なく、企業も金銭が出ていくことで社会的に不健康となってしまいます。双方がただ不健康になってしまいます。
 もちろん、労働者の遺族にとっては重要な損害賠償です。その中で、士業専門家が、遺族を助けるために報酬を得ることは当然であると思います。
 さらに、予防が適切に行われることで、その報酬が得られる機会が減るおそれは、十分にありえることと存じます。

◎不健康の自覚に基づいて需要は発生する
 士業専門家の方であれば、平均的な方より多くの時間を勉強や情報収集に費やしていることと思います。だからこそ、人によっては、困っているという社会的な不健康が発生してから、問合せをしてくる事業者労働者に対して、「もっと事前に情報を収集して、対策をとっていれば困らなくてすむのに。」と感じたこともあるかと思います。
 一方で、「この方は、困って初めて金銭を支払う気になったのだろうな。」という時もあるでしょう。
 医療の世界も同様です。標準的な個人の健康管理では、人は身体的、精神的、社会的に不健康の訴えが出て初めて、医療費を支払います。その不健康の訴えが強ければ強いほど、医療費の金額は増えていき、その究極は、その人が、その後の人生の時間で得られる収入に一致していきます。公共性がある保険診療が発達していない国で、医療費が数百万から数千万円になるのはそのためです。
 一定数の方は、自身が不健康であると自覚して、そこからの解放を望んで初めて、金銭を支払う前提での解決を求めます(需要発生)。
(もちろん、不健康になる前に前向きな対策を望む方も、たくさんいらっしゃいます。)

◎人の不健康を祈る商売では市場は縮小する
 現在、医師免許を取得した者は、臨床研修が義務づけられているため、ほぼ全ての医師に、不健康の訴えに対して全力で向き合う機会が与えられています。不健康が発生したことに対して、適切な対応を行うことはもちろん大事です。
 しかし、市場を構築するのは人であるため、その人が不健康になり、収入を得ることができなくなると、金銭を払うことができなくなっていくため、市場は徐々に縮小してしまいます。
 これは、医療に限らず士業にもいえることかと思います。民事訴訟等で企業と労働者が社会的に不健康になればなるほど、大きなお金が動きます。しかし、それが繰り返されると、いずれは企業と労働者が利益を上げられなくなるほど不健康なり、士業の市場は縮小してしまいます。
 目先の利益も大事ですが、長期的に利益を得るための視点も重要です。
 その視点に基づき、労使及び関連する専門家が『三方一両得』となるように、事業者や担当者に対して「訴訟は労使双方にとって社会的に不健康になってしまうので、そういった事態が発生しないように、予防に投資を行い、安定した経営を目指してください。」と情報発信しています。決して、「仕事をとる」というような意図で発信している訳ではありません。
 弊社は、企業と労働者が身体的・精神的・社会的健康を維持向上させるために、士業の先生方との連携をお待ちしております。
========================
令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法
http://miraipub.jp/books/%E3%80%8C%E4%BB%A4%E5%92%8C%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9-%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%81%8C%E3%81%84%E3%82%8B%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE-%E5%83%8D/

絞り込み検索!

現在22,378コラム

カテゴリ

労務管理

税務経理

企業法務

その他

≪表示順≫

※ハイライトされているキーワードをクリックすると、絞込みが解除されます。
※リセットを押すと、すべての絞り込みが解除されます。

スポンサーリンク

経営ノウハウの泉より最新記事

スポンサーリンク

労働実務事例集

労働新聞社 監修提供

法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

注目のコラム

注目の相談スレッド

スポンサーリンク

PAGE TOP