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1 はじめに
2
労働者災害補償保険法改正<通則関係・複数業務要因災害以外の規定>
3 過去問データベース
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└■ 1 はじめに
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令和2年度試験が終わり50日近く経ちます。
受験された方は結果が気になるところでしょうが、
合格発表は、まだ少し先ですね。
ところで、
社労士試験に合格するための勉強、忘却との闘いのようなところがあります。
合格するための勉強だけでなく、
合格後、「法律家」として仕事をされるのであれば、
勉強した法律、忘れるわけにはいきません。
法律を知らないのに、「法律家」というのは・・・!
令和2年度試験を受験された方で、
試験の後、まったく勉強していないという方・・・いるのではないでしょうか?
来月、合格発表があり、合格し、先に進むにしても、
残念な結果となり、来年度、再チャレンジするにしても、
あまり長い間、知識のメンテナンスをしないでいると、
「ゼロ」になってしまいますからね。
苦労して勉強し、身に付けた知識、失くさないようにしてください。
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└■ 2
労働者災害補償保険法改正<通則関係・複数業務要因災害以外の規定>
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今回は「通則関係のうち複数業務要因災害以外の規定」です。
☆☆======================================================☆☆
(1)複数事業
労働者
複数事業
労働者については、新労災法第7条第1項第2号により、これに類する
者も含むとしており、その範囲について新労災則第5条において、傷病等の原因
又は要因となる事由が生じた時点において事業主が同一人でない2以上の事業に
同時に使用されていた
労働者と定めている。
これは、傷病等の要因となる出来事と傷病等の発症の時期が必ずしも一致しない
ことがあるため、複数業務要因災害の対象である複数事業
労働者について、傷病
等が発症した時点において複数事業
労働者に該当しない場合であっても、当該傷病
等の要因となる出来事と傷病等の因果関係が認められる期間の範囲内で複数事業
労働者に当たるか否かを判断すべきときがあることから規定されたものである。
(2)
給付基礎日額
複数事業
労働者に関する
保険給付に係る
給付基礎日額については、
業務災害、
複数業務要因災害及び
通勤災害のいずれの場合においても、複数事業
労働者を使用
する事業ごとに
算定した
給付基礎日額に相当する額を合算することとなる。
(3)その他の通則規定
複数業務要因災害に係る新たな
保険給付が新設されたことに伴い、新労災法
第7条から第12 条の7までの
業務災害及び
通勤災害に係る規定の間に複数
業務要因災害に係る規定を加える所要の改正が行われた。
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└■ 3 過去問データベース
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今回は、令和2年-労基法問7-E「減給の制裁」です。
☆☆======================================================☆☆
労働者が、遅刻・早退をした場合、その時間に対する
賃金額を減給する際も労働
基準法第91条による制限を受ける。
☆☆======================================================☆☆
「減給の制裁」に関する問題です。
次の問題をみてください。
☆☆======================================================☆☆
【 H14-6-E 】
就業規則で、
労働者が遅刻をした場合にその時間に相当する
賃金額を減額する
制度を定める場合には、減給の
制裁規定の制限に関する
労働基準法第91条の
規定の適用を受ける。
【 H11-5-A 】
就業規則により出勤停止処分を課す場合、当該出勤停止処分により
労働者が出勤
しない期間中の
賃金を支払わないことができるが、一
賃金支払期における通常の
賃金額の10分の1を超えてはならないこととされている。
【 H16-7-B 】
就業規則に制裁として出勤停止及びその期間中の
賃金を支払わない定めがある
場合において、
労働者が、例えば5日間の出勤停止の制裁を受けるに至ったとき
は、当該5日間の
賃金を支払わないことは、制裁としての出勤停止の当然の結果
であって、
労働基準法第91条の減給の制裁の制限には関係のないものである。
【 H28-5-D 】
服務規律違反に対する制裁として一定期間出勤を停止する場合、当該出勤停止
期間中の
賃金を支給しないことは、減給制限に関する
労働基準法第91条違反
となる。
【 H2-6-E 】
就業規則中に
懲戒処分を受けた場合には昇給させない、という昇給の欠格条項
を定めても、「減給の制裁」には該当しない。
【 R1-7-D 】
就業規則中に、
懲戒処分を受けた場合には昇給させない旨の欠格条件を定める
ことは、
労働基準法第91条に違反するものとして許されない。
☆☆======================================================☆☆
「減給の制裁」に関する問題です。
これらの問題は、どのような場合が「減給の制裁」に該当するのかを論点にして
います。
「減給の制裁」とは、職場規律に違反した
労働者に対する制裁として、本来ならば
労働者が受けるべき
賃金の中から一定額を差し引くというものです。
言い換えれば、労働して
賃金を受けることができるけど、それを減らしてしまう
というものです。
したがって、遅刻、早退又は欠勤に対して労働の提供のなかった時間に相当する
賃金だけを差し引くことは、そのような
賃金制度のもとにおける一つの
賃金計算
方法であって、制裁としての減給に該当するものではありません。
【 R2-7-E 】と【 H14-6-E 】では、遅刻・早退をした場合に、その
時間に対する
賃金額を減給することが減給の制裁の規定の適用を受けるとして
いますが、前述のとおり、そもそも減給の制裁ではないので、減給の制裁の規定
の適用は受けません。誤りです。
また、
就業規則に出勤停止及びその期間中の
賃金を支払わない定めがある場合に
おいて、
労働者がその出勤停止の制裁を受けるに至ったとき、出勤停止期間中の
賃金を受けられないことは、制裁としての出勤停止の当然の結果であって、通常
の額以下の
賃金を支給することを定める減給制裁に関する規定とは関係ありません。
ということで、
「出勤停止期間中の
賃金を支給しないこと」は、
労働基準法に違反しないので、
【 H28-5-D 】は誤りです。
それと、「支払わないことができる
賃金額が10分の1まで」ということもないので、
【 H11-5-A 】も誤りです。
これらに対して、【 H16-7-B 】は正しいです。
【 H2-6-E 】と【 R1-7-D 】は、その他の問題と少し違っていて、
働かなかったというのではなく、昇給の欠格条項が「減給の制裁」には該当する
か否かを論点にしています。
「
懲戒処分を受けた場合には昇給させない旨の欠格条件」というのは昇給させない
だけの取扱いであって、現状の
賃金を減額するというものではありません。
ということは、減給制裁に関する規定とは関係なく、「
労働基準法第91条に違反
するものとして許されない」とある【 R1-7-D 】は誤りです。
【 H2-6-E 】は、「減給の制裁」には該当しないとしているので、正しい
です。
「減給の制裁」とはどのようなものなのか、「遅刻、早退又は欠勤」や「出勤
停止」、「昇給させないこと」とは異なるということは、理解しておきましょう。
また、「減給の制裁」に関しては、具体的な例を挙げて、該当するのかどうかを
問う出題があるので、そのような具体的な出題にも対応できるようにしておき
ましょう。
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1 はじめに
2 労働者災害補償保険法改正<通則関係・複数業務要因災害以外の規定>
3 過去問データベース
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ところで、
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└■ 2 労働者災害補償保険法改正<通則関係・複数業務要因災害以外の規定>
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今回は「通則関係のうち複数業務要因災害以外の規定」です。
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(1)複数事業労働者
複数事業労働者については、新労災法第7条第1項第2号により、これに類する
者も含むとしており、その範囲について新労災則第5条において、傷病等の原因
又は要因となる事由が生じた時点において事業主が同一人でない2以上の事業に
同時に使用されていた労働者と定めている。
これは、傷病等の要因となる出来事と傷病等の発症の時期が必ずしも一致しない
ことがあるため、複数業務要因災害の対象である複数事業労働者について、傷病
等が発症した時点において複数事業労働者に該当しない場合であっても、当該傷病
等の要因となる出来事と傷病等の因果関係が認められる期間の範囲内で複数事業
労働者に当たるか否かを判断すべきときがあることから規定されたものである。
(2)給付基礎日額
複数事業労働者に関する保険給付に係る給付基礎日額については、業務災害、
複数業務要因災害及び通勤災害のいずれの場合においても、複数事業労働者を使用
する事業ごとに算定した給付基礎日額に相当する額を合算することとなる。
(3)その他の通則規定
複数業務要因災害に係る新たな保険給付が新設されたことに伴い、新労災法
第7条から第12 条の7までの業務災害及び通勤災害に係る規定の間に複数
業務要因災害に係る規定を加える所要の改正が行われた。
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└■ 3 過去問データベース
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今回は、令和2年-労基法問7-E「減給の制裁」です。
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労働者が、遅刻・早退をした場合、その時間に対する賃金額を減給する際も労働
基準法第91条による制限を受ける。
☆☆======================================================☆☆
「減給の制裁」に関する問題です。
次の問題をみてください。
☆☆======================================================☆☆
【 H14-6-E 】
就業規則で、労働者が遅刻をした場合にその時間に相当する賃金額を減額する
制度を定める場合には、減給の制裁規定の制限に関する労働基準法第91条の
規定の適用を受ける。
【 H11-5-A 】
就業規則により出勤停止処分を課す場合、当該出勤停止処分により労働者が出勤
しない期間中の賃金を支払わないことができるが、一賃金支払期における通常の
賃金額の10分の1を超えてはならないこととされている。
【 H16-7-B 】
就業規則に制裁として出勤停止及びその期間中の賃金を支払わない定めがある
場合において、労働者が、例えば5日間の出勤停止の制裁を受けるに至ったとき
は、当該5日間の賃金を支払わないことは、制裁としての出勤停止の当然の結果
であって、労働基準法第91条の減給の制裁の制限には関係のないものである。
【 H28-5-D 】
服務規律違反に対する制裁として一定期間出勤を停止する場合、当該出勤停止
期間中の賃金を支給しないことは、減給制限に関する労働基準法第91条違反
となる。
【 H2-6-E 】
就業規則中に懲戒処分を受けた場合には昇給させない、という昇給の欠格条項
を定めても、「減給の制裁」には該当しない。
【 R1-7-D 】
就業規則中に、懲戒処分を受けた場合には昇給させない旨の欠格条件を定める
ことは、労働基準法第91条に違反するものとして許されない。
☆☆======================================================☆☆
「減給の制裁」に関する問題です。
これらの問題は、どのような場合が「減給の制裁」に該当するのかを論点にして
います。
「減給の制裁」とは、職場規律に違反した労働者に対する制裁として、本来ならば
労働者が受けるべき賃金の中から一定額を差し引くというものです。
言い換えれば、労働して賃金を受けることができるけど、それを減らしてしまう
というものです。
したがって、遅刻、早退又は欠勤に対して労働の提供のなかった時間に相当する
賃金だけを差し引くことは、そのような賃金制度のもとにおける一つの賃金計算
方法であって、制裁としての減給に該当するものではありません。
【 R2-7-E 】と【 H14-6-E 】では、遅刻・早退をした場合に、その
時間に対する賃金額を減給することが減給の制裁の規定の適用を受けるとして
いますが、前述のとおり、そもそも減給の制裁ではないので、減給の制裁の規定
の適用は受けません。誤りです。
また、就業規則に出勤停止及びその期間中の賃金を支払わない定めがある場合に
おいて、労働者がその出勤停止の制裁を受けるに至ったとき、出勤停止期間中の
賃金を受けられないことは、制裁としての出勤停止の当然の結果であって、通常
の額以下の賃金を支給することを定める減給制裁に関する規定とは関係ありません。
ということで、
「出勤停止期間中の賃金を支給しないこと」は、労働基準法に違反しないので、
【 H28-5-D 】は誤りです。
それと、「支払わないことができる賃金額が10分の1まで」ということもないので、
【 H11-5-A 】も誤りです。
これらに対して、【 H16-7-B 】は正しいです。
【 H2-6-E 】と【 R1-7-D 】は、その他の問題と少し違っていて、
働かなかったというのではなく、昇給の欠格条項が「減給の制裁」には該当する
か否かを論点にしています。
「懲戒処分を受けた場合には昇給させない旨の欠格条件」というのは昇給させない
だけの取扱いであって、現状の賃金を減額するというものではありません。
ということは、減給制裁に関する規定とは関係なく、「労働基準法第91条に違反
するものとして許されない」とある【 R1-7-D 】は誤りです。
【 H2-6-E 】は、「減給の制裁」には該当しないとしているので、正しい
です。
「減給の制裁」とはどのようなものなのか、「遅刻、早退又は欠勤」や「出勤
停止」、「昇給させないこと」とは異なるということは、理解しておきましょう。
また、「減給の制裁」に関しては、具体的な例を挙げて、該当するのかどうかを
問う出題があるので、そのような具体的な出題にも対応できるようにしておき
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